インフォームドコンセント

インフォームドコンセントというのは「説明に基づく同意」という意味です。治療(リスクのある医学的侵襲)を行う側には説明する義務があり、治療を受ける側にはそのリスクについて理解した上で同意する権利と責務があるということです。歯科治療のほとんどは患者さんの口の中になんらかのリスクのある医学的侵襲を加えるものですから、患者さんは自分にどのような治療が行われるかをよく説明される権利と、それについて同意する責務があると思います。したがって、私はまず現状と治療法について必ず説明いたします。患者さんの納得がいかないうちに治療に入ることはありません。どうぞ納得が行くまで質問してください。

保険と自費

日本は世界でも珍しい国民皆保険制度を持っています。毎月保険料を納めているわけですから保険治療を受ける権利があるのは当然です。したがって、治療方針は保険治療をするものとして立てるのが原則ですし、実際ほとんどの問題に対して保険治療は可能です。しかし、保険は「必要にして最低限」の原則でできていますから、正直言ってあまりおすすめしたくない材料とか治療法が多く含まれています。これについても、私はなぜおすすめしたくないか説明いたします。そのうえでやはり保険治療を選択される場合には保険治療の範囲内で患者さんにとって最良の結果が得られるように努力するのが義務であると考えております。

歯科医たる前にまず人間たれ

私の母校である東京歯科大学の入試案内には「陳腐な言葉ではあるが医は仁術である。本学は『歯科医たる前にまず人間たれ』という血脇イズムを教育理念としている」という言葉があります。今、このような言葉を聞くとむしろあやしい感じがします。口では立派なことを言いながら実は倫理に悖る行動をしている人間をあまりに多く見ているからです。大学を卒業して40年近く経ちましたが、今でもこの言葉は我々が肝に銘じておかなければならない理念だと思っています。困っている人を見て「なんとかしてあげたい」というのが医の原点でなければならないからです。私は開業医の息子ですから、子供のとき深夜に叩き起こされる電話や患者さんにはいつも腹立たしい思いをしていました。その都度ちゃんと対応して結局53歳で死んでしまった父のことも不思議に思っていました。しかし現在では、あれこそが「まず人間たれ」であったと尊敬しております。

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