あいかわらずバラエティ路線でご機嫌をうかがいます。
どうも黄色い話ばっかりで・・・お恥ずかしい。
秋のおもひで(その1)

こんな季節になると、いやいや、たった今できたばかりの、黄金色(?)のエ
ピソード。今日は天気も良く、午前中はお墓参りに行き、午後は建築関係の用
事を済ませて、ここで義母を交えて夕食の後、江戸川区の家に送ってきました。
昼の天ザルか、夕食のすき焼きか、大島のあたりから、運転中にどうもおなか
がシクシクします。やっと我が家にたどりついて盛大に一仕事、あーよかった
よかった。さあ、風呂でも・・・ん?あれ??(ガチャガチャ)ん?誰もいた
ずらしてないよな。ロックも解除したし・・・(ガチャガチャ)こりゃ、ドア
ノブのロックが中で折れてるな。と、わかったところでどうしようもありませ
ん。蝶番は閉まった状態でははずせないし、空気取り入れの穴は体が通りそう
にない。こりゃ進退極まった。ここで寝るのはちょっと無理だな。甲斐さんな
ら発狂するな。と、妙に冷静を装ってもどうにもなりません。「おーい!」 


秋のおもひで(その2)

「どうしたの?まあ鍵なんかかけちゃったの?馬鹿ねえ。」
さすがに新婚のころのようにはいかず、ボロクソです。ドアの上の方にある直
径10cmくらいの窓を内側からねじって外しました。便座に立って窓に顔を
つけて
「いいから、わしの工具箱を持って来てくれ。」
この穴からドライバーを渡してもらって、ノブを外してみましたがどうにもな
りません。内側にはドア止めがありますので、すきまにこじいれることもでき
ません。外側から、すきまにドライバーをこじいれてもロックは動かないよう
です。しょうがないので、こんどはニッパーを渡してもらって、空気取りの格
子窓を外してみましたが、頭は入るものの、肩が通りません。うーん、本当に
困った。
「しょがないから星さん(大家さんです)を呼ぶわ。」
「それしかないか・・・」
「ほんとにみっともない。夜うんちするのはやめてよね。」
そんなこといっても・・・と思いつつも、今の私の立場は弱い。あきらめて、
持ち込んだ文庫本を読む私でした。すでに30分が経過しました。

秋のおもひで(その3)

「どうも大変なことで・・・」
と、大家さんが到着した様子です。勤務医をしている息子さんも来たようです。
再度便座の上に立ち上がって、丸窓から眼だけを出して
「やどうもどうも、お手数をかけて・・・」
という姿勢が我ながら間が抜けています。実は私はズボンを外に脱いでトイレ
に入っていたのですが、大家さんが来るので、格子窓を外した穴からズボンを
入れてもらったのです。開いた時に川俣軍二のような格好になるにはいきませ
ん。といっても、格好が悪いことにはかわりありませんけれど・・・。
 誰でもやりそうなことは同じで、ノブを回したり、ドライバーをこじ入れた
り・・・結果は同じです。私は、こういうことはけっこう得意なのですが、自
分でできないのがもどかしい思いです。
 実は町内に「金庫破りの名人」として、よくTVにも出る金庫屋さんがある
のですが、こうなったら、その人を呼ぶしかないということで、大家さんが電
話してくれました。
「今日はもう酒を飲んで寝ちゃったそうです。」
「**さんも、けっこう冷たいなあ」
ま、世の中、そんなもんさ、と便座に座ってすっかりニヒルになった私です。
すでに1時間近く経過しました。

秋のおもひで(その4)

最初から他にないとは思っていましたが、どうやら策も尽きたようなので
「あのー、ドアをこわしてもいいですか?」
と聞きますと、大家さんもしかたなく
「そうですね。壊しましょう。」
と話がまとまって、のこぎりで格子窓を下まで切り下げ、足で蹴りを入れると、
もともとベニヤ板張りの簡単なドアですから、バリバリと割れて穴が大きくな
りました。この穴からやっと這い出たのですが、肘のあたりに擦り傷を作って
しまいました。
「あ、電気を消し忘れた。」
で、こんどは外から私がドライバー2本を使ってロックを移動させると簡単に
外れるではありませんか。だからわしにやらせろっての。
「いやー、さすがに先生は器用ですなあ。」
と妙なほめられかたをして、大家さん親子は帰っていきました。
「ほんとにもう、うんち関係の事件を起こすのはやめてよね。恥ずかしい。」
「普通にうんこしたり、普通に鍵をかけて壊れるのはわしの責任じゃないよ。」

「そんなことないわよ。ロックしなきゃいいのよ。」
「え?普通うんこするときゃ、みんな鍵を閉めるぜ。」
「うちじゃ、だれも閉めないわよ。とにかくドアのお金はそっちで払ってね。」

オニ!やっぱりこの結婚は・・・と思い返した秋の初めでした。

秋のおもひで余話

次の朝、私が例のごとく9時半頃起きて隣の部屋に行くと、妻は電話の最中で
す。
「もーたいへんだったのよ。もードア壊しちゃったんだから・・・」
話はいっこう終わる気配がありません。朝はゾンビー化している私ですから、
抗議する気力もなく、半分死体のまま出勤しました。その次の日、妻は仲間と
「ぎやまん亭」とやらで昼食して、この話でおおいに盛り上がったとか・・・。
ま、私も明るい話題が提供できてよかった・・・かな、というところですか。
ところで、うちには8歳になる娘がいるのですが、これをいつか嫁に出すとき
娘 「お父さん、お母さん、長い間お世話になりました。」
妻 「ほら、おとうさん、あの話を・・・」
私 「うむ。おまえもつらいこともあるだろうが、がんばるのだぞ。で、はな
むけといってはなんだが、わしからおまえに一つ言っておこう。それはな、い
いか、夜には決してうんこをしてはならん。じゃがもし、万が一どうしても、
という場合は、いいな、決して鍵をかけてはならんぞ。これだけは心しておけ。」

娘 「・・・・・・・」(涙、また涙)
という会話があるにちがいないのです。