942 タワー解体プロジェクト 余波
過去ログを見ると、「674 地デジその後 2011/11/04」という文があって、TVアンテナの
配線はこのようになっています。
今回タワーを解体したことによってこの図の14エレ八木というやつが、中途半端な
4エレになって、配線はそのまま使っていたのですが、現在我が家には一階と二階に
それぞれ1台のTVがあるのですが、この分岐から一番遠い一階のTVの受信状態が
非常に悪くなって、ブロックノイズが出まくるようになりました。
普段は全く見ないTVなので、まあそのままでもいいか、とも思ったのですが、
たまに来た孫に「あばあちゃんこれ見えない!」と言われては、こちらに矛先が
向いてくるのは必然の流れです。うーむ、今更配線をやり直すのもなー・・・と
思いつつ、なんで二階は受信良好かと思い直したら、10年前にタワーのアンテナを
整理したときにアンテナ直下で分岐させて、二階には屋内配線なしで受信させている
ことを思い出しました。
ならば一階もこの際、地デジだけは直接屋外に出してやれば屋内配線をジャンプ
できるし、エアコンスリーブを使えば隙間ケーブル的な信号劣化の原因になりそうな
物も排除できます。いや、むしろこの際、一階アンテナだけ別にしてしまえば、
現在単管に妙な形についている4エレ八木も、そのうちもっと簡単なものに
交換できるというものです。
ではどんなアンテナがいいかと、ネットで自作を見て回ると、どうやら我家のような
強電波地域ならツインループアンテナが、一番簡単でよさそうなので、早速こいつを
そこら中に余りまくっているエアコン配管から回収したVVFケーブル(※)で30分程度で
試作品ができました。要するに一波長、東京の51.1~61.1cmの中間あたりの55cm
のビニル被覆銅線を2本、雪だるま型にして、くびれ部分で銅線をそれぞれハンダ付けし、
間隔を5mmあけてこれをアンテナケーブルの芯線、網線にハンダ付けすれば終わり
という、要するに被覆を4か所はがすのとハンダ付けを4回行えば終了という、
慣れれば10分もあれば完成するので、工作初心者にもお勧めできるアンテナです。
これでちょっと外に出してみれば驚きの強受信で、え?こんなタワーと家屋の
間の場所でこんなに強いんなら、別に高いところに上げる必要もないじゃないか。
と、結局そのまま防水処理だけして、用意した5mのケーブルはそのまま袋をかぶせて
ぶら下げておきました。
※エアコン取替工事で、廃棄品本体はリサイクル券を使って、最終集積場に持ち込みますが
配管はゴミで処理するしかありません。二分管と三分管は裸にして50cm以内の大きさに
まとめれば。燃えないゴミとして出せます。VVFも同じですが、単線3本にばらした
1.6mmや2mmの古いビニル被覆線はさすがに信頼性が低いので屋内電気配線には
使えませんが、手で曲げられる針金としてはさびないし、なかなか便利なので
赤黒白それぞれ10mくらいあるやつを、適当に切り出しては家のあちこちで使っています。
941 JA44タイヤ交換2
前回の前後交換から1万1千Kmの29000Km走行で、後輪のNR78だけ交換しました。
後輪の接地部分はほぼボーズ状態ですが、前輪のNF63はまだスリップサインが
出ていません。
今回は後輪だけなのでチューブは使いまわしで、バルブコアーだけ交換しました。
ブレーキシューをデイトナに交換しているせいもあるのか、ドラムの中に溜まる
黒色の粉がけっこう大量かつ強力で、洗う時に雑巾やゴム手などに付着したら
真っ黒になって落ちませんし、シャワーで洗浄するときにも跳ね返りは
すぐに洗剤できれいに拭き取る必要があります。
この粉が付着したリムも真鍮のカップブラシでサビ取りしてまあまあクローム色に
なった程度で満足するしかありません。というわけで、特別変わったこともなく
自分への備忘録として書いておきます。3万Kmのオイル交換時にはまだ前輪タイヤは
交換の必要がないかもしれません。
940 タワー解体プロジェクト(11)終了
今年は本当に土日ごとに天気が崩れるので、ついに6月に入ってしまいました。
しかも金曜日は一日中台風の影響で豪雨がふり、ついには日が替わった深夜
中川の警戒警報がスマホに入って、二回も起こされてしまいました。
土曜日も朝から雨ですが、昼前からやんで薄日がさしてきました。
こりゃ暑くもないし、最後のチャンスなので、途中までやっていた第3セクションを
一気に下すチャンスです。
今回もブレス(横骨)を外して、最後にレールだけを下すのですが
レールに固定してあるBS/CS用パラボラアンテナをポールに移設する必要があります。
ただし、最初にパラボラを移設すると、レールを下すときぶつかってアンテナが
破損するおそれがありますので南西方向のブレスを全部外して移設しました。
受信をチェックしてみると、かなりずれているようで、ブロックノイズだらけです。
まあこれは最終的にポール周りを整備するとして、急いで残り2本下しました。
今回はセクションをつなぐ3本×2列のボルトの固着が激しく、このうちの一本の
ナットをねじ切ってしまいました。つまり、固着したナットを回すとねじ山がつぶれて
その場所で空回りするだけで、しかたなく、このボルトナットをサンダーで
削りとばしました。これ以外の作業はサクサク進んで、とりあえず、タワー/鉄塔と
いうものは、この家の屋根の上には全く見えなくなりました。
ポール周りも含め、残した第4セクションより下の部分も若干の組み換えを
したいと思いますが、まずこれにてタワー解体プロジェクトは事故もなく
終了しました。70歳の終活としてはまずまずだと思います。
付記1:BS/CS用パラボラアンテナですが、試行錯誤してもいまいちバシッと信号強度が
上がりません。江戸川区あたりは千葉県に近いので、方位225°仰角38°と考えて
スマホとかコンパスとかいろいろ考えたのですが、どれも地磁気に頼っているので
衛星の方位とは一致しないはずで、結局採用したのはgoogleマップ上の2点の方位を
表示するサイトでした。地図上では目標物の位置が正確にわからないので、大まかに
この辺りを拡大表示したあと、航空写真に切り替えて、タワーが手前にくるように
回転させて、100m先のマンションの外階段を目標地点にして方位計測したところ
225°が得られたので、この位置で受信してみたら見事に強度90以上が出ました。
この方法は使えます。
付記2:解体した3セクション分の鉄材とタワーの付属部品は全部で150Kgほどに
なりましたが、これをスクラップ鉄として業者に持ち込んだら70Kg分の鉄として
(たぶん処理代とかの経費を50%として換算する)2000円ほどになりました。
レールを持ち上げたり、半分にサンダーで切断したりして、若干腰に来ました。
939 タワー解体プロジェクト(10)
また夏のような天気になって、この陽射しでタワー作業は消耗するに
違いないので、途中まで作業中だったポリカーボネートの雨よけ庇の取付
作業です。これは1m×3個の3m幅でタワーの真下のガラス戸の雨よけですが
従来エンビ波板で汚い庇を作っていたのですが、そもそもこのタワーを解体
するきっかけになった、改修と全塗装時にそれを撤去したために、やはりこのガラス戸が
雨の度にびしゃびしゃに濡れて家の出入りも履物が濡れて不愉快です。
やはり庇が必要なのですが、国産メーカー製のものはしっかりしてはいるのですが
むろん施工まで含めると当然数十万の覚悟は必要な上に、支柱が立つのが
どうにも邪魔だなあ、ということなのです。
で、どうせタワーも屋根より低い部分は残すし、3万もしないのをAMAZONで
仕入れたのですが、さすがに中国製だけあって、品質は「まあ壊れることもあるでしょう」的な
製品で、基本的にはコンクリート壁にアンカーでつける設定ですが、
まあこのアンカーがどうにもならないチャチなもので、我が家のような軽量鉄骨の
中空外壁に付けるには根元だけの2点支持では、そもそもアンカーが
効かないので、効くアンカーを仕入れて取付はできたものの、今度は外壁の強度が
足りないことは明らかです。これをいろいろ試行錯誤して、タワーと物置から
イレクターパイプの支持脚で支えることにしました。
この作業で汗だくになったのでシャワーを浴びて扇風機を出しました。
初夏というにも、ちと暑すぎる天気です。夕方になってやっと気温も下がって
きたので、ポールを下げる作業をしました。今回からポール下端の支持が
第4セクションで1辺60cmの三角形になったので、従来の固定が
うまくいかなくなりました。
第三セクションを撤去すると、この写真に見えているタワー部分が
すべてなくなり、今若干斜めになっているセンターポールだけになります。
ポールにTV用アンテナを移すと、現状より少し高くなって、道路から
わずかに見えます。そのあたりがこのプロジェクトのゴールですが・・・
938 タワー解体プロジェクト(9)
30度超えの日が続いたと思えばいきなり強い雨で、本当に荒い気候ですが
作業にはちょうどいい涼しめの土曜日ですが、朝から霧雨のような細かい
水分でタワーも濡れています。こりゃ今日も無理かなと思っていたら次第に
乾いてきたので、急遽高所作業の準備をしました。
もうセンターポールは下げて、作業用の足場として横棒付き特殊クランプも
2か所つけてありますので、前回と全く同じ作業ですが、最初の一本を下すとき
横骨(ブレス)を相手のレールに残さず、外してその都度タワーから撤去
することにしました。こうすることで、最後にレールを下すとき真下に
どこにも引っかからず下せるので、地上での作業の疲れ方が違います。
スタートが遅かったので、4時間くらいで作業を終了して、センターポールは
明日以降とします。これで道路や隣近所から見えるのはほぼポールだけに
なりましたから、今回はこれで終わりにしてもよさそうな気がします。
ただ、他人に作業させるわけにもいかないし、来年の自分が今と同じとは
限らないので、もう1セクション下したほうがよさそうですね。
937 タワー解体プロジェクト(8)
自覚はそれほどないものの、筋肉が絶対に疲労しているのが確実なので
4日の「国民の休日」なのか「みどりの日」なのか、しかし昭和天皇を
記念するのであれば、全く意味のない日ではだめだろうと思うのですが
どうなんでしょうかね。それはともかく、この日の連続作業はやめにして、
JA44カブの走行距離が27000Kmになったので3000Kmごと9回目のオイル
交換をしました。
日中は真夏のような陽射しなので、夕刻涼しくなってから、予定していた
センターポールを第三セクションまで下げる作業をしました。これが
思いのほか難航しました。やっとなんとか下げて
3点で固定したらもう暗くなってしまいました。
15m程度のタワーとはいえ、形は東京タワーと同じように、上に行くほど
細くなるのですが、このタワーでは、地面に近いセクションでは三角形の1辺が60cmで、
先端の2セクションでは40cmとなります。そして、この第三セクションだけが
先細りの形なので、センターパイプの固定も場所によってすべて寸法が違ってくるのです。
これは翌日の撮影ですが、今まで背景は全部空だけなので問題ありませんでしたが、
さすがに隣家やマンションが映り込んではまずいので若干修正しました。
936 タワー解体プロジェクト(7)
雨がちの連休ですが、345はなんとかいい天気らしいので
10時ころから第一セクションの解体にかかります。
予想通り固着したボルトナットに苦戦しながらとりあえずレールを
一本外しました。太陽が真上にあってけっこう汗だくです。
この段階では、まだ2本レールが残っているので、トップまで登るのも
それほど苦労しませんが、2本目のレールを外すとなると
残りのレールは下端の3本×2列のボルトでつながっているだけなので、
解体作業はセンターのポールに全体重をかけるしかありません。
やっと2本目がフリーになりました。
最後のレールが一番難航しました。これをロープでまっすぐ下に
降ろすのは、ブレス(横骨)がついたままなので、重い上に、下の
セクションに引っかかったりして正直疲労困憊しました。
やっとポールだけになったのはすでに5時で、連日の作業は
ちょっと無理で危険なので、連休2日目はポールを第三セクションまで
降ろすだけの作業をするつもりです。
やっと電柱が視野に入るほどの高さになりました。
935 タワー解体プロジェクト(6)
で、タワー本体の解体アルゴリズムの最初は「ポールの独立」です。
つまり(5)でポールの下端に近い場所を3方向から第二セクションで
固定したわけですが、このポールが自分の体重を支えている状態で、
自分の体を預けていない周辺の第一セクションを解体するわけです。
しかし、ポールはタワーのトップにあるベアリングを貫通していて、
ポールに対して側方に力をかけたとき今はたぶんこのベアリングに
ポールの先端部分はある程度支えられているはずです。下方に見える
ローテター台は穴を貫通していますが、ポールには接触していないので
これはもう撤去しても問題なさそうです。
そこで、はたして本当に下端のクランプによる3点保持だけで
ポールの上端に近いあたりでも作業できるのかを検証するのと、
第一セクションの縦レール3本の連結を解除する第一歩として
このトップのベアリングユニットを撤去しました。
これが撤去後のポールを下から見たもので、先端あたりにある
短い単管はポールがそのまま落下しないようにするストッパーで
現在はどこにも連結していません。この状態でポール先端付近に
命綱的なロープで側方に体重をかけてみても、それほどポールは
動かないので、目的の「ポールの独立」は得られているようです。
これでGW中に第一、第二セクションが撤去できればいいですね。
本日の作業でわかったのは、ボルトナットがかなり固着していて
特に「ナットの共回り」を裏側から止めるレンチと表側からの
ラチェットレンチを両手で作業するのはハーネスに吊られた状態では
けっこう難しいことです。これをなんとかタワーのレールなどで
回り止めできるような方法を用意する必要がありますね。
934 タワー解体プロジェクト(5)
今年は毎週末の天候が悪く、1か月経っても全く作業が進みません。
四月も下旬でやっと雨が降らない週末となり、いい塩梅にスギ花粉も
例年より早く終わり、若干肌寒い曇天こそタワー作業に絶好の天気です。
アンテナの撤去の次は、このアンテナがついていたマストの鋼管ポール、
これを回転させていたモーター/ローテーターの撤去と、このポールを下げて
第二セクションで、このポールに人間が乗って作業しても安全な強度で固定
することです。
まずローテーターのマスト固定金具を緩め、タワーのトップの中心にある
このポールが貫通するベアリングのボルトも緩め、ポールが多少動く程度に
したうえで、ローテーターから数センチ持ち上げて単管金具(クランプ)で
固定しました。ちなみに4mの鋼管パイプの重量は約10Kgですから、片手で
持ち上げておいて、もう一方の手で単管クランプを締めるのはけっこう厳しいです。
これを行ってローテーターを撤去したのがこの写真です。
次にポールの先端の単管クランプ(下まですっぽ抜けないためのストッパー)だけ残して、
ローテーターが固定してあった台の中心を貫通させて、第二セクションまで
ポールを下げて、ほぼ中心辺りでこのポールを、縦レールから角丸直交クランプで
3方向から固定しました。この3点と現在タワートップにあるベアリング台を
第二セクションのトップに下げてくれば、第一セクションのレールやブレース(横骨)を
撤去可能となります。
とりあえず、これでタワー解体の下準備は終了しました。
ポールの突き出し部分が下がったので、約2m低くなりました。
933 タワー解体プロジェクト(4)
というわけで、大体の手順が決まりました。なんでもそうですが
段々積み上げていったものは、最後に積んだものから撤去していくのが
当然です。つまりタワー解体で一番最初の作業はアンテナ撤去です。
このタワーには全部で5つのアンテナがついています。波長が長い順に書くと
7MHz用のスローパー、これはまあ10mの長さのVVFケーブルですから簡単です。
次に50MHz用のHB9CVまあこれが一番大きいアンテナです。
そして430MHz用の15エレシングル八木、これと地デジ用の12エレ八木
それからBS/CS用のパラボラアンテナ、この5つです。
TV用の2つのアンテナはタワーを解体したあとも必要なので、屋根の上に
移動させるか、それと同等の高さを基礎+2セクションくらい残しておくか
どちらかですが、とりあえずそこらあたりに移動させておくだけにします。
今は桜が満開ですが、つまり杉花粉も最盛期です。また土日になると雨や風で
なかなか工事日に恵まれません。やっと風もなく温かい土曜日、とりあえず
ポールのトップからアンテナの撤去を開始しました。
ポールは足場を残して裸になりましたが、一緒に地デジ用の八木も
撤去しましたので、このままでは配偶者の強烈な不満を受けますので
なんとか夜までには受信できるようにしなければ、と考えましたが
屋根の高さだと、スカイツリー方向を鉄筋のビルがブロックしてしまいます。
それならむしろGP的なやつのほうがいいかもと思い、撤去した八木を
切り詰めて4エレにしてみました。
多少の指向性はあるようですが、それほどシャープでもないので、だいたい
スカイツリー方向で大まかに試行錯誤して、キー局すべてが60以上の強さに
なるように針金で固定しました。これなら集金人にもTVアンテナだとばれない
気がします。(なんで?)
932 タワー解体プロジェクト(3)
さて、体力面、安全面からDIY作業が可能であることはほぼわかりましたが、
「どのようにして」の部分が問題です。むろん、このタワーと同等の足場を
周囲に作れば可能なのはわかりますが、地上高15mの足場は、仮に4本で
作るとしても4mの単管が16本と継手が12本、横方面の連結を1mごとに
周囲に梯子をつけるとしたら最低1mの単管と継手が24個必要で、解体が
終了した後で、これらの処理にもかなりな手間とコストが発生しそうです。
では、足場を作らずに解体できるかといえば、例えば広い土地の一軒家なら、
木を切り倒すように、自分が下敷きにさえならなければ、一番下のセクションの
ボルトを外して、倒す方角へ長いロープで引っ張ってやればいいのです。
地上に倒れたタワーを電動レンチでばらせば一丁上がり。半日の作業です。
しかし、実際には猫の額ならぬネズミの額のような敷地の裏庭で隣家まで
2mかそんなもんで、こんなところでは倒すことすらできません。
たぶんよくて我が家、悪ければ隣家の屋根や外壁に多大な損害を与えて
あちこちに頭を下げて回る結果に終わるでしょう。
何日か寝ながら考えた結果…話は変わりますが、以前プログラミングで
どうしてもエラーが出て動かないとき考え続けた結果、寝ているときにも
半分頭が占領されていて、ふと「ん?あれをあーすれば」と正解に
たどり着くことがよくありましたが、このタワーの解体アルゴリズムも
寝ているときに出てきました。今のところ問題ない気がしています。
タワーの中心には先端のセクションだけセクション長2.4mより1.6m長い
鋼管マストポールが、このポールの軸を回転するローテーターに
設置してあります。これを回すことによって、指向性のあるアンテナを
目的方向に向けるためなのです。
この写真の下の方に写っているのがローテーターで、それからタワーの
先端を越してポールが突き出しているのがわかりますが、ローテーターは
このセクションの下端から70cmくらいの場所に設置されているので、
ポールはセクション上端まで1.7mは塔の中で、先端から突き出した長さが
2.3mということになります。
ということは、ローテーターを外してポールを塔の中へ下げていって、
この突き出した部分をゼロに、つまり塔の上端と揃えたときには、この
ポールの下端は、一段下のセクションに1.6m入り込むことになり、
このポールを下のセクションでしっかり固定してやれば、このポールが
先端セクションを解体する足場として使えることになるのです。
931 タワー解体プロジェクト(2)
書いたように、最近この家の補修を行ったわけですが、
外壁塗装のとき全周に足場を組むので、この工事を行うセキスイハイムに
「どうせ足場を組むんなら、ついでにタワーもチャチャッと・・・」
と試しに言ってみたら
「それはやりません(キッパリ)」と断られてしまいました。
現在は、屋根の様子を見るのにもカメラで見て実際には登らないという、
コンプライアンスか従業員の安全確保かわからないのですが、
大手の建築会社は、会社が定めた方式から決してそれることがないことは
今回の改修でよくわかりました。
では、タワーの撤去は業者を探すか自分で行うか、どちらかです。
業者に関してはネットやCQ誌などである程度さがせそうなのですが、
自分を冷静に客観的に見て、果たしてDIYでこのタワーを解体できるか、
これをしばらく考えてみて、どうやらぎりぎり、今ならいける、と
結論を出しました。
まず安全に関しては、この過去ログ741から745あたりに書いたように
ちょうど10年前、シートベルト素材でフルハーネスを自作して
アンテナの改修作業を行いましたので、少なくとも落下死は避けられます。
タワーの解体に関しては、6セクションのうち、地中の基礎コンクリート
と一体化しているセクションは、それこそプロがハツる以外にありません。
地上5セクションのうち、上の2セクションか3セクションを撤去して
屋根より少し低い5.5m程度の高さにしてやれば、とりあえず通常の
はしごでも解体ができるようになるので、それこそ誰かに依頼するのも
可能になると思いますし、むろんDIYでもいつでもできそうです。
930 タワー解体プロジェクト(1)
昨年は私にとって人生の節目ともいうべき年でした。
まず年齢が70代となり、どこから見てもバリバリの高齢者となりました。
また、30年以上同居していた義母が100歳で亡くなり
息子と娘もそれぞれ転居して彼らの人生の節目となりました。
今年に入って、この家の相続者となった私の配偶者は30年間で
ガタが来た場所の補修と今まで不満だった部分のリフォームを行い、
人が一人亡くなることに付随するあれこれにすっかり疲れ果てました。
そこで、この家をしみじみ眺めて、次なる高齢者が亡くなることを
想像したに違いありません。
「あんた、あのタワー、死ぬ前にちゃんと撤去してよ!」
「え?あれ、Tが(息子)なんとかするんじゃないか?」
「そんな危険なこと、誰に頼めばいいかもわからないじゃない。」
「うーむ・・・」
これは30年前、当時の大川端ローカル(両国界隈のハム仲間)に手伝って
もらって基礎の生コンを打って、当時40歳の私がDIYで建塔したタワーで
クリエイトのKT6Nです。1セクション長が2.438mの三角柱6セクションで
合計14.6mのうち1.8mが地中に入って地上高12.8mです。
これに4mのマストが、頂上からローテーターの位置まで約1.7mもぐり込みます。
ということは飛び出すマストが2.3mで、結局マストの先端が地上高15.1m
ということになります。
929 JA44のポジションインジケーター追試
約2年を経過して、3速だけ点かなくなりました。
元々夏の直射日光下でほとんど視認できない点を改良できないかと
思っていたので、エアコン用パテを除去してインジケーター部分を
取り出してみました。
すると、プリント基板の銅箔を切り取って作ったSMD LED+抵抗の
基板が3層くらいの薄層に分離して細かく割れていました。
やはりヘッドライト部分は日光などでかなりな温度上昇があるはずで
配線をまとめているテープの裏などもほぼペースト化していました。
つまり、こういうパーツは基板などでは全く耐久性がないことがわかりました。
それで、今回は昔のPC内部配線でおなじみのフラットケーブルを5Pの太さに裂き
ケーブルに直接SMDチップLEDをハンダ付けして製作しました。
抵抗も+側に1/8型240Ω炭素抵抗を一個だけ、ケーブルに直付けしました。
これで長期の耐熱性はかなり向上したはずです。また2年くらい後で
確認してみたいと思います。
視認性については、LEDの光軸がメーターに対して90度寝ているため
メーター本体をいじらない方式では、できるだけ途中でロスのないように
LEDを設置する以外ありません。
上の写真で4つ汚く開けた穴から見えているのがLEDの発光面ですから
これを下の写真の帯状に光っているメーターの透明部分にできるだけ
密着させて貼り付ける以外の方法はありません。できればメーターの軸面
に対して、45度くらいの仰角をつければいいのかもしれませんが
フラットケーブルに直付けする方式ではそこまで微妙なコントロールは
無理なように思われます。今後の課題ですね。
927 日本の裏側ブラジルから挨拶です。
初めて、お手紙しております。私はブラジルのサンパウロ州のガタパラ市モンブカ区という所に住んでいます。1973年に技術移住者として永住しております。一応電子技術者として来ましたが既に49年が立ちます。その間色々な事を経験しました。何となく親しみを感じメールしております。と申しますのはこちらに来る以前には江戸川区松本町に住んでおりました。もし良ければやり取りをしていますでしょうか
926 光重合レジンが面白い(5)
前の文で「こんな仕掛いらないじゃん」と思ったわけですが、それは
この完成した回路で点灯させてみて、最初にLEDの電流制限抵抗を2Ωつけていた
のですが、どうも暗い、むろん紫外線は見えないのですが、このLEDはebayでも
Purple LEDと書いているように紫の発光もするので、それで判断する限りでは
いまいち暗いのです。それで2Ωをとって、電源の5Vを直接コレクタに流しても、
とても700mA流れている感じがしないのです。
ebayでの説明によるとVfが3.5V程度ということは、3.5×0.7=2.45Wとなり
2SD468Lは、0.9Wの最大コレクタ損失なので、C-E電圧が1.5Vで0.7Aでは
1.05Wで、焼き切れるかどうかというあたりですが、そんな気配もないし、
普通、パワーLEDを電流制限なしで光らせると数秒でもかなり強烈な発熱で、
長い時間では焼き切れますが、このLEDの場合30秒でもやや熱い程度なのです。
これから考えるとLED内部に抵抗が入っているのか、あるいは一番安いのを
買ったので3Wといいながら実は1Wタイプだったという、これが真相でしょう。
ま、どっちにせよ、じゃあこんな仕掛いらないじゃんと思ったのです。
つまり、以前に作ったように廃物のLi-ionを直結してしまえば、懐中電灯型に
できるし、今回のようにACアダプターも不要なのです。スライドスイッチを
タクトスイッチにすれば指を離せば消灯するので、照射時間も自在です。
またVfと電池電圧が同じくらいなので、大電流では電圧低下して消えます。
ただ一つ、対象物を両手で保持することができないのが欠点といえば欠点ですが
それを固定する方法ならいくらでもあります。
というわけで作ったのがこれです。
最終的には私の仕事用の即時重合レジン(青色部分)で放熱板、基板、電池を固めました。
これにガワをつければ完成です。Li-ion電池に直接ハンダ付けするのは危険ですから、
スポット溶接をしたニッケル板などを介してハンダ付けしてください。
スイッチの裏側に充電用ピンヘッダーコネクタがついています。
完成したものはかなり明るく、20秒程度でも発熱はそれほど大きくありません。
懐中電灯型ですから、暗い部屋でブラックライトとして、あちこち照らしてみれば
意外なものが蛍光を発してけっこうおもしろいです。殺人現場の拭き取った血痕
とかでぜひお試しください。
925 光重合レジンが面白い(4)
というわけで、それでは紫外線照射機を製作いたしましょう、という
わけですが、まず光源はなにか、と考えると、昨今は例えば秋月あたりでも
UV用LEDをいくらでも売っています。しかし、あの程度の光量ではたぶん
ボックスタイプでかなり長い時間の露光が必要だろうと、作る前から
予想できますが、私が作りたいものはせいぜい数秒から数十秒の露光で
固まるもの、つまり対象物が不安定な状態でも例えば指でその位置を
支えつつ光を当てればすぐにカチカチになる、こういうのが欲しいのです。
これに対してはおなじみのebayを探せばUV用のパワーLEDを売っています。
しかし、なにしろ眼にみえないだけに、迂闊に光源を直視してしまった時の
危険性も相当高いと思われます。
3W UV Purple LED Ultraviolet Bulbs Lamp 365nm High Power Light light-emitting
この語句で検索すれば、だいたい一個百円くらいからあると思います。
これさえあれば他に入手困難なものはないので、ダイソーのレジンの固まる
波長400nm前後ということで365nmのものを放熱板につけて、このような形で
光源部ができました。
一応作ったワンショットタイマー回路もつけましたが、これはこういう
回路で、要するに555を使って、ボタンを押すと数秒on後offになるという
それだけのものですが、このパワーLEDの電流は嘘かほんとかわかりませんが
700mAと言ってますので、CMOSタイプのLM555の出力である100mAではとても
足りません。そこでスイッチング用のトランジスタを使って1A程度は流せる
回路にしたというだけのものです。
電源は5V、Vfを3.5Vとして差の1.5V/750mAとして2Ω3Wの電流制限抵抗を入れます。
回路の説明や詳細は省きますが、この図のLEDはなし、電流制限用2Ωは直結、
ベース抵抗は150→20Ω、100KΩの抵抗は500KΩのVRに変更しています。
写真では基板直付けのタクトスイッチをリード線をつけてトリガーボタンにしています。
電解コンデンサは47μF、セラミックコンデンサは0.01μF、トランジスタは2SD468L-C-T9N-Kです。
これで0~25秒程度の照射時間が得られます。
924 光重合レジンが面白い(3)
イントロに続いていきなりブツを見せてしまいますが、もう手作り感満載の
まあ有体に言って非常に汚い仕上がりです。実のところ、最終的には
「こんな仕掛いらないじゃん」と思ったものの、途中でやめるのも残尿感が
残りますので、一応最後まで情熱なく作った、ほとんどバラック状態であることを
いいわけがましく言っておきます。
見てほしいのはその汚い仕上がりではなくさらに汚い「Trigger」の
文字なのです。これは黒の塗料をスプレーしたプラ箱にアクリル絵具で書いた文字
ですが、この赤い円の中央にある押しボタンを何回か押していれば
そのうち指で汚れて黒くなるか、絵具が剥げ落ちて読めなくなるのは
最初から想像できます。
こういうとき、それを予防するにはどうするか?文字の上にセロテープを貼る
というのが一番簡単ですが、さらに汚い工作です。私は従来こういうときは
木工用ボンドを塗っておきます。そうすると、翌日には透明になって硬化した
膜が完全に文字を保護し続けます。
この文字の周辺だけ光っているのがわかりますが、これが保護膜です。
ではこの汚い文字も木工用ボンドを塗ったのか?つまり、ここが今回の題名の
「面白い」ところなのです。これはダイソーの「透明レジン液」を塗って
もう一つの同じような照射機で10秒くらいUV光線を当てただけでカチカチの
保護膜ができるのです。「ネイル」と同様です。
ちょっと考えただけで工作にいろいろな応用ができると思いませんか?
923 光重合レジンが面白い(2)
ではこれのどこが面白いのかといえば、それは「即時重合」
それも「光線による即時重合」が面白いのです。重合というのは
先に述べた構造が長く鎖のようにつながった状態で、「レジン液」の時は
これが全部バラバラになっている状態で、この形を「モノマー」
鎖のように連なった状態を「ポリマー」といい、液体状のモノマーが
鎖のようなポリマーに変化することを「重合」といい。例えば私の業界で
入れ歯で見るあのアイボリーの歯やはぐきの色をしたプラスティックは
標準的には釜で煮ることによって重合します。あるいはこのモノマーと
ポリマーを混合して放置しておくと時間が経って重合したりします。
多くの接着剤はこういう形で重合を行うのです。
では即時重合というのは、この液体モノマーが即座に固まることを言いますから
例えば瞬間接着剤ではシアノアクリレート液が水の分子に触れることで
急速に重合します。あれのやっかいなところは望まないのに指についた瞬間に
固まってしまう割には、物体同士をつけようとしても固まらないことで、
固まるタイミングを自由にコントロールできたらもっと便利なので、
私は硬化促進剤スプレーを便利に使っています。
では接着剤ではなくガラスのようなアクリル樹脂を自由にコントロールできたら
という目的で開発されたものが「光重合レジン」で、これは液体に光線を
照射することで重合します。私の業界で使うものは「可視光線重合」つまり、
眼に見える、虹の色で言うと波長が短い「青藍紫」(515nm以下)あたりの光を使いますが、
今回のレジン液とかネイルで使うものは、それよりさらに波長の短い紫外線を
使います。この目に見えないUltraViolet=UVは太陽光には充分に含まれているので
眼にも肌にも有害であることはご存じのとおりです。
つまりこのレジン液は太陽光に曝しておけば固まるのですが、それでは自由に
コントロールできるとは言えません。そこで、紫外線の照射装置を使えば
固めたい時と場所で即座に固まってくれるのです。
では、この紫外線の照射装置を作ってしんぜよう、という長いイントロでした。
922 光重合レジンが面白い(1)
もしここを見ておられる同業者の方がいらっしゃいましたら
「今更何を言ってるんだ?まさか今までアダプティック?」と、
老齢の同業者にしかわからん話をしたりして、ますますわかりませんが、
ここでいう光重合は私の業界でいうCRのことでなく、昨今はダイソーでも
売っているレジン液のことで、それもいまいちわからなければ、それこそ
アホなネーチャンでも知っている「ネイル」に使うやつです。
一般の人にとっては「レジン?」と耳になじんでいない言葉でしょうが
要するに「アクリル樹脂」のことで、ホームセンターで売っている、
昨今はTVのトーク番組でも出演者を隔てている「アクリル板」がありますが
あれの素材を(というか、あの種のものを広く)レジンと言うのです。
ああいうものは「プラ」とか「ポリ」とか言う場合もありますが
プラスティックはどのような形にもなることで、ポリとは
同じ構造が鎖のように長くつながったものを意味しています。
今回のレジンが意味しているのはメチルメタアクリレートで
そのアクリル板も入れ歯も仮歯もほぼ全部これでできています。
ではなぜこれをダイソーで売っているのかといえば、この素材は
透明性が高く、液体が固まった後でまるでガラスのように見えるので
ちょっとしたアクセサリーを作るのに向いているのです。
921 JA44サイドカバー用ノブボルトの製作
私の記憶にあるカブは例外なくシートの下あたりに左右ある収納スペースの蓋は
素手で回せるノブで留めてありました。
これが初代1958年(昭和33年)スーパーカブC100とパンフレットです。
ところが現在は盗難防止の意味もあるのでしょう。ねじ自体がないか
あってもコインで回せるタイプのねじでとめてあります。
そこで、捜せばいくらでもあるノブボルトの製作ですが、捜しても
これより安価なものはまずないはずです。
仕入れはコーナンのレシートによると、2個ぶんで
八幡ねじ チェンジノブ 107円×2
ステン六角ボルト(M6x30mm) 52円×2
スペーサー(M6用30mm4本入) 110円×1 計428円
加工としては、スペーサーを10mmの長さにカットすることだけです。
私は、リューターにつけたダイアモンドディスクで雑にカットして
汚いカット面をサンドペーパーコーンなどで研磨して、きれいな円筒形に
仕上げましたが、元のきれいな側を下側(サイドカバー側)にもっていく
ようにすれば、加工側はノブに埋もれてそれほど気になりません。
一見スペーサーは要らないように感じるかもしれませんが。これが
サイドカバーの浮き上がり高さを決めているので、これがないと、
いくらでもねじが締められるのでカバーの樹脂材料が割れてしまいます。
製作は、ノブにさしこむボルトとその蓋を固まるパテなどで埋めて
蓋の色や凹凸を目立たなくして色を塗りやすくすること。
スペーサーとビスの隙間もこれで埋めて一体化します。
固まった後にノブの蓋を塗装して終了。工作とも呼べません。
携帯工具や12V電源(エアコンプレッサー、照明、充電用USB端子)が
素手で取り出せるようになって大満足です。
920 前輪苦戦の反省と考察
後輪のタイヤ交換は1時間程度で終了しましたので、面倒なホイール回りの
脱着がほとんどなく、アクスルシャフトさえ抜けば外れる前輪では
30分もあれば終了する、と思って、実際その程度で作業自体は終了したのですが
ん?エアが入らない?何度確認してもエアが入らないので、バルブコアを交換
したり、いろいろ確認しても同じなので、またホイールを外してチューブを
出してみると、通常のパンクであれば、路面と接触するドーナツ型の外周に
開いているはずの穴が内周にそれも5mm間隔くらいで2つ開いているのです。
あるいはリムに接触する部分にリムテープの破損とかスポークの頭がとがって
突き刺さっているとかも考えましたが、とりあえずパッチを貼って補修して
エアを入れたチューブを水中に漬けて確認し、再度タイヤとともに組み上げて
・・・?まだエアが入らない?もう一度ばらして確認すると、やはり同じような
場所に穴が開いているのです。これはどうやら、自分で穴を開けているのだと
気づいて、再度パッチで補修して注意しながら組んでも・・・やはりエアが
入らないのです。結局これを5回繰り返して、どこで穴を開けているのか
観察して、いまいちわからないまま、この日の作業は未了となりました。
翌日、やはりチューブの劣化も考えられるので、新品(といっても2年保存)
で作業して、これに穴を開けた瞬間をほぼ自覚できました。前輪で失敗する
理由を考えると、後輪に比べてリムの幅が狭いこと、交換する新タイヤの
ビード部分が硬くて厚いこと、この2つが大きいと推測されます。
後輪でこういう失敗がないのは、タイヤ幅が広いために、歪む容量が大きい
ので周辺から押し込む力を加えるだけで、変形しながらリムにはまり込む
ことが充分期待できるのに対して前輪ではあまり大きく変形しないので
どうしても最後の部分だけはタイヤレバーを使わないと入らないのです。
そして、レバーの入るあたりにタイヤ内の空間がほとんどないために
どうしてもレバー先端部分にまでチューブが回り込んで、レバーを起こすとき
先端部にチューブを噛んでしまう。これを意識して作業してもなお
噛まないようにできないのです。
つまり「穴は作業中でなく最後の瞬間に開く」のです。
そして、このレバー下にせり出すチューブはどけられないのです。
どのようにやっても必ず噛むことがわかったので、結束バンドを使う方法で
簡単に解決しました。今回は写真の繰り返し使えるタイプを7本使って
最後にはまり込む部分をあえてバンドで結束した下にレバーを当てれば
絶対にチューブを噛まないので確実でした。
バンドはコーナンで10本入りが250円ほどで、何度でも使えるわけですから
携帯工具に加えました。最後の1か所だけ危険ということは、このバルブの
反対部分だけPPバンドで縛ってその場所でタイヤレバーを使って入れる
という方法でもいけそうです。これならば携帯工具に加えるバンドは1本ですみますね。
918 軽トラックで。
大変ご無沙汰しておりますが、お元気そうでなによりです。
子供達も成人し、久しぶりに夫婦でドライブでもっと思い立ち
軽トラックで温泉に出かけて参りました。
貴殿と共にした若かりし頃の想い出では、ターボを真っ赤に染め、
高速道を飛んでいたシルバーアロー号とホワイトホース号(笑
今では「100キロ/hは怖いな^^」などとビビりながらも伊香保温泉へ行ってまいりました。
コロナ鍋の平日で、人出も少なくのんびりと過ごせました。
状況が好転しましたら、お逢いしたいと思います。
917 JA44タイヤ交換
走行18000Kmを超えて、80Km/h走行でもあまり妙な振動やぶれがなくなって
安定してきたように感じています。全体にいい感じでエージングが進んだ感じです。
しかし、実用車とはいえ、毎日これだけの高速走行をしているわけですから、
スムースな走り心地=凹凸の無いボウズタイヤなのかもしれません。
で、見てみると、フロントはまだスリップサインまで1mmくらいありそうなのに
リヤはサインの場所すらわからず、下の層が露出しそうな場所さえあります。
現在のスーパーカブは純正品が台湾チェンシン(CST)の6016というやつです。
新品に比べると中心付近の模様が全部なくなっているのがわかります。
これでもいいのですが、それまでの純正品は井上ゴム(IRC)なので、今回は
IRC NF63 NR78 前後セットをモノタロウで7000円ほどで入手しました。
とりあえず時間がかかるリアを外して新旧タイヤを比較してみます。
せっかく外したので、真っ黒に汚れたホイールもちょっと洗って。
しかしこれ、購入直後に脱着練習をしたときはそれほど苦も無くチューブを
引き出せたのに、3年近く経つとゴムが硬くなって、ホイールからはずすのも大汗で
この調子だと、新タイヤをつけるのも苦労しそうです。やり方はいろいろあるのですが
今回は外したチューブを再利用するので、新タイヤにチューブを納めて軽く
エアを入れてタイヤでチューブを包むような感じで膝と体重で入れ込むという
方式です。新タイヤはまだ柔らかいので、入れるのはそれほど難しくないです。
一応バルブの位置を黄色マル印の軽点に合わせるのと、サイドに書いてある
回転方向だけを間違えないように注意します。
元通り組んだ後です。カラーのラインと無精髭が新タイヤらしくていい感じです。
路面への吸い付きがよくなった感じでソフトな乗り心地です。
916 JA44のチェーン交換と考察
今年の後半には新モデルが出ると言われているスーパーカブ110、JA44ですが
走行18000Kmを超して、この機種の問題点で常に言われるチェーンの片(偏)伸びが
そろそろ限界に近づいてきました。これはチェーンにかかる力が一定でないか、
各駒の強度が全部均一でないので、つないだ駒の合計長さが部分で違ってくるものです。
この駒は全部で100個ありますから、ギヤ歯数の半分、24を引いた76駒分が上と下で
各38駒分の長さでギヤ間を渡っているのですが、この38駒分の長さが場所によって長い時と
短い時で大きく違ってくるのをこう言うのです。
そうすると、多少は遊びがあるほうが望ましいのですが、遊びが大きすぎると
減速時に緩んだチェーンが周辺に当たってジャッジャッと音を立てるようになります。
あまり極端に緩むと自転車のようにチェーンが外れることも考えられますが、実際には
前ギヤのチェーン周辺をガイドプレートというもので囲ってあるので外れません。
自転車も同様ですが、例えば外装変速機があるタイプでは、あの複数のローラーで
この問題を吸収していますが、駆動ギヤが大きく、ホイールの小さいギヤ径を変えて
変速する自転車と違って、オートバイでは駆動ギヤが小さく、ホイールのギヤが大きいので、
ああいう仕掛では無理なのと、それ自体が非力なエンジンの妨げになるのでしょう。
そういうわけで、後輪の軸の位置で適度な張りを調節するという最も原始的な方法です。
これはすでに片伸びしたチェーンを強化型のチェーンに交換して上側のチェーンカバーを
かぶせる前の状態ですが、前ギヤ(スプロケット)を15Tに交換した場合、100駒のチェーンは
後ろホイールを最大限に前に入れないと入りません。チェーンが入ってからこの目盛を
見ながら遊びが1~2cm程度になるように調整すると目盛はこのあたりになりました。
スーパーカブの整備書や解説動画では左右のチェンアジャスタをこの目盛で同じ位置に
来るように注意することと必ず言っています。ところが、これが思うほど簡単でないのです。
基本的には左側のアジャスタで張りの調整をしますから、この場合ですと1本目と2本目の
間で、仮にこの5本を0~4と数字を打つと、左側のアジャスタ前縁は0.5のあたりと
いうことになります。
では右側も0.5あたりにしてアクスルナットを締めようとするのですが、どうも右側は
チェーンに引っ張られている感じがしないばかりか、若干アジャストナットが浮いている
様子で、こんなんで本当に調整できているかはなはだ心許ない感じです。それで素手で
そこそこ抵抗が出るあたりまで回すとアジャスタ前縁は1.5あたりまで行ってしまいます。
これはなぜか考えると、このチェーンと前後スプロケットの関係を模式図にすると
こういう感じになります。これを真上から見たのが下側の図です。
A,Bがおおむねアクスルナット/チェンアジャスタの位置とします。
これを真上から見た場合の図を地面に突き立てたスコップと見立てると、Aまで硬い土に
突き刺してある場合ても、Bの位置を手で容易に動かせるのが梃の原理の基本です。
逆に、後ろスプロケットの外周が少しでもチェーンの動作線から外側になると
その力でB点には前に引っ張られるのでなく、むしろ後ろ向きの力がかかることすら
容易に想像できます。昔のレコード盤を考えるとわかるように、円盤が回転していると
外周ほど大きくゆがみが生じて理想の回転面からぶれます。前後のギヤとチェーンとが
すべて理想的に同じ平面で回転しているとき、後ろのギヤ外周が左右にぶれると、
その都度、この図で言うB点にかかる力の向きは不定になるのです。
それで、右側のチェンアジャスタに後ろ向きの力を防止するナットを入れてみました。
現在は0.7くらいの位置で固定して、この位置で左のアジャスタをそれに近い値になる
ように調整するので若干面倒になりましたが、全く抵抗がない感じの右側を
適当に止めて、調整ナットが浮いている状態でアクスルナットを締めこむより、
二重ナットをちゃんと締められるので位置決めと脱落防止が容易になると思います。
しかもこのナットは緩んでも脱落しませんから、アクスルナットを締めた後なら
これが動いたとしても全くかまわないのです。
914 JA44のポジションインジケーターLED変更
渋いと自画自賛するのはいいのですが、渋すぎて自分にも見えません。
夜はまあいいけど、日中は見るために真上からのぞき込むように
頭の位置を変えるのが癖になりそうで危ないので、どんな環境でも
ちらっと視線を動かすだけで認識できるように、LEDを高輝度型に替えました。
LEDはSMD1206-Gで、発光面も熱収縮チューブより引っ込んでいますから
この「シグナルランプASSY」をメーターパネルに完全に密着できます。
回路に50mA以上は流れないので0.5mm厚の基板にチップ型の緑を直接
ハンダ付けしてユニット構造もやめて細く作りました。
パターンを作れば簡単ですが、基板露出部分に熱を加えてアーチ型に曲げる
為に、銅箔をはがしてランドを残すやり方でLEDと抵抗を配置しています。
また、夜はメーターガラスに反射して広い範囲で光るので、部分で直感的にわかるように
配置を拡げて、左端、左上、右上、右端という感じにしました。
アーチ型に曲げているのは、メーターの上縁に密着するのが目的ですが、
両端が浮くので、これを押しつけて固定します。この時に断線しないようにするのが
上記の、基板パターンでなくランドで作った理由なのです。
固定にはレジンでなくエアコン用のパテを使いました。
防水性や耐候性が増したうえに、非硬化なので除去が簡単にできるという
特長もあります。
写真は曇天の正午ですが、これだけ視認できれば全く問題ありません。
913 JA44のポジションインジケーター製作(3)
こういうものは面倒でも外装の分解から始めるのが常道です。
まず1.ヘッドライト下のフロントカバーをねじ1個で外す
2.このとき、運転席側のカバーのねじを2個外してキーの周辺を
広げたりしてこちら側のカバーも外す 3.レッグシールドのねじを
左右3個+中心のタンク側1個外してシールドを広げながら外す
4.運転席真下のフロントカバーをねじ1個で外す。5サイドカバーを
左右、外側内側計4個のねじで外す。6.センターカバーの中心を留めている
シートに隠れているねじを外し、タイヤに沿うようなカーブを左右2個づつ
同色のプラスチッククリップ中心を押して外す。
これでとりあえず本体側のコネクタと配線をヘッドライトまで取り廻す準備が
できたので、前記のようにニュートラルだけ出ている矢印のコネクタに
周辺4か所の電極を仕込んで、ここは終わりです。
ヘッドライトは下の2本のねじを外して下側を前に出してから下方に
外します。これでメーター内側の透明部分から光が透けているので
この部分に上記の「シグナルランプASSY」を当てれば、ちょうど左右の
ねじ部分の隙間に入り込んで、何もしなくても行けそうですが、
一応そのねじ部分に即重レジンで固定し、本体から来た配線と
接続します。4Pコネクタを入れるつもりでしたが、配線に余裕があるので
やり直す場合もほどくとか、接合部をカットするとかでいけそうなので
ねじり接続と熱収縮チューブで処理しました。
黄色い電源線はヘッドライトからもありですが、ACC電源にするには
キーオンしたときに12Vが流れる場所が、割合近くにありますが
勘の鋭い人というか、これに関する犯罪者にはみな周知だと思いますが
その場所からとってきました。そりゃそういうもんですから、そのそばに
あります。これに関しては図解説明はあえて割愛します。
というわけで、完成したのがこれです。どうですか、この渋さは!
まるで羽織裏の渋い模様のように、たぶん何も言わずにこのバイクを
他人に貸したとしても、これに気づく人はめったにないでしょう。
「Super Cub」のロゴを囲む線の左端が1、右端が4というわけです。
ウーム渋い!まあベテランの味と自賛しておきます。
912 JA44のポジションインジケーター製作(2)
ポジションのシグナルは日本モデルでも当然出ています。
そんなところまで別に作る意味がないからです。これはシート真下の左側の
スプロケットカバーの上あたりに、110型9極コネクタというやつで
本来ニュートラルと4速分の計5本の信号がミッションから来ていますが
メーターに達しているのは中心のニュートラル一本だけで、つまりここで
4速分の信号は終わっているのが日本国内仕様なわけです。
終わっている場所は、9極コネクタの角の4か所で、本来は5か所がギヤに応じて
GNDになるというものです。つまり、ここで終わっている4つの信号を
メーターにまで伸ばしてやれば、本体の配線は終わりです。
実作業としては、写真と同型のコネクタのこの4か所が、現在未使用と
なっているので、この場所にこの電極を奥まで差し込めばいいのです。
メーターは先人のものを拝見したのですが、色を変えるのはいまいち
気持ちが進まないし、7セグLEDで外付け数字表示もあまり気にいらないので、
メーターの内側のへりの透明部分だけが、はっきり違う部位が4種類、
地味な色で光るというものを目指します。
メーターの内縁を紙で記録してきたものにあわせてエンビでおおまかな台を作り
ここに黄緑の小型LEDを配置するという方向です。
これがおおまかな設計ですが、LEDの順電圧を2Vとして回路電圧10Vに対して
50mAを流すには200Ωで、切り替えることを考えれば、電源側に1個の抵抗で
問題ありませんが、ユニット構造ということで、同構造のLEDセットを4組
配置しました。コードの色で判断できるように+12を黄色、カソード側が
上記のコネクタから伸ばした1~4の信号線なので、世界的に標準の色
1白2黒3赤4青5黄6緑に準じて、白黒赤緑4芯のシールド線を使います。
なにを隠そう、昔のマウスのコード廃物利用です。
金属部分が露出しないようにホットボンドでくるみ、全体に熱収縮チューブを
かぶせて「シグナルランプASSY」という感じに仕上げました。
実のところ、まだJA44本体を分解せずに作業を始めてしまいましたので
果たしてこれがメーターパネル内面にちゃんと配置できるかどうか
わかりませんが、工事は格段に楽になるはずです。
911 JA44のポジションインジケーター製作(1)
まもなく購入3年を迎えるスーパーカブJA44ですが
チェーンが伸びる以外にこれといった不調もなく、当初は怖かった
ドラムブレーキの利きの弱さやスポークタイヤの高速性能の弱さも
走行1万4千Kmを迎えて、それなりに落ち着いてきました。
現在は強風の橋の上で80Km/hを越してもそれほどの恐怖感は感じなく
なりました。まあもう少し剛性があった方がいいとは思いますが
基本的にノーマルで長く乗り続けるべきバイクだと思います。
しかし、そのエンジン特性から、前スプロケットを15Tに替えてもなお
70Km走行していると、「幻の5速」に入れますし、エンジンブレーキ
を強烈に利かせて停まっても、出足は2速だったりします。
海外モデルでは全部標準装備のギヤポジションのインジケーターが
欲しくなるのはこういうときです。ほぼ週に乗る100Kmに1回くらいですが、
これまた基本的には体感だけで適したギヤを効率よく使うのがベテランの味
というものです。最初に乗ったカブから52年くらいですか、途中はいろいろ
替わりましたが、バイクを中断したのは5年程度で、まあベテランを自称しても
それほど恥ずかしくないかもしれません。
910 ジャノメJP510M糸通し修理(2)
まず、どういう仕掛で糸が通るのか分析します。そうでなくても老眼で
細かいところが見えないのに、どこから見ても照明の影になって
しかも故障後の状態なので、どうなればいいのかがよくわかりません。
赤い→が針穴の位置で、穴の中に細い金属がはいりこんでいるのが
見えますが、これが下向きのフックになっているのが正常な
状態ですが、多くの故障品では、まっすぐに伸びているか
先端が折れてしまっています。今回は折れて短くなっています。
つまりこのフックの部分に同等のフックを作ってやればいいのです。
まず、この糸通しのユニットをはずしてみるとこういう感じになっています。
これを分解するとこのように2枚の板を重ねてビスと長方形のナットで
プラ部分に固定してあります。これはすでに修理した後の写真なので、
赤丸部分にフックが再現されているのがわかります。
要するに、この金属板一枚の問題で、こんなもん300円で一般販売
するべきものでしょう。これが機能しないだけで、かなり大きな
買い替えの動機になりうるということなのかもしれませんが、
「メインテナンスできない機械はクソである」と思います。
それで、私が行った修理を図解します。
これが故障前の状態、先端部は直角に曲げてあるので透視図です。
これの先端部分を切り取ってフックの付け根に相当する部分に
直径0.5mm程度の溝をダイヤモンドディスクなどで切っておきます。
0.5mm程度の硬金属線(ピアノ線とか硬ステンレス線)をこのように
曲げてフック部分を復元します。先端は長円のミシン穴に合わせて、
ある程度の削合、研磨をする必要があると思います。
位置が決まったら瞬間接着剤で固定して、元のように組みます。
ワイヤーの厚みをもう一枚の板と長方形ナットでずれないように
締め込み、元通り組んでフック位置と針穴の位置を一致させるように
微調整します。完全に機能が回復しました。
誰にむけてかわかりませんが、ざまーみやがれ、てやんでぃ!
909 ジャノメJP510M糸通し修理(1)
今はどうか知りませんが、私が小学生だった半世紀以上昔には家庭科で
一応の裁縫とミシンの扱いの実習がありました。今のような電動式ではなく
大きな鋳鉄製のプーリーのクランクを足で煽るように踏んで回す方式で
その後自転車少年になったころには、家にもあったこのシンガーのミシンで
はき古したジーンズから、フロントバッグを縫ったりしたものです。
そういうこともあって、今でもちょっとしたものはミシンで縫うのですが
今回の畳べりには非常に苦労して、持病の胆道鬱滞を起こして終わるのも
恒例のようになってきました。写真にも写っているのはジャノメJP510M
という家庭用の標準的な機械で、今はこういうもののほとんどが昔の
ミシンのようなボビンケースでなく、水平ガマで下糸を扱い、上糸だけで
糸調子を加減する仕掛で、この機械も上糸の自動モードで、普通の
縫物であれば、なにも考えずに使えます。
現代のミシンで一番ありがたいのは「糸通し装置」で、針に糸を通す作業は
老人には難しいのは誰でも知っていますが、一度も近視になったことがなく
40代の中ごろから老眼になった私には、10cmの距離ではほとんど針穴も
まともに見えません。それが、この装置で簡単に糸を通せるので、縫う前の
セッティングは昔に比べるとずいぶん楽になったのです。
ところが、この糸通し装置、ちょっと使い込むと例外なく故障して使えなく
なるのです。そして、簡単なパーツ一つなのに、標準化も交換部品の販売も
全くないのです。針や糸やボビンがほぼ全部のメーカーで共通なのに
この糸を通すフックは規格も形もばらばらで、しかもメーカー修理以外の
方法がほぼないのです。
「ようがす。そんならオイラが・・・」となるのは必然というものです。
908 竹カーペット縁交換
夏場は毛のカーペットよりも畳とか竹のほうがさらっとして涼しいので
細い竹でできたカーペットを、もう20年くらい使っていますが、
この周辺の畳縁(たたみへり)がところどころ擦り切れてぼろぼろになって
しまい、まあ1万円かそこらの製品なので、替わるものを探したのですが
販売元にも、NとかHとかの大型店にも、ネットにも、近いものはあるのですが
この3畳で区切りがないタイプはありません。
しかし、考えてみれば本体はそれほど傷んでないので、縁(へり)だけを
交換すればいいので、畳店に持ち込んで縁を交換してもらうというのも考えた
のですが、だいたい畳1枚ぶんで3~4千円というのが相場のようで、これの
長辺が2.4mということを考えると、断られないとしても1万ですめばいいほう
だと思います。また、そこまでするほどの愛着もないのです。
「ようがす。そんならおいらがやってのけやしょう」
と仕掛人になってあれこれ仕掛を考えた末、ミシンそのものが移動する方式で
なんとかいけるのではないかと思い、コンパネにローラーをつけてミシンの
送りに合わせてミシンを手前に引く方式です。と、書けば簡単ですが、
縁を買った後で作業ができなかったら後悔にさいなまれることは確実です。
縁は「ナカジマ 畳へり 【花】 約7.8cm幅×10m巻 THF-24」という
青を基調にして比較的生地の目が詰んでいるように見えるものにしました。
必要なのはだいたい8mくらいなので、これ一本でできます。
まあこういう感じで縫っていくわけですが、さすがに簡単にはいきません。
布を縫うのにくらべると、竹を破る力と裏地のゴム入りマットで、ジーンズ
3枚くらいの抵抗がありますが、竹は表面を破ると無抵抗で、これも16番の針だと
かえってその太さで突き破る前に止まりがちになります。むろん細い針だと
負けて折れるし、そもそも、竹の表面が滑るので、全く布押さえて止まりません。
上糸を一番強くしてなんとか縫いきったのですが、ところどころで止めないと
2.4mを端から端まで一気には縫えません。すると、止めたあたりで裏側に糸がもつれて
写真のクリップの右側あたりに、3か所くらい見えているようなもつれが残ります。
最初の一回が大変で、試行錯誤3時間、あきらめかけましたが
なんとか形になりました。
端は裏に折り返して接着します。木工用ボンドで硬化中です。
もう一回やればもう少しスマートにできる自信がつきましたが、たぶんそういう
機会もないでしょう。なんの役にもたたない記録ですな。
907 無線局免許状更新
35年目の局免更新を行いました。この5年間もQSOは0件ですが、このBBSの
タイトルでもありますし、設備そのものはまだ生きていますので、看板を下ろす
わけにも行きません。首都圏の緊急事態宣言が出される予定でもありますので
その前にと思って九段の総合通信局に免許状の受領に行きました。
今回の期間が終わると開局40年になりますので、あるいはこれで終わる
かもしれません。ローカル各局には引き続きよろしくおつきあいください。
906 廻り縁(まわりぶち)の補修
我が家は築27年のセキスイハイム パルフェという、そこらへんを一周
すればどこかに1軒はあるようなありふれた軽量鉄骨家屋であって
個人的には、これでよかったと満足しています。工場で作られるので、
この機種というべきかもしれませんが、このタイプは、陸屋根を
エンビ被覆鋼板の波板で葺いていますので、非常に軽量で雨漏りも
まず考えられません。
ところが、我が家に限っては、北側に隣家(というべきか大会社の社宅
マンション)があるために「北側斜線」という問題があるのです。つまり
我が家の影が北側にある家屋の採光をさえぎってはならないというもの
ですが、そっち側は社宅の庭で、住居は全くありませんし、これから先に
建物も建たないはずですが、法は法ですから仕方ありません。
標準的に建てば非常に完成度の高い設計なのに、屋根の北側を「面取り」
してしまったために、北東と北西の角が庇が全く無いウイークポイントになって
しまいました。本来家の換気を良くするためにあえて天井と外壁の間に
設けている隙間から暴風雨の横殴りの雨が侵入してくるのです。
それで、室内側はどうなるかというと、外壁と屋根の境目あたりから
侵入した雨水が、今度は内壁と天井の境界あたりに侵入してくるのです。
天井のボードには断熱材が載っていて、壁のボードの先端あたりは天井の
ボードとわずかな隙間があってこれで建材の通気を行っているのでしょうが
そこに空気ではなく水が侵入して来たときには、室内側の壁と天井を仕切る
廻り縁の周辺が水を含んできて、量が多い時には室内の壁紙の上端から
水が壁を濡らして来るのです。それを27年繰り返したことによって
この面取りの角に相当する廻り縁が浸水膨潤してねじれてふくらんだ
形になってしまいました。
これは北東の角ですが、寝室のある北西の角もほぼ似た状態になっていますので
この水が垂れた跡がついている壁紙を張り替える前に、この部分の廻り縁を
斜め部分を20cm、水平に移行する部分を5cm水平部分を90cm、切り取って
除去しました。膨らんだ本体は層状に剥げる紙かパーティクルボードのような
材質で、その表面はダークウオルナットのフィルム貼りで仕上げてあります。
そりゃ膨らむわけだ。本物の木材は膨らんでもまあ5%程度でしょうが、これは
倍近く膨らんだ部分もあります。そこで、変形してない部分を切って
この断面を計測してみました。この図は上下が逆になっていて、角が面取り
してある部分が室内の下側になります。それぞれ5mm程度端から切り取ってある
部分が天井壁紙と、垂直面の壁紙上端が入り込むスペースです。
この39.5×18.5mmというサイズを見て、これはツーバイフォーの系統だなと思い
調べてみたら1×2が38×19mmでほぼ同じです。
しかしSPF材ではあまりに白過ぎるので、オリジナルと同じような
ダークウオルナットのフィルムを貼ることも考えましたが、オリジナルのような
圧着でなく接着剤で貼り付けるやりかたでは、経年劣化や耐水性に不安が
あり、そこだけを後から補修するのは逆に難しいので、できるだけ似た色調の
油性塗料で塗りました。
これで北西の角を仕上げて、窓からコーナーを含めて100cmぶん壁紙も
張り替えたのがこの写真で、角は天井壁紙も剥げて裏がカビだらけ、下地の
石膏ボードも一部崩壊していたのをいいことに、この穴から手を突っ込んで、
手の届く範囲の外壁側の隙間にエアコンパテを詰めまくって防水を図りました。
廻り縁を留める構造材の上の隙間もジョイントコークでシールしましたので、
少なくとも今までよりは防水性が増したはずです。
遠目に見ると、ほぼ見分けがつきませんが、実際にはこういう感じで
継いであります。斜め部分は30cm+5cm程度なので、変形して除去した廻り縁から
剥がしたフィルムを接着剤で貼り、水平部分は継ぎ目だけにこのフィルムを貼りました。
石膏ボードの穴は竹ひごをわたして壁補修パテで修復しましたが
天井壁紙が腐食していたこともあって。ビシッと平面にならず、若干だれた
感じに終わったのはやや残念ですが、まあパッと見には充分きれいです。
905 100VLED電灯の製作(5)
さて、あまりにも長い前置きだったのですが、実際あの電灯線というやつを
甘く見てはいけません。私が電気工事士を取ったのも、何度も火事を
起こしそうになったあれを専門家はどのように扱っているのか知りたかった
というのもありました。
それで製作したのはこんな回路です。
ブリッジダイオードとフィルムコンデンサのどちらを電源側にするべきか
考えたのですが、小型ブリッジダイオードは耐圧はいくらでもありますが
電流は、これで1Aまでとなっています。要するに怖いのは電圧ではなく
電流なのです。それでこの回路ではまずコンデンサで31.4mAにしたうえで
突入電流の保護を1KΩの抵抗で行っています。
怖いのは電流であって電圧でない、というものの、やはり100VはLEDには
扱いにくいです。そこで、LEDを30個直列で使うことにします。製品でばらつき
があるでしょうが、おおまかに言ってこれで90V程度の電圧を消化できます。
そうすると抵抗にかかる電圧も0~50V程度と思われるので、最大で
50V×31.4mA=1.57Wですから3Wの抵抗であれば楽勝です。若干の発熱は
しますが、基板の銅箔部分である程度放熱するでしょう。
試作品ですから、1cm間隔でパターンが切れている5mm幅の生基板に
15個のLEDを直列に半田付けしてこれを2個使って、これを放熱用
両面テープで、これまた生基板を削ってランドを作った雑な回路基板に
貼り付けるという粗い工作ですが、けっこういいバランスでできました。
LEDの配置を同心円状にしてE17電球タイプに作って見たいと思います。
904 100VLED電灯の製作(4)
というわけで、リアクタンスの理論武装がだいたいできたわけですが
さて、ではコンデンサを買いに・・・行けば、あまりにも種類がありすぎて
どれを買えばいいかわかりません。
まず、これは交流回路に使うものですから、極性が決まっているコンデンサは
使えません。というわけで電解コンデンサとタンタルコンデンサはパスします。
そうすると残るのはセラミックコンデンサとフィルムコンデンサということになります。
これ以外の種類は今回めざす「ダイソーに勝てる安価な100V照明」に使えそうも
ないので、この2つに要求される条件は
1.200V以上の耐電圧であること
2.静電容量の変化がないこと
です。
特に容量については少し増減しただけで電流が変化してしまうのですから、経時的な容量低下や
温度の変化で容量が大きく変化しないことが必要ですが、セラミックコンデンサの
最大の欠点が、この容量の変化ですから、これはパスするしかありません。
というわけで、この用途にはフィルムコンデンサを使うことに決定しました。
次にLEDですが、照明に使うにはパワーLEDが一応考えられますが
これを使うとなると、電流が400mAくらいまでですが、前述のエクセルで
計算してみると、12μFのコンデンサが必要になり、かなり大きなものを
並列で3個くらい必要なのと、放熱を厳格に考えないと、100Vでは火災を
起こしかねません。また、安くなったといえ放熱板まで考えると、それほど
手軽なデバイスとは言えずダイソーと勝負できません。ま、勝負する必要も
ないのですが。
そこで、昨今安価なシーリングライトなどに多用される面実装タイプの
チップ型LEDを考えます。これならebayで100個180円くらいですから充分
ダイソーと勝負できます。
Max Forward Voltage::3.2-3.6V Forward Current:120mA
ebayの商品の説明文は全部使いまわしなので、これが正確かどうか
はわかりません。
実際に電気を流してみて計測した結果からスペックを読みとって
残りの袋に書いておく。これがebayとつきあうコツです。
このLEDは最大でも120mA以下でつかうものですから、ブリッジダイオードは
1Aの小型のもので充分です。というわけで総計150円のパーツ表です
パーツ表
LED:100PCS SMD 5630 / 5730 Big-chip 0.5W High-Power Warm white LED Light TO
Item ID: 123543343356 100個入り 185円
フィルムコンデンサ:1μF 250V aitendo 2個入り 100円
抵抗:1KΩ 3W1% 金属皮膜抵抗 aitendo 10個入り 50円
ブリッジダイオード:400V 1A aitendo 5個入 100円
生基板、放熱両面テープ、1回路2接点小型スライドスイッチ
LED60円、コンデンサ50円、抵抗5円、ブリッジ20円、スイッチ10円、計145円
903 100VLED電灯の製作(3)
交流100Vに対して抵抗で電流制限する方法を考えますが、その前に
仮にこれが直流100Vで15mA流すとすると、100/0.015=6666Ωですから6.6KΩの
抵抗を使えばいいのです。しかし、この場合でもLEDの順電圧が3Vとして97Vの回路電圧です。
では実際の交流100Vはどうなのかというと、100Vというのは 実効値であって、
ピークは141Vです。このピーク時に抵抗にかかる電力は、138(V)×0.015(A)=2.07(W)
ということになりますから、3W以上の抵抗が必要で、なおかつ2.07W相当の
発熱があるはずです。
これを考えると、15mAで3Vすなわち0.045W相当の灯りをともすために2.07Wの
発熱をする、言い換えると回路の電力の98%が抵抗の発熱というきわめて効率の悪い
照明であるといえるでしょう。というわけで、抵抗での電流制限ではなく、
コンデンサのリアクタンスによる電流制限を採用しましょう、という話になるわけです。
リアクタンスは見かけ上の抵抗なので、基本的に発熱というエネルギー消費がないからです。
ところでリアクタンスとはなんでしょうか?コンデンサの記号は見た通り
線がつながっていません。イメージとしてはあの2本の線の間に少し電気が
溜まっているという感じでしょうか、これのことを静電容量といいます。
例えば水槽の中心を板で仕切ると、片側に発生した波紋はもう片側に伝搬
しませんが、板ではなく、水で満たしたナイロン袋のようなもので仕切ると
この水袋を介して波紋はもう片方の水槽に伝搬する、こういうイメージです。
かえってわかりにくくなったかもしれませんが、要するにコンデンサは
直流は伝わらないけれど交流は伝わるのです。そしてこの交流における
電流を伝わりにくくする要素。それをリアクタンスといって、容量が
少ないほどリアクタンスが大きい、つまり電流が小さくなるのです。
では50Hzの交流100Vにおいて15mAの電流になる容量はどれくらいでしょうか。
Xc=1/2πfc(リアクタンス=1/2×パイ×周波数×静電容量)から100Vにおける
電流I=100/Xcとなります。こういう計算においてマイクロファラッドや
2×50×3.14×0.47×10のマイナス6乗分の1とかやっていると
絶対に一桁二桁まちがってしまうので、もうエクセルで簡単な表を
作って計算することにします。
902 100VLED電灯の製作(2)
しかし、LED一個を点灯させるために、物によっては千円以上するトランスと
これらのパーツを使うのは「牛刀で鶏を割く」感じがします。ダイソーなどでは
LEDナツメ球や100V用LED電球を300円以内で売っているではないですか
あれの回路はどうなっているのでしょうか。
結論から言うと「コンデンサのリアクタンス」で電流制限をしています。
ただし、LEDは逆電圧と突入電流に弱いので、基本的にはこんな回路に
なっています。
ここで逆方向に2個のLEDを配置していますが、これの意味は
正電圧期と逆電圧期で交互に点滅する、言い換えれば逆電圧をLEDで逃がしている
ということですから片方は小型のダイオードでもいいのです。
そして、1KΩの抵抗で突入電流から保護しているのですが、この抵抗には
それ以降も電圧がかかり続けるので電力相当の発熱があります。
この回路でLEDを点灯するとかなりチラチラします。それは一秒間に
50回点滅しているからです。これをブリッジダイオードを入れて
100回にしてやれば、人間の目にはほとんど点滅を認識できません。
その場合は逆電圧保護のダイオードは不要です。
901 100VLED電灯の製作(1)
LEDを点灯させるにはその順方向電圧(Vf)より高い直流電流を、
制限して与えるのが基本です。例えば1つのLEDなら5Vの電源で
Vfが3Vなら、差の2Vに対して15mA程度の電流になるように
2/0.015=133Ωの電流制限抵抗を入れれば普通に点灯します。
しかし、電灯線の交流100Vでこれを点灯させるにはいろいろな工夫が
必要で、一つには100Vの電圧をどうやって3Vくらいまで下げるか、
という点ともう一つにはどうやって直流に整流するか、という問題が発生します。
交流を直流にする一番簡単な方法はブリッジダイオードを使うことです。
これを使えば脈流ながら粗い直流が得られます。その後、コンデンサーで平滑化
トランジスタやダイオードで安定化電源にする手法が一般的です。
このような整流をする前に、変圧トランスで12V程度の交流にしておくというのも
よく行われる手法です。こうやって得られた低い直流に対して、前述の
電流制限をしてLEDを点灯させるのです。
これが直流電源回路の基本形で、トランス→ブリッジダイオード→
電解コンデンサで、12V程度の直流が得られるので、これを3端子レギュレータで
目的電圧を得て、更に電解コンデンサで安定化しています。
900 強力電池式ドリルの製作(2)
製作について多少の詳しい説明を。
1.モーター
マブチRS-380PHは全くサイズは同じですが、補助ヨークという表面の
金属カバーがないのと、多少トルクが低い気がします。ネジ穴やシャフトも
全く同じなので、互換性はありますが、価格は800円くらいと4倍です。
2.電源・電池
電池は直接ハンダ付けして使うのでショートしないようくれぐれも注意してください。
毎回書いているようにLi-ionは発熱爆発の危険性が高いことを充分に理解して
工作してください。
電池だけでなくACアダプターでも使えるようにDCジャックを尻につくりました。
モーターの仕様的には9Vまで入力できますが、コネクタを極性統一の
区分2(3.15V~6.3V)用にしてあります。
配線はスピーカーとイヤフォン端子と同様に、普段は電池と短絡、DCプラグを挿すと
電池ラインのマイナス側はオープンになります。
Li-ion充電用端子を、aitendoの充電基板キット(299円)で製作した
USB充電器で使えるようにピンヘッダとソケットで作ってあります。
充電回路を内蔵してACアダプターで充電というのもあるでしょうが、今でもそこそこ
重いので別にしました。
3.チャック
これを露出させると、ドリルビットの交換は簡単になるのですが
ペングリップで操作するのが難しくなります。市販のリューターのように
簡単に交換できる仕掛けがあればいいのですが、現在はこのツバ管を2本の
ネジで外すか、モーター軸のイモネジを六角レンチで外す穴を設けるしかありません。
なお、このツバ管を留めているネジですが、M3でなくM2.6です。また、
穴から2mmも入ると回転子に接触しますので、長さを切るとか、ワッシャで浮かすとか
配慮しないと回転も阻害するし、異音も発生します。
4.ドリルビット
ebayで探すときには「PCB drill carbide CNC」などで検索をかければ10本200円台から
いろいろな種類がみつかるでしょう。またチャックは「drill chuck 3.17mm 2.3mm」
などで探せば100円くらいから各種見つかるでしょう。いずれの場合もモーターの
シャフト径が2.3mmで、ビットの軸(shank)径が3.17mm(1/8インチ)であることを
明確に意識してください。
また、チャックは2.5mm~3.17mmの範囲で使えますから、この範囲であれば
普通のHSSドリルビットなども使えます。ただし、長くなるので、先端が
ぶれるのと、太くなるとトルクが不足しがちなので高い電圧が必要です。
あるいは、チャックの内筒(ドリルをつかむ三つ割部分)だけ5種類くらい
ついたセットもebayにあります。300円くらいですから、
木材のようにドリルが頻繁に折れるときは、これで普通のドリルを
使う方が精神衛生的にはいいと思います。
5.ケースその他
これはどれも買っただけでは使えません。内面を削り落としたり、冷却穴をあけたり
シャフトに電池が接触しないよう加工したり、スイッチやコネクタ穴を設けたり
接着したり、色々加工する必要があります。ちなみに、今回の完成品の写真で
尻部分の黄色ケースは点鼻薬のキャップです。こういう工作が最も少なくてすんだものを
紹介しているにすぎません。もう少しスマートな材料とやりかたがあれば、ぜひ紹介
してください。
また、ドリル刃は丸先カバー(外径12mm)のような、径が合うもので保護したほうが
安全です。もろくて折れやすいのと鋭利なので怪我をしやすいからです。
899 強力電池式ドリルの製作(1)
ここでいう強力は、ダイソーのおもちゃ同然のリューターにくらべれば使える。
それも私のように削るのが本業とか、同じサイズの穴を500個あける必要があるとか
そういうプロが、ちょっとポケットに入れて、下穴を正確にあけるなどの
補助的な作業に使うドリルの意味で、これがあるとけっこう便利です。
逆に、鉄板に穴を貫通させたり金属を切削したりするのは全く無理です。
CNC用の0.8mm~3.2mm径のカーバイトビットを使いますから、ひずませると
簡単に折れてしまいます。最適な用途は、プリント基板に0.9mm径の部品穴を
200箇所開けるとか、コンパネでちょっとした箱を作るとき、コーススレッドをねじ込む下穴を
1.8mm径で50箇所開けるとかの細くて2cmくらいまでの浅い穴を正確にあけることで、
従来錐でやっていた作業をこれでやると、もう錐には戻れません。
まず材料ですが、あらかじめお断りしておきますが、私のそばにあるガラクタが
基本なので、これと同じものを揃えるのは無駄だと思いますし、誰でもどこでも
入手はできないと思います。まあそれでも自作が好きな方にはなんらかのヒントに
なるのではないかと思っています。
1.モーター
秋月電子 RS-385PH-4045 200円
これは、Li-ion一本でそこそこのトルクがほしいので、このマブチのOEM的な
モーターでも6V用のものを使います。12V用を3.7Vで回すと全く使えません。
このモーターのシャフト径は2.3mmです。
2.電池
18650 Li-ion 廃物利用
新規に買うことはできますが、基本的に、これはノートPCのバッテリーパックを
殻割して一本づつにばらしたとき、まだまだ使える18650 Li-ion電池を再利用
するための工作で、そういう意味では過去の820番あたりからの
「パワーLEDの研究」の懐中電灯に続くシリーズと言えるかもしれません。
3.チャック
ebay 2.3mm→3.17mmドリルチャック 300円程度
2.3mm径は歯科用の低速用切削ポイントに使われているもので、多くの
モーター軸もこの直径です。したがってこのモーターに2.3mmのドリルや
ビットをつけるなら2.3mm→2.3mmをつければいいのですがCNC用のビットは
多くが1/8インチ(3.17mm)です。したがって2.3mm→3.17mmドリルチャックが
必要なのですが、これはaitendoに売っていません。そこでebayなのですが
今回は2個で310円でした。
4.ドリルビット
ebay CNC用1/8インチ 0.8mm~3.2mm 10本入り500~1000円程度
これは軸径が3.17mmで長さが37.5mmでコンピュータで制御するボール盤に
使われるものです。ドリルのように軸方向だけに穴を開けるものと横方向に
穴を拡げていくものでは刃の形態が違います。今回はドリルとしての用途
のみを考えているので、end mill cutterとあるものは避けてください。
5.ケース的パーツ
エンビ HI径違いソケット20X13(33mm→24mm) 50円程度
エンビ オーム電機 ツバ管12ミリ4個入 150円程度
6.その他電気的パーツ
小型スライドスイッチ
端子製作用ピンヘッダー/ソケット
ACアダプター用ソケット 極性統一 第二区分用
Li-ion充電基板キット aitendo
898 年末年始工作・17cm蒸籠の製作(ついでに)
かなり「アイロン曲げ木」の技術が上達してきたのと、固定時間が
だいたいわかってきたので、この話の一番最初に書いた40年くらい前のを
3年前、816番の投稿で修理してなんとか使っていたものを、もう少しましに
直せるような気がしてきたので余勢で再修理してみました。
これは3年前の修理直後の写真ですから、現在はもう少し崩壊が進んだ感じで、
特に竹をワイヤーでつなぎ合わせた内筒は激しく崩壊してきました。
逆に、この時「もっくもっく」で仕入れた厚み3mmのタモで作った外筒は
その後何度も使ったせいもあって、曲がり方が自然に円形に近くなってきました。
とはいえ、一旦ばらして、外筒も湯につけて若干ふやかしたものを、
この写真では非常に不恰好に張り出している、重なり部分を斜めに削いで
前回より正確な円形をめざして修正しました。
蓋のゆがみが一番大きかったので、前回はきっちり蓋がはいりませんでした。
そこで今回は多くのホームセンターで手に入る厚み3mm幅3cm長さ60cmのアガチスで
できるだけきれいな円形をめざして、蓋だけ外筒を作り直しました。
芯部はダイソーの厚さ3mm幅24mmを2本使います。ほんとにこれで100円はありがたい!
網代格子と簀子は痛みが特に激しい部分だけ新しい材料で置き換えました。
簀子を結んでいる籐はかなりくたびれていますが切れてはいないので、
それぞれの竹の厚みと幅を新しい竹で復元して、そっと差し替えました。
内筒は本体が檜の厚み2mm幅5cm、蓋と本体の下部内筒がダイソーの厚さ2mmを15mm幅で
使いました。ダイソーのはいずれも桐材で濡れるとけばだつのが難点です。
というわけで、仕上がったのがこれ、今回はちゃんと本体同士も蓋もすべて
入れ替えてもちゃんと納まります。かなり円形に近づけることができたと思います。
蓋は使い回しですが、本体はほぼ自作品なので、焼印などもあしらってみました。
こんなもん鋳造して作ってからに、アホじゃ。
今回の年末年始工作はこれにて終了。またレベルが一つ上がった気がします。
ま、ラリホーが使えるくらいでしょうか。今日は寝つきがよさそうな・・・。
897 年末年始工作・17cm蒸籠の製作(5)
蓋の網代格子は表面に皮目の部分を使い、内面に皮下の部分を使います。
これはかなり薄く作らないとなかなか本物のようにいい感じのカーブが
出ません。今回も皮下のほうはまあまあでしたが皮目のほうは品質が
ばらばらすぎてとてもお見せできるような細工ではありません。
本人は充分わかっているのです>竹細工をされるみなさん。
簀子の部分は一見かなり丈夫に作ってあったので半分にへいだものに
鉋がけをして使いましたが、実物をばらしてみると、どうやら1/4に
へいだもののようです。固定は籐でやるのですが、本物も酷使したものは
修理に銅の針金を使っているし、それなりにきれいなので、最初から
Φ1mmの銅針金を使っています。
本物には簀子の両端に半月型の竹板を使っていますが、逆にあれを作る方が
大変なので籤だけで作っています。籤の幅は、どちらがいいのかわからないので
16割(幅15mm程度)と32割(幅8mm程度)の二種類にしてみました。
また胴の固定には1.8mmのドリルで周辺を6か所(60度毎)貫通させて、
木工用ボンドをつけた爪楊枝を使っています。これもボンドを使わないほうが
修理が簡単になるのですが、今回は習作なので・・・
ま、いつ本作品ができるのかわかりませんが。
896 年末年始工作・17cm蒸籠の製作(4)
これで4種類の筒を作ります。上に書いたように、ひとつひとつ完全に
固まるまで待たなければいけませんから、筒一つに2日くらいかかります。
これが本体に使う4種類の筒をばらばらにしているところです。
外筒の内面に芯部が3mmの厚さで来て、その内側に内筒が来ますが、
簀子を支える底の内筒は2mmの厚さなので、真円に近く曲がっているならば
内筒の外周より底の内周のほうが1mmぶん大きくなっています。
これは蓋の内筒も同じですから、この差で何段にも重ねた蒸籠に
蓋をかぶせることができるのですが、素人の細工なのでなかなか真円に
近い筒になりません。
まあここが真に一番むずかしい部分です。
895 年末年始工作・17cm蒸籠の製作(3)
とりあえず今回は檜の厚さ2mmでメインの内筒を作ります。
底と蓋を支える部分は、ダイソーの厚さ2mm幅21m長さ910mmの桐材を使います。
これが3本で100円というのは蒸籠作りにはほんとうにありがたい、できれば
幅60mmを出してくれるともっとありがたいです。
芯部も厚さ3mm幅24mmを2本使えば、バルサ材より桐のほうが耐久性が勝っている
と思います。固定用木リベット(爪楊枝)を上下に打つ必要はありますが。
厚さ2mmでは5cm幅が入手できる限界なので、内筒の高さは5cmで決まり、
簀子は3mm程度の厚みなので、簀子を支える下側の内筒を幅15mmとすると、
全体の高さが68mmとなり、蓋の内筒も15mmとすると、本体の内筒が外筒より
飛び出す部分は10mm程度が望ましく、ここではじめて、外筒の高さが決まります。
つまり、厚さ3mm幅60mmの材料だと内筒が8mm出るというわけです。
さて、次の難関は「いかにして木を曲げるか」です。基本的には水分を木質が
吸収し、そこに熱を加えれば木を曲げることができて、その状態を熱と水分が
完全になくなるまで維持すれば、その位置で固まるのです。
こういうものを考えた時、頭に浮かぶのは「ふるい」です。そして秋田の
「まげわっぱ」です。ああいうものはどうやって作っているのでしょうか。
木に水を充分に含ませ、熱が木に充分伝導したところで曲げるのですが
まげわっぱでは細長い鍋で2時間くらい煮るようです。家具の脚などでいう
「曲げ木」では密閉できる箱に材料を入れて沸騰した蒸気をこの箱の
中に満たして時間をおく、という方法のようです。
どちらもかなり大がかりな道具が必要なので、素人が気軽に行うには
ちょっと敷居が高すぎます。そこでネットで知ったアイロンによる曲げ木を
やってみます。これは木を充分に濡らして布で包み、その上からアルミフォイルで
包んだものに高温のアイロンをあてて充分に水分と熱が回ったところで
この包みごと一気に曲げるのです。
今回はのりしろに相当する両端の部分の重なりの曲がり方をぴっちりと
合わせたいので、ある程度冷えたところでアルミフォイルと布を外して
重なり部分を凸と凹に削った木片にクランプを掛けて乾くまで置き
その上で、重なり部分に木工用ボンドをつけてさらに固まるまで置きます。
これが濡れた布とアルミフォイルで包んだ状態でアイロンをかける前。
これは重なり部分に充分な癖がつくように、一番強力なクランプで押さえているところです。
ここのポイントは、まず重なりの反対側、つまり板の真ん中あたりをクリップで密着させ
最後に重なり部を密着させないと隙間ができてしまうことです。
894 年末年始工作・17cm蒸籠の製作(2)
これがおおまかな設計図ですが、こういう風にできれば苦労はありません。
まず最初の難所が「厚さ2mmの板の入手」です。単に2mmの厚さというだけなら
ホームセンターに行けばベニヤ板をいくらでも売っています。むろんこの
veneerというのは「上貼り」のことですから、基本的に何枚かの薄板を貼って
できています。あるいは「合板」という言い方をするものがこれです。
ところで、蒸籠というのは沸騰した水の蒸気で調理するものですから、当然
内部は100°Cで湿度100%と言う環境です。ここにこのような板を使うと
もう目に見えるようですね。接着剤が軟化して厚さ1mm以下の木は膨潤
そして枉げられた応力が解放されて元の平板に戻ろうとする、その結果
合板の間に水分を含んでぶよぶよの3層くらいに分かれ、あるいは接着剤の
成分が蒸気に混じって有毒な環境となる・・・
つまり、材料として「合板は使えない」この一点だけで、ホームセンターの
板材売場の99%までは全く対象から外れてしまうのです。
貼り合わせていない、原木から切り出しただけの状態の板を「無垢の板」と言います。
つまり欲しいのは「無垢の厚さ2mm」それも10cm×60cmの大きさが欲しいのです。
この時点で、ほぼすべてのホームセンターやネットショップで入手するのが
絶望的になります。
今回は唯一入手できる5cm×90cm×2mmのヒノキ板を使いました。檜風呂だと
いい香りと言われるあの独特の香り、あまり調理には歓迎されませんが
やむを得ません。これで作らないと、残る手段は厚さ3mmや5mmの板を
自分でなんとか加工して薄くするしかなく、とても均一にできる自信がありません。
この「厚さ2mmの板」は設計図で見る、本体部分の簀子を支える底の内筒と
蓋の網代格子を支える内筒(オレンジ色)、そしてメインの食物に接する一番内側の部分(緑色)です。
893 年末年始工作・17cm蒸籠の製作(1)
例年の年末には「私の重大ニュース」、年始には「おめでとうございます」というやつを
書くのを恒例にしていたわけですが、恒例ならぬ高齢になってくると
正直、人や自身の生死についても、若い頃ほど大事件として受け止めなくなりましたし、
実際、それによって生活が影響を受けることもほとんどなくなりました。
しかし、そこは年の区切りですから、この、ちょっとした休みに、何をして過ごしたか、を
書いて、それの代わりにしたいと思います。
2018年に、竹細工で「へぎの技を覚えた」というレベルアップがあった
わけですが、これでなにができるかというと、元々私の個人的なテーマである
中華料理に使う、それも主に点心類に使う小型の蒸籠ができるのです。
ほぼ40年前に横浜中華街で15cmの3段蒸籠を1500円で買って、これは
ばらばらに壊れてしまいましたが、修理を重ねて蓋の網代格子と
底の簀子部分は今でも使っています。
むろんこんなものは買えばいくらでもないのですが、昨今の物は
底の簀子が竹のブロックを敷き詰めただけで、また胴の高さが
3cmくらいしかないものが多く、直径が17cmで(小型の段付き鍋が
直径16/18cmなので-1cm)、華正楼の肉まんを蒸かしたときにも頭がつかえない、
すなわち、蓋裏までの空間の高さが7cmは欲しいのです。
わかった。じゃあワシが作ってしんぜよう、とはいうものの、
実は、最大の難点は胴の材料の入手にあります。
892 4GB以上のPersistenceを可能にする方法
前回紹介したLinux Mint Forumにあるスレッドで rui no onnaが
Aug 10, 2018 11:36に 投稿した文の通りにやってみたら、充分な再現性が
得られましたので、このやりかたを紹介します。
ISOはlinuxmint-19-mate-64bit-v2.isoで1.9GBの大きさ、使用USBメモリは32GB
メーカーは選ばないようです。基本的にWindows7からのみ作業しました。
念のため、作業前にこのUSBメモリはDOSプロンプトからdiskpart cleanしました。
1.管理ツール/コンピュータの管理/ディスクの管理からこのUSBメモリに全領域
FAT32の領域を作る
2.YUMI-2.0.6.1aを使ってこのUSBメモリにLiveLinuxを作り、persistentファイルを
100MBとする
3.完成したこのLiveLinuxMint USBメモリをwindowsからエクスプローラーなどで見て
仮にこれをGドライブとするとG:\multiboot\menu\linux.cfgというファイルを
エディタなどで編集する。
end行の前にある
「APPEND initrd=/multiboot/linuxmint-19-mate-64bit-v2/initrd.lz cdrom-detect/try-usb=true persistent」
の後にある「persistent-path=G:/multiboot\linuxmint-19-mate-64bit-v2」を削除する
この結果、この部分は
「APPEND initrd=/multiboot/linuxmint-19-mate-64bit-v2/initrd.lz cdrom-detect/try-usb=true persistent noprompt splash boot=casper iso-scan/filename=/multiboot/linuxmint-19-mate-64bit-v2/linuxmint-19-mate-64bit-v2.iso」
という文になる
4.G:\multiboot\linuxmint-19-mate-64bit-v2というフォルダ内にある
casper-rwというファイルを削除する。
ここまでが前段階。この後オリジナルに忠実に行うためにMiniTool Partition Wizard
というツールをダウンロードして作業したが、必ずしもこのツールでなくてもできる
と思う。Nortonを勝手にインストールして、ちょっと印象が悪かった。
5.MiniTool Partition Wizardを使ってこのGドライブのFAT32領域を2GB程度まで
縮小した。すると約29GBの未使用領域ができるので、これをEXT2で新しいパーテーションを作り、
ラベル名をcasper-rwにして、変更を反映させて終了する。
作業はこれだけで、ここでラベル名をつけなくても、このUSBメモリから起動した
LinuxMintのGPartedからラベル名を付けても問題なく動作した。
この結果、このLiveLinuxMintには29GBの保存領域ができて大きいファイルの
保存やファイル製作など、すべて変更が保存された。
この状態をGPartedから見ると、このcasper-rwのマウントポイントが
「/media/mint/casper-rw」となっています。ここがポイントだと思います。
また、このrui no onnaはpersistentパーテーションとしてcasper-rwともう一つ
home-rwも別に使えたというレポートも書いています。これについては、私はまだ
実験していないので、これとか、起動メニューの自動化やスリム化とかも
ぜひ追加実験を行ってみてください。
890 Linux Mint19のUSBメモリーへのインストール
ではLinuxMint LiveUSBメモリを起動してメニューから右上の
All applicatons画面からGPartedを選ぶ。右上の/dev/sdaと見えている場所
ちなみにこれが内蔵HDDを意味している。ここをインストール対象メモリ
の32GB(実際には28.64GBなどになっている)を選ぶ。
全領域が灰色のunallocatedになっているので一番左の+マークアイコンを選ぶ
New sizeを4000MBにするとFree spaceが25326MB程度残る。File systemを
fat32、LabelはMint19などと任意の名前をつけておこう。Addして上のチェックマーク
をクリックして「変更を反映」させる。Are you sure…と出るのでAPPLYする。
次に残るunallocated領域を選び、全領域をext4でadd、Labelはどうでもいい。
これもチェックしてAPPLYして終了したらcloseする。
これで画面からInstall Linux Mintを選び、一番最後の日本語を選ぶ
キーボードレイアウトはそのままで「続ける」、グラフィック…をインストールには
とりあえずチェックを入れて「続ける」、コンピュータには…に関しては「それ以外」
にチェック。「続ける」、
ここからが本番。ここで前に言った「どこになにを」を明確に意識しなければならない。
この図ではインストール対象USBメモリは/dev/sdc、起動が/dev/sdc1、Linuxを
/dev/sdc2に入れる。この名前は必ずしもこの名前でなくそのPCの構成で違うことに
注意しなければならない。容量とタイプで判断できる。
ここで肝心の「ブートローダーをインストールするデバイス」というやつがあって
むろん/dev/sdc1にするのだが、ディスプレイによって画面の下端が切れてこの操作ができない。
このときALTキーを押しながらドラッグすればできるという情報があるが、それも
できない場合、menu→system→control Center→HardWare→Displayから
解像度を上げたり、RotatonのLeftやRightを選んで画面を90度回転させると横の方が長いので
下にあるボタンや入力欄が見える場合もある。
この「ブートローダーをインストールするデバイス」という欄の端にある下向き三角マークで
/dev/sdc1をこの欄に入れることができる。
/dev/sdc1をクリックして第一パーテーションを編集する。タイプはFAT32ファイルシステム、
マウントポイントは/windowsとした(なんでもいい)
Linuxをインストールする場所である第二パーテーションの/dev/sdc2も同様にクリックして
編集する。ext4ジャーナリングファイルシステム、パーテーションの初期化は空欄
マウントポイントは「/」だけを選ぶ。
これで緑の帯を/dev/sdb2に移動させて最下段のインストールを選ぶ。この時
フォーマットのチェックを入れておいた方が素直に進む。
タイムゾーン、あなたの情報、自動的にログインする、ホームは暗号化しない。「続ける」
これで「Linux Mintへようこそ」が出てインストールされる。
最後まで終わったらこの32GBUSBメモリを起動させればLinuxMintが起動する。
ファイルシステムを見ると/windowsというフォルダがあって空き容量4.2GBと
なっている。ここに置いたファイルはwindowsとlinuxの両方から読み書きできる。
むろんLinuxMintには例えばドキュメントのプロパティを見ると17.1GB
の空き容量があるし、作業結果はすべて保存される。
さて、これで今回の目的は達成できてカスタマイズについては
いくらでも検索できると思います。ところで、今回インストールに使った
4GBのUSBメモリ、あれにはpersistentファイルがないので、全く保存ができません。
仮にあれが32GBのUSBメモリだとすると、ほぼ30GBの空き容量があることになります。
すでにインストール済みのUSBメモリがあるわけですから、こんどはそれの
GPartedを使って、そのLiveメモリの使用済み範囲ぎりぎりの2GB程度までFat32を縮小
することができます。そうすると後ろにできるunallocated部分に、ext4のパーテーションを
作って、これのラベルをcasper-rwに変えて、applyします。
こういう操作をするときにはそのメディアをアンマウントする必要があります。
さて、これで一番最初のご質問の30GBのcasper-rwができたわけです。
このUSBメモリを今度はwindowsPCから見てsyslinux.cfgというファイルを編集します。
各項目の最後に「persistent」を加える。例えば「splash --」の場所を
「splash -- persistent」に書き換える。
これが私なりの解決法だったわけです。
しかし、今回、このLiveUSBメモリを32GBで作り、この通りにやってみたら
mouting /cow on/root failed:Invalid argumentというおなじみのエラーで
止まります。どうやらこの方法もダメなようですね。
ここに解決したという人がいますから、いい方法があったら私に教えてください。
888 No Title
やりたい事
1.USBにLinux(LinuxMint)を入れて色々なパソコンで使いたい(保存領域を4G以上確保)
使った物(環境等)
Windows10
NEW USB 32G(Amazon製)
USB ADDATA 32G(練習用)
USB SONY 4G
UNetBootin-windows-581.exe
LinuxMint-19-mate-64bit-v2.iso
gparted(関係ないliveUSB(ubuntu)に入っているgparted)
行なった操作
1.unetbootinをダウンロードする(ネットでunetbootin ダウンロードで検索して出てきた物をダウンロード)
2.LinuxMintをダウンロードする(linux mint 19 ダウンロードで検索して出てきた公式ページの物をダウンロード)
2-1.検索結果のEditions for Linux Mint 19 “Tara”-Linux Mintを選択する
2-2.editionsを選ぶ画面が出てきたのでMATE(64bit)を選択する
2-3.download mirrorsと書いてあったので他のサイトで調べると近い国のサーバをと書いてあったのでsouth koreaを選択するとダウンロードが開始される
3.unetbootinを起動してディストリビューションではなく下にあるディスクイメージにチェックを入れる
3-1.ISOを選択してファイルを選択する画面で先ほどダウンロードしたLinuxMint-19-mate-64bit-v2.isoを選択する
3-2.LiveUSBの作成のためspace used to preserve files across reboots の所は0で設定する(defaultのまま)
3-3.タイプUSBドライブを選択する
3-4.ドライブはD:¥(USB 4G)を選択する
3-5.OKを選択する(ダウンロードが開始)
4.ダウンロード完了後しっかり起動するかを確認する
4-1.USB(4G)を挿したまま再起動をかける
4-2.メニューが表示された中からStart Linux Mint 19 Mate 64bitを選ぶ
4-3.無事にデスクトップ画面が表示される
・computer
・mint’s Home
・30 GB Volume
・Install Linux Mint
この4つが表示されているのを確認する
5.インストール用のUSB(NEW USB 32G)をDosプロンプトでdiskpartを使ってcleanする
※今回NEW USB 32G(Amazon製)をcleanしたがUSB ADDATA 32G(練習用)でまずは練習するため先ほどcleanにしたNEW USB 32Gは別において置く
USB ADDATA 32Gはフォーマットをかけてある物を使う
※gparted(全然関係ないLiveUSB(ubuntu)に入っていた)でFAT32にフォーマットしてあるやつを使う
こんな感じで現在の状況が伝わりますか?
887 No Title
インストール用のUSB(僕の場合32g)を WindowsのDOSプロンプトでcleanできました!
886 No Title
linux mintは起動できました!
install linux mintあります。
DOSプロンプトを調べてます。
884 No Title
説明不足ですいません
今説明して頂いた通りに作り直しましたm(_ _)m
882 No Title
分かりづらくて申し訳ありませんm(_ _)m
そこまでは大丈夫です!!
881 No Title
パーティション1に起動用
1.起動用のubuntuの画面にはインストーラがdesktopにある。
2.ログイン画面がない
パーティション2にubuntu(Linux)
1.ログイン画面がある
2.ubuntuのインストーラからインストールしたもの
3.desktopにはインストーラがない
・biosの画面でパーティション1の起動用を選択するとパーティション2のubuntuが起動する
※この起動したubuntuにはパーティション2の1、2、3が揃っている。
・パーティション1はアクティブなのでPBRにはブートローダーがある。
ここまでの自分なりの見解と教えて頂いた内容からの理解は間違いないでしょうか??
わからない事
・Bios画面でパーティション1を選ぶとパーティション2のubuntuが起動しないのはなぜか?
※逆にパーティション1の起動用のubuntuが立ち上がらない理由がわかりません。
いくらブートストラップとはいえ、
パーティション1とパーティション2の紐つけ?等も何も行なっていないのでパーティション1を選ぶとパーティション1が起動するのは当たり前な気がする(今の僕の理解です)
・その紐つけ?の作業はどうやって行うのか?それとも自動で紐付けられるのか。
・パーティション2にubuntuをインストールする際、ブートローダーの事をチェックする所がありますがパーティション2にブートローダーがあるとダメな気がするのですが?あっていますか?
・パーティション1とパーティション2の紐つけ?はもしかしてマウントポイントというのが大きなカギを握っているんですか?
今回の件で沢山の学びがあり大変勉強になります。目標を達成するために教えて頂いたり調べたりする事が今はすごく楽しく思います。改めて本当に感謝しています。ありがとうございます。もう少しで達成できそうなのでもう少しご教授ください。よろしくお願いします。
878 なんども詳しい説明ありがとうございます
お忙しい中何度も何度も詳しいご説明ありがとうございます。
何度か試してみましたが
パーティション1の起動用をBIOS画面で選択してもパーティション2のLinuxは立ち上がりませんでした。
何とかしたかったのですが^^;
876 返信ありがとうございます
本当にありがとうございます
本当に感謝しています
説明も詳しく初心者の僕にわかりやすいように解説までありがとうございます
あつかましいお願いなのですが
できれば手順を乗せていただけると嬉しいです。
イメージはつかめました。
特に知りたい事(疑問に思った事)
1、F2等を押してBIOSの画面を立ち上げて起動するのは第一パーティションのubuntuですか?
2、その後第二パーティションのubuntuはどうやって立ち上げるのですか?
3、できればパーティション1に起動用のubuntuをインストールしてパーティション2をext4で作成した後の操作を教えていただければ嬉しいです
875 この起動USBメモリLINUXについて(5)
○Windowsユーザーが一番面倒に思うこと
LINUXを使っていて「こんなこともできんのか、面倒くさいやっちゃなー!」と
思うことがよくある。
例えばCHALET OSが最初から用意している画面のスタイルは「スタイルチェンジャー」
というやつで簡単に変えられる。50種類以上あってConkyという時計/情報表示も色々なスタイルが選べる。
壁紙もなかなか美しいものが多いが、これを自分の用意したものを、
例えば『ピクチャー』フォルダに置いて、これに置き換えてしまうと、
元の壁紙がどこにあるのか全くわからなくなる。ちょっと調べれば、xfce系の壁紙は
/usr/share /xfce4/backdropsに置いてあるので、「ここに自分の持っている画像を加えれば」
と思うが、このフォルダに画像を加えられない。なぜか?それは作業者がTakであって
管理者でないからだ。だから、例えば自分の持っている画像を「ファイルマネージャー」画面で
ドラッグできない。これをWindows ユーザーはどう解決すればいいかわからない。
これはフォルダを開くとき「管理者権限で開く」ことが必要なのだが、
そのメニューが「ファイルマネージャー」にない。だからそれを付け加えてやる必要がある、
それには・・・と問題がどんどん外れていくのだ。
WindowsユーザーがLINUXでひっかかるのは9割以上がこの「権限」に関することと
「ターミナル」といってもいいだろう。これはWindowsで言う「DOSプロンプト」で
LINUXを使う上で避けて通れないし、上記のような問題は、実はターミナルでコマンド入力すれば
簡単に解決できる問題ばかりなのだ。ターミナルはどの画面からでもCtrl + Alt + Tで起動する。
例えばこの画面にfirefoxと入れるとブラウザが起動する。
実はLINUXのすべての操作はこのターミナルだけで可能なのだ。Windowsユーザーが、
権限に関する問題に引っかかる場合、コマンドの前に「sudo」を置けばまず解決する。
これが管理者になる宣言なのだ。「superuser do」=管理者が行う、との前置きで
sudo thunar /usr/share /xfce4/backdrops」この意味は
「管理者が ソナー※(ファイルマネージャー)で /usr/share /xfce4/backdropsを開く」
という命令になって、これでこのフォルダを自由に操作できるようになる。
長いパス名などは、ファイルマネージャーで目的フォルダにあるファイルのプロパティからコピーペーストする。
※Xfce系の場合ファイルマネージャーはthunarだが、ubuntuでは
ファイルマネージャーはnautilus(ノーチラス)、この場合にはsudo nautilus・・・となる
(終)
874 この起動USBメモリLINUXについて(4)
○ディストリビューションとフレーバー
LINUXは元々カーネル(ハードウエアとアプリケーションを仲介するもの)
を無償で提供したものなので、それに付随するソフトウエア群はすべて世界中の
ユーザーが無償で提供している。つまり配布(distribution)なのだ。しかし
ここで言うディストリビューションはそれらを選択統合してwindowsのような、
一般利用者がインストールしたり、利用できる形にまとめ上げたものを言う。
世界中の人間が開発に参加するので、いわば格闘技が打撃系、寝技系、武器使用・・・
と細分化するのと同じで、大きく数個の系列、その下にそれぞれ数十の系列、さらに
その下にと、数百種のディストリビューションが存在するが、
一般に一番扱いやすいといわれるものはDebian系のUBUNTUをベースにして、
それぞれに開発者の好みを加えたものが色々配布されている。この味付けのことを「フレーバー」という。
Debian系は特に「100%フリーソフト」が理念なので、基本的にすべて無償で配布される。
今回のUSBメモリはDebian系のLINUXディストリビューションであるUBUNTUを
ベースにしたZORINと、さらにUBUNTUのフレーバーであるLUBUNTUをベースにした
CHALETということになる。要するに、自動車で言うと、バス、トラック、タクシーの
種類があって装備もいろいろながら運転操作はほぼ同じと思っておけばいい。
873 この起動USBメモリLINUXについて(3)
○LINUXからはどう見えるか
LINUXというのは言わば「LINUSさんのUNIX」という意味で。現在48歳の
フィンランド人、リーナス・トーバルズが、研究機関やサーバー向けのOSである
UNIXをPCで動作するような無償のカーネルで提供したことでスタートした。
UNIXというOSは「すべてのものをファイルとして扱う」のが特徴なので
プリンタ、キーボード、ドライブなどのハードウエアもすべてファイルとして扱う。
つまり、windowsでいうCドライブ下に本物のファイルが並んでいるように
ハードウエアもルートディレクトリ以下の所定のディレクトリに格納されている。
ここでは/dev/sdb1とdev/sdb2、の2つのパーテーションが先ほどのwindowsで言う
第一パーテーションと第二パーテーションであることがわかる。また、このUSBメモリ
全体は/dev/sdbで、ちなみにPC本体内蔵のHDDはdev/sdaということになる。
そして、OS上での扱いはこれらを「マウントする」つまり、windowsでいうDとか
Eとかのドライブとして扱うのと同じで、ドライブレターの代わりに
「マウントポイント」というディレクトリを与える。これがファイルとして扱う
という意味なのだ。
システム全体の一番根底はルートディレクトリで、windows で言うならC:\に相当するが
ここはLINUXでは普通は意識されず「ファイルシステム」がそれに近い。あえて言えば
冒頭の図の第二パーテーションのマウントポイントの場所に「/」とだけ書いてあるが、
これがLINUXをインストールした場所なので、これが一番近い。ここに先ほどの
/devというディレクトリもあるが、例えば「マイドキュメント」がどこにあるか比べると、
LINUXでは/home/Tak/documents/で、これはTakというユーザー用の空間内であって、
windowsでもC:\Users\Tak\Documents\なので、ほぼ同じ構造になってきた。
基本的にマルチユーザーで使うことを前提にしているので、
管理者として振舞うにはそのたびにそれを宣言しなければならない。
そこが面倒といえば面倒だが、外部からの攻撃をむずかしくする理由でもある。
また、前項のFAT32の4GBの第一パーテーションに/windowsという名前で
マウントポイントを設けている。こうすることでこのFAT32のパーテーションに
あるファイルも、LINUXから普通に扱うことができる。
つまり、WindowsからはCHALET1604という名前のF(など)ドライブと見え
LINUXからは/windows(など)という名前のマウントポイントと見えることになる。
このファイルシステム上の位置は任意に指定できるので/homeとか/home/tak/とかにも
置けるし、何も指定しない場合には「ボリューム」と表示されるので、単独のドライブのようにも見える。
872 この起動USBメモリLINUXについて(2)
○このUSBメモリの構造
では具体的な話としてこのUSBメモリはどうなっているか
大雑把な概念としては約4GBのFAT32パーテーションと、残り全部の
EXT4パーテーションでできている。これをwindowsのディスクの管理で見ると
このように見える。
このCHALET1604はFドライブとして認識しているが残り24.73GBについては
パーテーションではあるがwindows にはEXT4という概念そのものがないので
ドライブとしてだけでなく全く扱えないパーテーションであることがわかる。
ここで注目するのがその第一パーテーションが「アクティブ」と書いてあることで
これはこのPBRにブートローダーがあることを示している。
ではこのUSBメモリがwindows環境で起動するかといえば、windowsにとって
無効なブートローダーのため、カーソル点滅でハング状態になるか、
このUSBメモリ内のコードが起動せずにHDDのOSが起動して、
単に3.91GBの容量を持ったUSBメモリとして扱われて、その範囲で
普通に読み書きできる。
これをBIOSレベルで起動メディアとして指定すると
MBRに書いてある第一パーテーションのPBRのブートローダーが
第二パーテーションに納めてあるOS、つまりLINUXを起動する。
要するに、このUSBメモリーをLINUXから見ると、第一パーテーションは
第二パーテーションを起動するPBRだけの存在で、FAT32領域のファイルは
LINUXに無関係なのだ。ただし、LINUXはFAT32もNTFSも読み書きできるので
その第二パーテーションから起動したLINUXからはこの第一パーテーションの
内容も、またPC本体のNTFSのHDDなどもすべて読み書きできる。
FAT32の4GBという大きさにはそれほどの意味はない。このFAT32領域は
Windows機からも読み書きできるということは、LINUXとの中継場所として、
ここに格納したファイルはどちらからもアクセスできるので、リカバリーや環境の移行に
非常に便利なのと、全体がDVD-Rに納まるという程度の意味はある。
871 この起動USBメモリLINUXについて(1)
○全体的な理解
このUSBメモリは容量32GBのUSB3規格だが
一口に32GBと言ってもむろん正確な数字を10進法で言うと
32×1024×1024×1024個の「バイト=8個のビット」でできている
これをPCやディスクで扱う場合には512バイトを1セクタとして
セクタ単位で扱う。ハードディスクやUSBメモリをPCから扱う場合も
最初のセクタから読み書きできるわけでなく、先頭のセクタにはMBR(マスター
ブートレコード)という起動情報があって、この512バイトの中には
このディスクを4個以内の区画、パーテーションに分ける場合、それぞれの
パーテーションの始まる番地も記録してある。
そしてそのパーテーションの先頭には、どこから起動用のコードが始まるかの
ジャンプ先が書いてある。これをパーテーションブートレコードPBRという。
つまり、電源を入れたとき、まず最初のMBRを読み、通常は第一パーテーションの
PBRを経由してOSが起動する。このように自動的にOSが起動する仕掛を
ブートストラップといい、そのOS起動部分をブートローダーという。
つまり、第一パーテーションのPBRにブートローダーが存在していて
それをMBRに記録してあるのが「アクティブ=起動ディスク」と言われる。
これはHDD、SSD、フロッピー、USBメモリに共通している。
ただし、最近は2TBを越えるディスクができてきたので
これを扱うためにMBRではなくGPTを使うUEFI環境のマザーに変わってきた。
この話はここでは避ける。最新のPCで従来のディスクが起動しなければ
それはUFEI環境なのかもしれない、と思うことにしよう。
870 re:771 Ubuntu 13.10 LiveUSBメモリ(5) について
こんばんは。古い記事までお読みいただきましてありがとうございました。
この頃はKUMASANという方のページを参考にしてLiveUSBメモリを作っていましたが
14.10くらいからここに書いているやり方ではうまくcasper-rwが認識できなくなって
KUMASANに質問メールを出していたところ、この方が亡くなられていたということで
結局、そのままになっていたのを、その後773の投稿に自分でreplyしている
緑色数字の843番の投稿が、私なりの最終解決策だったと思います。
ちなみに、その4行の意味するところはsyslinuxのブートローダーが
casper-rwの所在が異なってしまったために発見できないので
現在の状態でインストールしてやれば現状の「ファイルでなく第二パーテーション」
という状態を正しく認識してUBUNTUが起動する。という意味です。
つまり私なりの解決策というのは、
1、起動USBメモリーを製作するがこの時点ではpersistentファイルはない。
2、そのUBUNTUを走らせて、そこにあるGPARTEDで自分自身の第二パーテーションをEXT4で作り、
名前をcasper-rwにする。
3、windowsからこのsyslinuxを書き換えて、persistent領域を使う設定にする。
という意味です。
それにしても2年以上前のことなので、昨年あたりに思い直してUSBメモリの
UBUNTUを作ったときには「なぜLiveUSBメモリでなければいけないのか」と
考えた末、軽くてwindowsに似た操作のUBUNTUをUSBメモリに普通にインストール
すれば、変に一つのファイルにまとまってないだけで、私がLiveUSBに求めていた
ものはすべて叶えられることがわかって、例えば64GBのUSBメモリを
4GBのFAT32領域と60GBのEXT4領域に分けて、起動だけをFAT32で行うようにして
60GBにインストールしたUBUNTUを動かすという方法を現在は採用しています。
2ページの844と845がそれで、私は現在はこちらの方をむしろお勧めしたいと思います。
これだと、成書のUBUNTUに関する記述がすべて応用できるので、問題が解決しやすい
のではないでしょうか。Liveとの違いはファイルに対する権限の扱いがあることで
これさえ早めに覚えてしまえばいいし、むしろLINUXを扱ううえで避けて
通れない部分なので、Liveのように変則的な操作より正当な入り方と
言えると思います。
では、この844の投稿のときに、これを渡した相手にそのUSBメモリについて
解説した文書がありますので、これを次に投稿します。これはあくまでも
その実物を持っている相手に対しての解説だということを前提にお読みいただいて
なにかの参考にしていただけたら幸いです。
869 771 Ubuntu 13.10 LiveUSBメモリ(5) について
こんばんは
はじめまして
4G以上の保存領域を持ったubuntuのLiveUSBメモリを作ってみたいと思い全然できなくて、ネットで検索していたらこのブログに出会いました。ブログの管理者様に会えた事を本当に感謝しています。
検索していたのはLiveUSBの記憶領域についてです。
仮に作った作業する用のLiveUSBをUSB①とします。
保存領域を作成したいLiveUSBをUSB②とします。
771の記事の通りに進めてまいりました。
最後の方の28Gのパーテーションext4(casper-rw)までは完成しました。
gpatedの画像の下の4行について詳しく教えていただきたくメッセージをお送りさせていただきました。
USB②を起動します
casper-rwというラベル名のパーティション(記憶領域)が認識されていない?のかdesktop上にcasper-rwと書いてあるUSBの形をしたアイコンがでています。
もちろんsampleフォルダや壁紙を変更して再起動しても内容は保存されていません。そこで最後の4行の中のsyslinuxをインストールすれば、ext4パーティションのcasper-rwを認識しますと書いてあります。その方法を詳しく教えていただきたく思います。770の記事も見ましたがわかりませんでした。syslinuxをインストールし直す?syslinuxを再インストールする?という所が特にわからないため詳しく手順を教えて頂きたいです。僕も勉強中の初心者のため質問の仕方も下手ですいません。ぼくにご教授ください。本当によろしくお願いします。
868 SMART
スマートという言葉は、クールという言葉もそうですが、50年以上前に
英語教育を受けた私にとっては「細身の」や「涼しい」とかの意味で
使いがちですが、「賢い」とか「気が利いた」とかの意味で使うことが
実際の場面では多いのではないかと思います。
ここにもよく書いているように、私はアヤシイものはほとんどeBayで
仕入れています。今回のASUS「スマートフォン」はヤフオクで入手しましたが
これの電池交換を考えた時、Amazonにも出ていますが、実際に買うときは、
eBayで最安値のものを注文しました。
電池と交換工具一式で1,677円は、むろんパチモン電池であることを
前提で、なんの不満もありません。
ところが、これが注文から1ヶ月経っても、40日経っても全く届かない、
広東省のシンセンから郵便の繁忙期でもない8月にこんなに時間が
かかるのは少しおかしいし、「Shipped」のメールは来たけれど、トラッキング
ナンバーは示されませんでした。まあ97.4%positive評価のセラーなので
「やられた」とも思いませんが、泣き寝入りを期待しているのかもしれない
と思って、先週の月曜日にクレームのメールを出しました。
すぐに返事が来るのがeBayのいいところです。セラーはNegative評価が
つくことを非常に恐れるので、トラブルをできるだけ未然に防ぎたいのです。
「ちゃんと送ったのでもう一週間待って下さい。こちらでも調査します」
これに対しては
「では来週末まで待って、それでも来なければ返金手続きを開始します」
と返事したのが先週木曜日です。で、今日、つまりクレームのメールから
ちょうど一週間目に届きました。
箱を開けると、注文の品は全部入っていますが、注文していない
ACアダプターのようなものも入っています。これはなんだろうと思って
ラベルを見ると「万能座充」Universal seat chargerとあって、USB端子があります。
それだけでなく、裏側はこういう感じになっていて、要するに
+4.2VとGNDの端子が自由にスライドしてこれを側方にスライドする板で
はさんで固定するしかけです。
私も頭が半分中国人になっているので、すぐにわかりました。
これは要するにデジカメや携帯に内蔵している1セルのLi-ion電池の
充電器なのです。つまりスマホの電池はUSBで、携帯/デジカメの電池は
この端子で充電できるのです。
クレームが来てから郵送したとしたら、シンセンから一週間で届くのは
ぎりぎりかもしれません。荷物のCN22ラベルでは日付が確認できないのも
ポイントかもしれません。しかし、中国人は意味なくおまけを入れるような
甘いヤツラでないことも確かです。それはそれとして、この充電器は
なかなかに中国的にスマートな製品だと思いました。日本や西欧で
Li-ionを裸で充電するような機械が許可されるとも思えませんので。
それでとりあえず「今日届きました」とのメールに
「Thanks for your smart management」とお礼しておきました。
smartには「ずるがしこい」という意味もあるようですが、むろん違います。
スマートな充電器でスマホとデジカメ電池を同時に充電中です。
867 DSDSその後
約2週間使って、色々な使用法とそのデータ使用量を試してみたところ
自宅にいるときにWiFi環境にすれば仕事場をWiFi環境にしなくても
一か月で1GBあれば足りなくなることはほぼないという結論になり
DMMのデータ通信SIMプラン1GB(480円/月)でいくことにしました。
DMMは8月31まで「Wで半額キャンペーン」というのをやっていて、
新規契約事務手数料とデータプランの基本料の2つがダブルで
半額になるというキャンペーン内容になっています。
DMMのページからの無断転載ですが、まあDMMに損害を
与えているわけではないのでご容赦をお願いしておきます。
この220円というのは低速で容量無制限というプランで、
高速4G通信で1GBまでというのが240円になります。
現在のOCNの期限である11月末を待ってDMMに移行する場合と、8月中に
DMMに入会する場合とを比べてみると、仮に使わないとしても今入会するほうが
7か月後の総費用合計で2000円近く安くなります。
というわけで、DMM1GBプランに入会しました。初回分の支払いが2195円
次回から6か月間240円+α、7か月目から480円+αの予定で
SoftbankのガラケーSIMとの合計で確実に1500円以下になるものと思います。
OCNのプリペイドSIMはなくなるまであと2~3週間だと思いますので
DMMの当月分(日割りで350MBくらい)はそのまま来月分に繰り越すことに
なるでしょう。で、この繰り越し分程度しか使わなければ、本来の
来月分1GBは、ほぼすべて次の月に繰り越すようになるかもしれません。
ノートにUSBケーブルで直につないでのテザリングがけっこう使えます。
WiFiがない施設内でAC電源にノートをつないで、このノートのUSBにスマホを
ケーブル接続すれば、ノートにはネット環境が、スマホには充電が得られて
なかなか便利だと思いました。
(で、どうなったかというと)
ほぼ9月いっぱいでプリペイドSIMを使い切り、8月分の未使用分+9月分で
DMMのSIMは10月には1GB繰り越すことはほぼ確実ですから、10月は
2GBコースと同じと考えてもいいと思います。そして、10月分の
料金請求はこんな感じになりました。ほぼ予定通りです。
866 DSDS
DSDSとは何か、というと、一日中スマホが手放せないような人には
「何をいまさら」な言葉で、我々のような年齢層には「ん?ゲーム機?」くらい
だと思いますが、Dual Sim Dual Standbyのことで、要するにこれです。
最近、今さらながらスマホになりました。私には通勤時間というものや
仕事場の外に出る機会というのがほとんどないので、PCが無い環境は
まずないと言ってもいいので、老眼と太い指で数センチ幅のキーボードを
ポチポチタッチしたりフリック入力するのは非常に精神衛生に悪いのです。
しかし、4人で使っていた携帯の契約も今や二人になり、その一人も
iphoneに替わって4年、月々の携帯代1万以上がばからしくなってきたのと、
2年前、iphoneの電池がふくらんで反応しなくなって、アキバの交換屋で
電池交換したのですが、それから2年過ぎて、いつまた再発するか怖いので、
この際端末も替え、契約も格安SIMの2500円くらいに替えることにして、
端末はAppleストアで購入、ソフトバンクにナンバーポータビリティの予約、
格安SIMは店頭で手続き、itunesとicloudにバックアップをとっておいて
それをiphoneSEに書き戻し、と、まあ2日くらいでmineoに移行したのですが、
元々スマホやApple製品を使わない私はもとより、ITに恐怖心を
持っている当人もすっかりぐったりとなってしまいました。
全くあの携帯屋と話すのは精神衛生に悪いですね。数学が全くわからない
頭の悪い奴に数Ⅲ(古い!)を習っているような気持になります。
まあ、そういうことがあって、その一人が抜けたために、ソフトバンクの契約は
私一人になりました。むろん電話はもとより、携帯のメールも、いいとこ
月に数本というところで、実際のところ、これはソフトバンクといえば
そうなのですが、元々は今はなきjphone→ボーダフォンなのです。
それなら、この際せっかくスマホもいじったとこだし、残る自分の契約も
格安SIMにしてしまえば、二人で半額以下になるではないですか。
と、毒食わば皿までと思いましたが、新品のスマホをおしゃれな銀座の
アップルストアで買うのは奥様のスタイルであって、ジャンク屋の私には
全く似合いません。一応SIMフリー白ロムを色々物色したのですが
思ったより相場が高く、「よくこんなもんにこんな金使う気になるなあ」と
結局、DOS/Vの時代にTTZと(誰じゃ)本社見学したASUSのZenfone3を
ヤフオクで12Kで入手しました。台湾版でAndroid8.0になっています。
さすがに華為や三星はちょっと嫌だし。日本製は逆に不自由です。
この機種に決めたのは2枚のSIMが使えるからで、ソフトバンクのガラケーは
オプションを全部外して通話/SMSだけならば月額千円以下になるのです。
一方、格安SIMの通話は大手キャリアの余剰部分を使うため、混雑しているときは
つながらないと、通話に関しては大手キャリアのガラケーのほうがはるかにましです。
それなら、ガラケーを内蔵したスマホにしてしまえば電話/SMSはそのままなので
手続き不要なのです。ただし、ガラケーのSIMは当時のミニサイズでZenfone3には入りません。
それなら「切りゃえーじゃないか」とすぐに答えが出て、とりあえずマイクロサイズに
切りました。ここはまず大丈夫で、これをナノサイズに切るのはけっこう失敗が
あるそうです。良い子はまねしないようにね!してもいいけど、その時には
まず理論武装してから始めてね!
さて、そうすると、このガラケーの機体に残っている「おさいふケータイ」を
使い切らなければいけません。こういうのもすっかり流行らなくなりましたね。
で、アキバに行って、この残高3000円くらいをOCNのプリペイドデータSIM初回用を
買って空にしました。これは3サイズ対応なので、こちらはナノSIMに切り取ります。
で、こういう感じになりました。
このデータ専用SIMは、「3ヶ月後の月末」まで使えるので、月の始めに導入すれば
実質4ヶ月使えるので、ちょっと試すには最適なのです。その後110MB/日のコースに
移行すれば月900円ですが、11月の末あるいは12月中に追加用の1GBを足せば、
そこから「3ヶ月後の月末」までが2000円ですむ、すなわち500円/月の
ランニングコストになるのです。まあ忘れないように注意する必要はありますが。
正直、一日50MBもあれば充分すぎるのでDMMの速度200KBの440円コースもけっこう
魅力的です。ocnの追加を忘れたらそれを機会に、最終的にはDMMの1GBコース
480円/月に移行する予定です。それで電話データ合計月額1500円以下になります。
仕事場と家ではWiFi環境なので、外出時だけがLTE回線になります。あるいは
旅行中にテザリングでノートなどのモバイルルーターとして使うこともできます。
なんといっても老眼と太い指でポチポチタッチするのはつらいのです。
「携帯」としては大きくて邪魔なのですが、旅行時にipadを持ち歩くよりは
これとThinkpadの方がはるかに精神衛生にはいいような気がします。
で、今のところ、こういう感じです。Vodafoneの文字がいいですね。
865 竹割包丁の製作
依然として武器製作ダンジョンから抜け出せずにいるのですが
やっとヤフオクで一本中古の包丁を落としました。
三徳包丁という名前ですが、まあなんにでも使えるという意味で
要するに何の用途でもない、多少切るだけならこれで充分という意味の
名前です。厚みも1.5mm、材質はそこそこ刃がつく炭素鋼板の
打ち抜きを機械で研磨して刃をつけただけのものです。
落札価格110円+送料で390円でした。
これを竹割包丁に仕立てるべく刃を直線状にカットし、イレクターパイプの
エンビ被覆部分を剥がした、2cmほどの鋼パイプを加熱して端をつぶし
竹割口金のようなものを作って刃元にはめ込み、柄と鞘は2×4の端材で作りました。
厚みが薄いので両刃で研ぐと刃が鋭すぎるので使ってみてもう少し角度を
付ける方がいいかもしれません。とりあえずしばらくはこれで戦ってみましょう。
864 武器製作ダンジョン
ダンジョンの中で迷っているうちにもう一つのダンジョンに
つかまりました。それは「武器を作る」というものです。
なにしろゴールドがないし、そもそも竹細工というもの自体
横井さんのような(若者は誰も知らん)境遇に身を置かれた人が
サバイバルの一つとして身近にある材料で道具を作るという
あるいはアジアの民が武器や生活用具を必要とするときに
それこそ大は家から小は箸、串まで最も多用される材料の
一つでもあります。
であるならば、これを加工する工具も必然的になにもないところから
すべて自作することこそ正しい竹細工という・・・ダンジョンなのです。
ところで話は全く逆なのですが、竹を割るための工具で一番簡単に
買えるものは竹割鉈です。私も一番最初にこれを買ったのですが
実際にやってみてわかったのは、実は竹細工というものは
0.1mm単位の精度が必要なものだということでした。
大げさに言っているのではなく、実際に作品を作られている方の多くは
マイクロノギスで厚みを測っています。ではありながらも、実際には
量をこなすことで、測らなくてもそれがわかる、という世界でもあります。
たしかにこりゃ迷路で、しかも数をこなすことでしかレベルが上がらない
まさにRPG的思想の世界です。
むろん入門者は測らなければわかりません。しかしひごが作れるようになると
実は竹割鉈は重すぎて使いづらいのと、微細なコントロールが難しいのです。
では比較的軽い竹割包丁は、というと、毎回こればっかしですが
ゴールドが足りないのです。また、自分で顧みるにそんな高級品を買うほどの
腕もありません。なんせまだ入門しているかどうかすら微妙なのですから。
そこでもう少し使いやすいものを自作となるのですが、竹割包丁には
切れるという要素はあまり必要ではありません。しかし、目的の場所を
「へぐ」には竹に食い込む薄い直線の刃が必要であることも事実です。
しかし、この工程の時には32割で最大でも10mm前後の幅になっているので
大きく割る部分を鉈ですませるならば、刃長は5cmもあれば、ほぼいけます。
ここでも「やふおく」で出刃のやや薄手のものをと思ったのですが
これは落札寸前で10円上がったことに気づかず失敗しました。
しかし考えてみれば、出刃は片刃なのです。つまり、ぱっと見てわかる
研いである刃が見える先端の部分、あれが鋼なのですが、実は裏は平面で
これが日本の包丁の特徴です。つまり、軟鉄が片側だけについているのです。
これはカンナもノミも共通ですが、日本刀は違います。
これは断面図で、白が軟鉄、黒が鋼、赤い線から外側を削り落として刃物にします。
日本刀は裏から見ても表から見ても刃が見えます。つまり両側に軟鉄があって
例えればサンドイッチのハム=鋼をはさむパンになっている、これに対して
包丁は上のパンをとってハムが露出している形なのです。
ところで、竹割道具の特徴は断面が左右対称:舟形であることです。
竹を割るときには片側だけに力がかかると、そちらが薄くなっていく
というのが大原則で、これを理解したことで「へぎ」ができるように
なったのです。つまり手元の微妙なコントロールで左右に均等に
力をかけられる、つまり日本刀のように両刃でなければならないのです。
で完全に切れなくなったステンレスはさみをばらしたもので作ったのが
これです。基本的に竹割包丁の形を踏襲していますが、さすがにこれはこれで
小さすぎて4つ割りくらいだと竹に負けてしまいます。
ウーム迷路は深くてゴールは遠いな。
863 ダンジョンにつかまる
さて、武器と鎧の店ならぬ「やふおく」で鉋刃を手に入れたのですが
どうもこの鉋刃、プロが使っていたに違いなく、どうしても
かんなとして使いたくなりました。前の投稿の写真の左から2番目の一番長い
やつ、これとその右にある裏金とで、一丁できそうな気がしてなりません。
刃幅を測ると64mmで寸六かんなの標準的な幅のようです。
それなら寸六のかんな台を買えば、とは思うものの、一番安いものでも
3~4千円します。こんなもののために貴重なゴールドを・・・と思うものの
「あープロのように紙のようなかんな屑をしゅるしゅると・・・」と
思いはつのり、ついにダンジョンに入ってしまいました。
何度も言うようにゴールドがないときには「やふおく」です。探せば
ちゃんと「寸六のかんな台 古いものです」と断っているけれど
割れもないし、500円ならダメもとで、と落とせば送料が1000円と
ダンジョンにはそこらじゅうに魔物がいるのです。
これはすでに全部仕上げたあとなので、それほど汚く見えませんが
さすがに調整前は「まあ500円だわな」という外見でした。
昔からそこそこ使っているかんなですが、このネット時代になって
いいことの一つは、昔はとても聞くことができなかったような
専門家の講義をそれも次々に視聴できることです。
今回も 富山大学 研究資料用ビデオ(講師 小松研治)という
非常に丁寧な解説と実技のビデオを見て深く心に落ちるものが
ありました。それから鉋台の刃入を調整し、裏面を平面に研磨し
切削面との接触を調整し、刃もちゃんと研いで
裏金を入れるにはどう見ても幅を10mm近く削り落とさなければ
入りません。ディスクグラインダーでやってみたものの、発熱の
割にはあまり削れません。そこで久々に仕事場のモデルトリマーを
出してきて注水しながら幅を削り落としました。角の浮かせる部分も
鉄床の角でハンマーで曲げなおして55mm幅で美しく入りました。
これで試してみると・・・おおあこがれの紙のような鉋屑が
しゅるしゅると出るではありませんか。
ちなみに、このダンジョンを出るまで1週間かかりました。
さーて、今度は檜の薄材で蒸籠の胴だな。
別のダンジョンの入り口という気もするけどね。
862 武器と鎧の店
さて、レベルが上がると、出てくる敵もそこそこ強いのがいて、うっかりすると
「おおイエヤス死んでしまうとはなにごとだ」となるので、まずは手持ちの
ゴールドで買える革の服とか鉄の斧あたりでも買っておいたほうがいいのですが
手持ちのゴールドがどれほどあるか見てみると、なんと数千円しかないのです。
竹細工で「へぐ」のがある程度できるようになったら、次の段階として
「幅と厚さがきれいに揃った籤を作ること」がとりあえず最低限のタスクです。
これがきっちりできるようになったら、とりあえず入門準備は終了と言っても
いいかもしれません。それにつけてもダイソーで100円で売っている竹製品を
見るとクラクラしますな。ここまできれいに揃った籤を何千本も作って
いったいどれくらいの金になるのでしょうか。これは機械でできる部分は
それほど多くないのは確認しています。あの商品を100円で売るには
幅4mm、厚さ0.5mmの節ひとつの60cm程度の籤を100本で5円とか
たぶんそのくらいの原価なのではないでしょうか。
まず幅ですが、これは竹の直径である程度決まっているとも言えます。
直径10cmの竹で皮の籤を32本とるとほぼ10mm幅になりますから
これを半分にすれば5mm幅が64本とれることになります。
しかし、いくら精密に仕事をしても、そもそも先の方が少し細い
こともあるし、微妙に曲がっているので10mm幅とはいえ、私程度の
入門者では8mm~12mmのばらつきがどうしても出てしまいます。
つまり4mm~6mmくらいのばらつきが出るので、幅が近いものを集めて
そのなかで一番狭いものに合わせてのこりの幅を削り落とします。
これが「幅取り」と言われる作業で、切り株に二本突き立てた切り出しの
間を通して余剰部分を削るのですが、そんなもんできるわけありません。
で、先人に習って作ったのがこの幅取器です。
右側に隙間が見えますので、この右のブロックのネジを緩めて、
ぴっちり合う場所に移動させます。そうすると、これより幅広な籤を
この籤と同じ幅にできるわけです。この刃はステンレスアングルを
デイスクグラインダーで分割して約45°の刃をつけています。
これはそれほど鋭い刃でなくてもそこそこは行けます。
まだイマイチな完成度なので、まあ「ぬのの服」よりはましという
程度でしょう。
厚さを揃えるには「銑(せん)」という道具を使うのですが、
これがいろいろ試行錯誤してもどうもうまくいきません。
先人の道具を見るとノミをそのまま利用するものがありました。
ということはカンナでもいけるはずですが、それにはゴールドが
ないので、ドラクエにはない「中古のはもの」というものを
「やふおく」という店で探すと「かんな刃 土牛…他かんな刃等3点・中古品」
というやつがあって、これを1000円で落としました。
見るとどれもけっこういい刃がついていますが、どうにも再利用
できそうもない一番左の、幅広で刃こぼれのあるやつを使って銑を
作りました。この写真では4枚とも刃を研いで、その銑に使う刃に
2ヶ所穴を開けてあります。これでドリル刃3本折りました。
また裏金はこの後の作業のために幅を5mmづつ削り落としてあります。
これで作った銑がこれですが、厚さを決めるために刃のあたる左右に
0.5mm厚の小さいプリント基板を置いています。
刃の上に見えるのが余った竹で作った籤押さえです。この適度の弾力で
台に押しつけられつつ、籤を手前にひくことができるのです。
今回、鉋の刃は7°の傾斜にしてみましたが、けっこううまくいきます。
これでけっこう戦える気がしてきました。
一番右の幅の広い刃は、鉋として使うにはちょっと難しそうなので
それを半分に切り、ほんのわずかに上が開くようにセットしたアングルに
Cクランプで固定する方式で幅取器を作り直したのがこちらです。
これで4枚のうち2枚を使いました。残り2枚でかんなができるかな?
861 レベルが1つ上がった
チャラッチャッチャッチャーンと、これはドラゴンクエストのレベルが一つ
上がった時の音楽です。勇者イエヤスが荒野に出て弱いスライムを倒しまくって
やっとレベル2になり、HPとMPがすこしづつ上がっていき、ある程度のレベルになると
ホイミの呪文を覚えたりするわけですね。
で、勇者イエヤスは一昨年にあまぞんの売店で竹割鉈を買い、昨年秋に某所から青竹を
もらったままになっていたものを、季節もよくなって来たので、以前から懸案だった
自作蒸籠の蓋の修理にとりかかったわけです。これは元々40年くらい前に中華街で
安い飲茶用の蒸籠を買って胴は全部割れたものを蓋だけ使っていたものです。
今回竹をもらったので汚いなりになんとか修理したのですが、とても人に見せられる
ようなものではありません。ま、この写真内にある蒸籠なんですが。
結局、あの笊状の蓋になる薄い竹が入手できないのです。最終的に理解したのは
要するに竹細工というものはこの「籤(ひご)」作りがすべてなのだ、ということで
それなら、どこかで竹材を買ってきて薄く切り出せばいいのか、というと、そんな
話ではなく、丸竹を切り出す、2分割づつ縦に割っていく。4つが8つ、8つが16、
16が32本くらいに割れたら、こんどはこれの厚みを半分にして、これは外側だけを
使うのですが、さらにそれの厚みを半分にして外側だけを残すと
皮のついた1mmくらいの厚さの籤ができるので、これの皮目だけを剥ぎ取ると
皮目と皮下の2枚の材料ができるという、ちょっと話を聞いただけでも
「あ、そりゃ無理だ」とすぐにわかる話なのです。
この厚みを半分にしていく作業を「へぎ(剥ぐ)」と言いますが、
これが最大のポイントで、この技術を習得できないものは、全く竹細工の
入り口にも立てないのです。
籤を作る部分だけでも誰か教えてくれないか、と思ってずいぶんyoutubeなどを
見たのですが、もちろん動画もいっぱい転がっているものの、実際にやってみても
とてもあのようにはできません。そんなとき、ついに出会ってしまったのが
「ニシカワ塗装」老師です。この人も8年くらい前はアマチュアだったという
だけあって、まさに私が知りたかったポイントを教えてくれたのです。
そういうわけで「勇者イエヤスは『へぎの技』を覚えた。レベルが3に上がった」
写真はさっそくその技で蒸籠の蓋をやりなおすべく網代格子に編んだところです。
粗い実用品ですから幅も厚みもきれいに揃えていませんが、まさに私が
望んでいた材料なのです。こりゃ老後の(もう老後になってるつーの)
楽しみが増えたな。
ちなみに、私がわからなかったポイントは「いかにして同じ厚みでへぐか」です。
やってみるとわかりますが、同じ厚さで竹をへぐことはまず無理です。
それを「基本は手でへぐ、そして引っ張る側が薄くなっていく。」
これが決定的で、これさえわかれば後は練習だけなのです。
860 スーパーカブ110 JA44 オイル交換
オイル交換くらいでわざわざ写真を撮ったり記事を投稿したりするのも
どうなの、とも思いますが、JA44スレッドなどというのを読むと、けっこうな
割合で、どこに持っていくべきか悩んでいる人がいるのに今さらながら
驚きました。正直言ってこんなものは自転車のタイヤに空気を入れるのと
たいして変わらない、こともないですが、まあその次くらいの作業です。
今回スーパーカブはこのオイル関係で変更点があるので、そのレポート
という意味もあります。まずエンジンの真下にあるオイルドレンボルトの
形が変わって、ツバが広いドレンキャップ型になり、この中にスプリングと
ストレーナーが入っています。使用レンチは同じ17mmです。シーリングも
ワッシャータイプでなくOリングになっています。
また、今回から交換式のオイルフィルターが新設されました。
このボルトだけ他の場所に使っていない対辺8mmなのですが、せめて
10mmだと工具が少なくてすむのに、と思いましたが、まあそうそう交換
するものでもないし、この場所はスパナでもいけるかもしれません。
準備はこんな感じ、基本的にオイルが温まってさらさらになっていた方が
いいので乗った後がおすすめです。真下にバットを置いてオイル点検口を
あけておきます。
車体左側からドレンキャップをメガネレンチでゆるめると
オイルがあふれ出てスプリング、ストレーナーが外れます。
今回はオイルフィルターも交換するので、こちらも外して交換します。
オイル量は0.8リットルです。完全にドレンから出なくなってから
ドレンキャップを元通り、この時の注意点として、あまりトルクを
かけすぎないことです。私は前車(フォーサイト)で外れなくなって
キャップを壊して交換しました。アルミでナメやすいし。適正トルクは20Nm。
オイルはHONDA純正G1、道具は17mmのメガネレンチ、廃オイル受けバット
ウエス、ゴム手袋、すべてホームセンターで入手できます。
(私はモノタロウでオイル800円、フィルター500円でした)
見方によっては自転車のパンク修理より簡単かもしれません。
ちなみにパッキン/Oリングはほぼ使い回しで問題ありません。むろんオイル滲みや
洩れがある場合は当然交換する必要がありますが、同じサイズのドレンキャップで
8万Kmと6万Km乗って2000Kmごとにオイル交換したので、70回くらいになる計算ですが、
Oリングは一回交換しただけでした。しかも純正ではなくホームセンターの水栓売場にある
SANEIの「補修Oリング30番」で全く問題ありませんでした。
さらにもうひとつ、廃オイルの処理ですが、私の場合空になった缶に入れて
そのまま保存し、10本くらいたまったらオートバックスに持っていきます。
859 リア脱着の復習
前回の実習は前後のホイールを脱着してパンク修理の非常訓練でしたが
フロントは問題なく、リアの取り外しにはもう少し訓練が必要であることが
わかりました。特にスーパーカブの特徴であるチェーン回りをそのままにして
リアホイールだけ外せる、という方法がもうひとつ体得できないという
非常に残念な結果におわりました。
そこで、今回は「ブレーキをつけたままスプロケットを分離する」という
目標で復習しました。ブレーキ側の諸々をすべて外し、ブレーキを
色々な向きで、サイドカラ―の幅だけ右に寄せれば、かなり無理な感じですが
このようにダンパーとスプロケットが分離できます。アクスルシャフトを
全部抜かないで、チェーンとスプロケットがついたままなのがわかります。
スプロケットが分離できると、ホイールを後ろにさげて、ブレーキを外し、
ホイールを少し斜めにして車体を持ち上げれば、こういう感じでホイールを
右斜め後ろに外すことができます。
スプロケットとドリブンフランジ、チェーンがそのままアクスルシャフトに
ついた状態であることがわかります。この写真ではマフラーもそのままですが、
無理のない作業をするには、マフラーを外せばいいのですが、触媒が追加されたため、
マフラーを外すにはまずステップを外さないと完全には外れませんが、
エグゾーストフランジとスイングアームピボットのナットを外すだけでも
マフラーが動いて邪魔でなくなり、作業は格段に楽になります。
しかし、スイングアームピボットは反対側が二重ナットになっているので、
この反対側のピボットカバーを外して、さらにその下のナットを固定しないと
簡単にはナットが外せません。こういう風に複雑化しているのが、
「簡単にメインテナンスや修理ができるか」という観点からはやや残念です。
リアホイールはフロントより幅が広いので、タイヤもそれなりに厚みがあって
自転車用のタイヤレバーで外すのにけっこうな力を必要とします。
前回の実習でうまくスポークに掛けられなかった点を考察して、今回は
最初にレバーを入れる位置をバルブの反対側でスポークの中間地点にすると
このようにスポークに引掛けて3本使えることがわかりました。
また、分解よりも組立の方が早く作業できること、さらに、今回のように
シャフトを全部抜かないで作業するにはホイールをズボン用の作業ベルトで
荷台にぶら下げる形にすると、タイヤを左手で支えながらシャフトを
ゴムハンマーで叩きだすという疲れる作業が、ハンマーを使わずに
手で抜くことができるようになりました。このベルトもボックスに追加します。
というわけで、リアホイールの脱着はかなりスマートになりましたが
チェーンを外す方がホイールを左側に抜くスペースが広くとれるので、
今回のやりかたとどちらがいいかはなんとも言えません。
しかし、JA44にも過去のカブの遺産がしっかり継承されていることが実感できました。
858 脱着訓練
かなり重症の「そなえよつねに」病であることはおわかりいただいたと
思いますが、であるならば、非常訓練こそ備えの要とも言えます。
「百の座学より一の実習」と、絶対に先賢の誰かが言っているはずです。
というわけで前後ホイールの脱着/チューブ交換訓練です。
むろん車載工具のみで作業することが前提ですが、空気入れは
車載のでは時間がかかりすぎる上に近所迷惑なので、これは
エアブラシ用の3kg/cm2静音コンプレッサーを使っています。
前輪は簡単にホイールが外れます。
自転車用のタイヤレバーではスポークが太すぎて引掛けられないので
3本使う場合には一本を足で押さえる必要があることがわかりました。
こういうのが実習の成果ですね。たぶんリムに傷がつきますが
この種類のホイールでは普通にあることなのでよしとしましょう。
ここまで出せばパンク修理は問題なくできるはずです。
というわけで後輪ですが、この部分は、たぶん最初のモデルから
ほとんど変わっていないはずです。ただし、タイヤが太くなったり
ギヤ(スプロケット/チェーン)周りが強化されたり、あるいは
マフラーに触媒部分が追加されたりで脱着はやや複雑化しました。
今回はマフラーに手をつけずに後輪を外します。
まず19と14mmのメガネを両手で持ってアクスルナットを緩めます。
ブレーキはナットを外してペダルを踏めば抜けますので完全に分解します。
マフラーが邪魔で作業しにくいですが、トルクリンクの割ピンをまっすぐにして
抜き、12mmレンチでナットとワッシャーを外します。トルクリンクとの間に
ゴムのブッシュがあるのでこれを忘れないようにします。
チェーンアジャスタを充分に緩めて、シャフトをプラハンマーで叩きだします。
タイヤにかかる重量をまっすぐなにかで支えれば錆びてなければハンマーなしでも
抜けるかもしれません。
シャフトがホイールまで抜けるとサイドカラーというリングが抜けてここに
スペースができます。
本来なら、このスペース分ホイールを右に寄せればダンパーという
ホイールの中にあるゴムの塊とスプロケットが分離できて
チェーンに手をつけずに、ホイールだけを後ろに外せるはずでしたが
少しスペースが足りない感じで分離できず、ブレーキを抜くこともできません。
結局、チェーンカバーを外して、チェーンをスプロケットから外して、はじめて
後ろにホイールを移動してブレーキを外すスペースが生まれます。ブレーキが
外れるとホイールが完全にフリーになって隙間から後ろに抜けるようになります。
チェーンをそのままでもホイールが外れるのは、カブの特徴の一つでもあるので、
やりかたが悪いのだとも思いますので、次の機会にもう一度検証してみましょう。
ブレーキ側を上にして外すと、スプロケットが落ちてギヤの歯が破損するおそれが
あるので注意しなければいけません。これで前輪同様チューブ交換できるように
なりました。
今回の実習でわかったことは、タイヤレバーの形に改善の余地があること、
リアホイールの脱着はもう少しスマートな手順があるのではないかということです。
また、車載工具だけで、前後輪のホイールを外してチューブ交換できるけれど
リアホイール脱着にはプラハンマーと10mmのボックスレンチがあったほうが
いいことがわかりました。前輪で30分、後輪で一時間あれば大丈夫だと思いますが、
2回目からはもうすこしスマートな作業をめざして、また忘れた頃に訓練しましょう。
そなえよつねに!May Force be with you いやいや be prepared!
857 新カブJA44の車載工具決定
そういうわけで、休日のたびに各部の脱着をして考えた末
車載工具の収納スペースとして3箇所に分けて、いわば
業務を振り分けて収納することにしました。
1.左サイドカバー内
ここが一番簡単に取り出せる、独立した収納スペースです。
ここにはパンク修理セット(タイヤレバー、パッチ、接着剤、サンドペーパー)、
ドライバー、10/12mmスパナ、10/15Aヒューズ、プライヤーがあります。
たぶんここだけで、ほとんどの軽い不具合に対処できるでしょう。
2.荷台ボックス内
基本的にはメインの収納スペースですから、ヘルメット、手袋
雨天用バイクカバー、書類、ウエス、荷紐、サングラスなどが入ります。
直方体の荷台ボックスにヘルメットを逆向に入れると底の隅にできる
空間に、比較的長いものや、外気や日光にさらしたくないものを
収納します。チェーンの張り調整とチューブ交換時のアクスルナットと
作業に邪魔なマフラーをどかす為のスイングアームピボット用です。
エアコンプレッサー、照明用LED、非常用ガソリン500ml、
プラスチックハンマー、12/14mmスパナ、サージカルテープ、傷バンド
17/19mm、14/17mmメガネレンチ、交換用2.5/2.75インチチューブ。
10/12/14mmソケットレンチ、T型ハンドル、ハンドル用13mmレンチ、
あと、カバーネジを回す10円玉代わりの10/12板スパナを適当な隙間に。
3.レインウエアはこの箱の前面に着脱できるように加工した小型ボックスに
押込み気味に収納しました。3.11の大地震の時、二人乗りできることが
いかに重要なのか痛感したので、そういう事態の時には、この箱を
外して中身をクッションとして使えば、ぎりぎりもう一人乗れるスペースが
確保できる、それがこの着脱方式の意味なのです。
4.トップカバー内スペース
何度も脱着した結果、周辺を外さずにこのカバーだけを
外すことができるようになりました。そこでここに一番車載工具っぽい
もの、つまり、基本的にはしまいっぱなしでもかまわないものを収納します。
プラグレンチ、ニッパー、プライヤー、カッター、救急絆創膏(粘着テープ)
10/12 mm、14/17mmスパナ、9~22mmフリーレンチ、+-ドライバ
六角レンチは不要ですが、以前のミラーに使っていたのでそのまま。
しかし、これ、ほんとに使う場面があるんですかね。ま、一種の病気ですね。
856 カブの車載工具を考える
新カブの車載工具はドライバー一本で、しかもそれを取り出すためには
ドライバーが必要※という非常にシュールな存在なのですが、
※このドライバーはシート下のバッテリーカバーに収納してあります。
この場所の蓋はコインでネジを回してあけるのですが、実際には
前カバー、レッグシールドを外さないと蓋が割れるおそれがあります。
では、このカブには本来どのような車載工具が必要なのか、を考えるとき、
例えば5年間乗り続けたとき、少なくとも自宅あるいは修理施設まで
行けないで、その場でなんらかの対策をしなければならないのは
どういう場面なのかを考えたいと思います。
まず一番ありそうなのはガス欠です。このカブの燃費はだいたい60Km程度です。
昔は普通だった燃料コックR側が予備燃料に切り替え方式は
さすがのカブにも今はありません。燃料ドロしほうだいですからね。
タンクの最大容量は4.3リットルですが、燃料計がEになったときに満タンに
すると約3リットル入ります。つまり、メーター読みがEの時に、残り1.3リットル
ということは、まだ100Kmくらいは走るかもしれないのですから、キーを抜いたときの
Eより2mmくらい下が完全に空の表示とすると、この2mmが100Kmということで
今現在どれくらい走れるかの判断は実に難しいと思います。
常にもうちょっと行けそうな気がするのが曲者ですね。
これに対処するには予備タンクです。私の通勤距離は10Kmですから
200mlのガソリンがあれば必ず着くので、缶ジュース一本分のガソリンを
携行するだけの話ですが、ガソリンを入れる容器は密閉性だけでなく、
素材の耐性、割れないこと、静電気が起きない、気化の処理とか考えると
「ガソリン携行缶アルミボトル500ml」というのがよさそうです。
まあ「Eを過ぎたら早めに入れとけ」だけで、実際には要りませんね。
次にありそうなのがパンクです。カブ110は前が70/90 R17、後が80/90 R17の
チューブタイヤがついています。これに対応するチューブは幅2.5と2.75インチと
いうことになっていますが、両方に対応するチューブ一種類でOKです。
一番よく遭遇する、釘がささったパンクの修理手順はこういう感じです。
1.釘をペンチで抜く 2.タイヤレバーでリムから外してチューブを引っ張り出す
3.穴を特定し、周囲をサンドペーパーで荒らす 4.接着剤を塗って乾燥する
5.パッチを貼って叩いて密着させる 6.タイヤを復元して空気を入れる
これらの用具を左側のサイドカバー内に「パンク修理セット」として入れました。
空気入れ(小型コンプレッサー)は荷台のRVBOX内に収納、電源は
右サイドカバー内に設置したPCドライブ用電源コネクタから取ります。
しかし、仮にこの事態に遭遇するのが夜の場合だと、作業用の照明が要るし、
チューブの穴が確認できない場合には、水につけて気泡を確認する作業が
できる環境や、パンク部位を示すチョークなどもほしいところです。
まあこれもなくてもかまいませんね。
しかし、場所がわからない、あるいは穴が複数、あるいは穴でなく切傷の時
これはチューブを交換したほうが確実です。書いたとおり、2.5*17のチューブを
一本携行すれば作業自体は修理より早いかもしれません。
この場合はフロントフォーク、あるいはスイングアームからホイールを外す
という作業で、車軸(アクスル)ナットを緩めるためには14mmと19mmの
メガネレンチ、ブレーキ回りやチェーン回りを外すには10、12、14mmの
スパナが必要です。スプロケット回りを外すには肉薄の10、12mmの
ソケットレンチが必要です。ここまで来ると携帯工具ではちと無理でしょう。
ただし、事態を把握するためにも夜間の照明は欲しいので
パワーLED1Wを3個使って12V200mA程度のかなり明るい照明を
作り、これを空気入れ用の右サイドカバー内のコネクタから分岐して
取れるようにしました。バッテリーは3Ahなのでエンジンを回さない
場合でも計算上は15時間程度使えることになりますが、基本的には
30分以内程度だと思っておいたほうがいいでしょう。
ところで、自動車なら故障の上位に来るバッテリー上がりですが、これについては
心配する必要がありません。というのは「キックがあるから」、という
単純な話ではなく、このエンジンは燃料噴射方式で、当然電力で制御しますから、
バッテリーがなければ燃料噴射も点火もできません。しかし、そこはHONDA、
キックのわずかな電力でも動く噴射装置を装備しれているのです。
非常時の照明程度なら発発がわりになるかもしれませんね。
パンク以外の小さいトラブルは現状の工具でそこそこ対処可能で
ホイールを外すところまでは現場ではやらない、ただし、
頭がナメても19mmを回す必要があるときのためにダイソーの
200円フリーレンチも携帯工具に一応入れてはおきます。
さて、前車同様10年間使わずにすめばいいのですが。
855 スーパーカブ110 JA44登場 後編
さて、ギヤ比はなかなかいい感じになりましたが
今日は12V電源の取り出しです。今までのフォーサイトは
チューブレスタイヤでパンクの修理も簡単でしたが
カブは昔ながらのチューブタイヤなので、パンク修理は
自転車と同じくゴムのパッチを貼る方式です。
どちらにしても空気入れは必要なので、小型のコンプレッサーを
携帯しています。これを動かしたり5Vに降圧してUSB電源とするには
自動車ではシガーソケットから12Vを取るのが普通です。
バッテリーから直に取り出すのが一番素直ですが、バイクは
けっこう内部に浸水する可能性が高いので+の配線のどこかに
水分が接触すると、じわじわ漏電してバッテリーが上がる危険性が
あるので、キーオンしたときだけ12Vを供給する、このような
電源をACC(アクセサリー電源)と言います。
というわけで、バッテリー周りにアクセスするためには
あたりの外装を全部外す必要があります。昔のカブは
もっと簡単にばらせたのに今のは全部噛みあっているので
けっこうな大仕事です。特にコンビニフックというやつを
外すのに1時間以上苦戦しました。
ホンダらしいヘッドですが、昔はもうすこし立っていたような気がします。
バッテリーはシートの下にあります。
これがバッテリーカバーで一番左に+端子、一番右に-端子が露出しています。
白いのがヒューズボックスで、ここに2つヒューズが入っています。
そして赤いのが今回使うサービスチェックカプラで、ここにACC電源が出ています。
この赤いのは防水カバーで、中に4Pのコネクタがあって、+-以外は予備と
なっています。普通は全く使わないので、このコネクタからもっとアクセス
しやすい場所にもっとつなぎやすいコネクタで12Vを取り出すのが本日の目標です。
ところで、このカブの車載工具ですが、矢印のスペースにドライバが一本、黒いゴムで
止めてあるだけなのですが、逆にこのドライバ一本で何をしろというのでしょうか。
そこで、このわずかな隙間に無理やり車載工具を入れ込んだのがこれです。
ちなみにシート下の両サイドに物入れがありますが、昔ほどのスペースがなく
左側は説明書の小冊子入れという位置づけですが、このスペースに
ドライバーとパンク修理セット、ヒューズを無理やり入れました。
右側のこのスペースは本来バッテリー用の空間でしたが、エンジンが
キャブレター方式から燃料噴射方式になって、この空間にECUとリレーを
配置したためにバッテリーは前方の蓋を外して着脱するようになりました。
そのせいで、この右側のサイドカバーの中はなんとも中途半端な
スペースですが、むろんバッテリー空間と貫通していますので、
この右側のサイドカバーを外せば12Vが取り出せるようにしました。
そのために使うコネクタと延長コードがこれです。
「どこかでみたような」と思う人はかなりなPCマニアです。黄色が12Vで赤が5Vといえば
パソコンのドライブの電源コネクタですね。まあ昨今はSATAの黒いコネクタですが
30年くらい前にはFDDもHDDもCDDも全部この電源コネクタを使っていました。
この黒いテープは自己融着ゴムで固めてその上をビニルテープで巻いてあります。
アンテナ工事にはこういう防水処理をするのが普通ですが、バイクも同じく、どこからも
水が入り込む可能性がありますから裸の銅線には防水が必要です。
右側のサイドカバーを外した、その中途半端なスペースに
コネクタを出してきました。インシュロックタイで留めて
コネクタにナイロン袋をかぶせてあります。
コンプレッサの試運転は来週。いやー疲れました。
(追記)東京でも雪の春分の日、せっかくなのでフォーサイトに10年間
積みっぱなしになっていたダイソーの800円コンプレッサーにこの12Vを
つないでみたら、ホースが朽ちてブツブツにちぎれていました。
急遽、このコンプレッサーのホースをウレタンホースに交換しました。
圧力計が信用できないのですが、2.5Kgf/cmくらいは入るので、緊急修理用の
空気入れとしては問題なく使えるものと思います。
854 スーパーカブ110 JA44登場 前篇
昨年の10月末、通勤中に前車の急左折で接触転倒し
左上腕骨近端骨折しました。これは今でも完全には回復
していませんが、とりあえず日常にはそれほど支障はなくなり
仕事もあまり意識せずにできています。
ちょうど10年乗ったフォーサイトは外装は大破でしたが
自走も可能な感じでした。しかし、さすがに自分では無理なので
なじみのTモータースに移動してもらったら、フォークが微妙に
歪んでいるし、6万Km走っているので全損がいいとの意見で
廃車になりました。
で、次ですが、あと十年乗ると、認知機能検査が必要な年齢で
バイクはいかがなものかというのもあり、元々世界に誇る
日本の名車と思っているホンダスーパーカブに50年ぶりに
乗ることにしました。タイミングよく通算一億台達成と
日本製造に回帰した新モデルとのことで3か月待ちの納車が
やっと2月の終わりに届きました。
箱はおなじみのアイリスオーヤマRVBOX460カギ付、
フロントシールドは旭風防のCUB-09にしました。
これで2週間通勤し、250Km走行したのでオイル交換を
しました。ドレンボルトが真下にあるので老人には
疲れる作業です。けっこうどろどろで、新採用のオイル
フィルターも交換したほうがいいのかもしれません。
2週間乗ってみてフロントシールドの上端がちょうど目の高さで
非常に邪魔なので、こいつを6cm幅で切りました。
仕事道具で簡単にできます。断端の処理もモールを再利用して
アセトン流し込みで美しく決まりました。右上が納車時の写真ですが
それほど違和感なくまとまっていると思います。
実用車のカブですから低速トルク重視の味付けなのは当然ですが
毎日10Kmの距離を通勤する時、それほどストップする場面はなく
マニュアル車で言うとほとんどの場所で4速走行という感じです。
50年前のカブは3速でチェンジペダルの後ろが1速、前が2と3速
という簡単なものでしたが、現在のカブは4速で、さすがに自動車と
ある程度調和して走れるようになっていますが、50Km/h~60Km/hで
走行すると(昔の125=中速車は50Km/h制限でしたが、今は60Km/h)
かなり回転数が上がって、自動車の3速で走行しているくらいの感じです。
そこで、スプロケット(自転車で言うとギヤ)を交換することにしました。
構造も完全に「原動機付自転車」なので、作業もほぼ同じです。
車軸(アクスルボルト/ナット)をゆるめる、チェーン調整を目いっぱい緩める。
ブレーキアジャスタを緩める。チェンカバーを外す。スプロケットカバーを
外すと、こういう姿になります。まさに自転車ですね。
で、問題のスプロケットがこれです。これが元々ついているやつで
よく見ると「14T」と書いてあります。これは歯が14個という意味で自転車なら
「14枚ギヤ」というところですね。これをキタコの15Tに替えると、
自転車の場合で前ギヤを43枚から46枚に替えた時のように発進や坂道は
多少きつくなりますが、平地を巡航速度で流すには回転が少なくて楽になるのです。
これが交換した後の写真。直径が少し大きくなったのがわかります。
これで仕事場まで往復してみたら、まだ若干回転が上がりすぎな気もしますが
非力なエンジンなので、これ以上大きくするのは使い勝手が悪いかもしれません。
ツーリングをする人は16Tでちょうどいいという書き込みもあるようですが
まあ巡航がかなりおとなしい回転になってまずまずでした。
853 わしの英世をかえせー!
364円とはいえ、「金を返せー!」というなら、そりゃつかませたセラーに
言うべきものです。ところが前回のニセモノチップは、全く動かないことを
実証するのに基板にCクランプで押し付けたり、回路に半田付けしたりして
繊細な商品だけに、5個とも足がちぎれたり、熱で変色して、ぼろぼろになったのです。
この状態で「金返せー!」と言っても「じゃあ商品を返せ」と言われると
「ぐぬぬ・・・」となりますから泣き寝入りしかできません。
今回はSOP用のテストソケットがありますから、開封して10分後には
5個全部動かないことをほぼ無傷の状態で確認できました。
そんなら言うぞ「わしの英世を返せー!、まあ374円(この日のレート)だけど。」
ところで、ヤフオクやebayのような場所では当然ながら詐欺とかニセモノ
コピー商品の売買は禁止されています。これを防止する仕掛が評価で
ebayの場合はFeedbackといい、取引終了後に互いにこれを残すルールです。
これを元にバイヤー、セラーとも制限をかけられることになるので
元々パチモノを扱う中国のセラーにとって「ニセモノを売っている」という
negative評価が残ることは致命傷なのです。
それで、取引が確定すると、例えば今回の場合、商品が届く前に
こういうメールがほとんどの場合届きます。
中ほどと最後のあたりに、届くのが遅い場合や、届いた商品に満足しない場合
negative評価をつける前にまず連絡してくれと、しつこいほど書いてあります。
ebayには「ニセモノをつかまされました」とかの文は用意されてないので、普通は
「この商品について質問があります」というメールを出すことになります。
そこで私から質問メールを出します。たどたどしい英文なので原文でなく内容だけ書くと
「今日商品を受け取って、AVRライターとアトメル純正のSTK500でテスト
してみた結果、全部ニセモノだとわかりました。どうしましょう」
これに対してはすぐに返事が来ます。
これに対しての返事は
「迅速な返信ありがとう。もしあなたが本物と確認するチップを持っていたら
送ってください。確認できないなら返金してください」
これにもすぐに返事が来ます。
そして、同時にPaypalに返金され、翌日JNBにも返金されました。
とりあえず英世は返してもらったわけですが、
このメールに書いてあるような
「再度商品を送ったときにはまた払ってください」
という日がやってくるのでしょうかね。
履歴を見ると7年間で15万件以上の取引をしている(一日100件!)セラーが、
百円以下のチップの本物検証をするとは考えにくいのです。
手許に残ったこのニセモノチップどうしましょうか。
「望むなら送り返す」と書いたのですが、むこうからの
メールには特に望んでなかったし(そりゃそうだ)
これ香港に送るには120円かかるんだよなー。
852 再度偽物をつかまされる
「ぜひトライしてみてください」で終わっては、やはりいまいちすっきりしません。
というわけで、同じ価格(5個で400円程度)で売っている同じもの(ATtiny2313A-SU)を、
今度は香港のセラーで、商品写真が違い、また読みとれるロット番号も、
つかまされたやつと大きく違うものを選んで注文しました。
3週間後に来たものがこれです。
パッケージは中国郵政の封筒で、日本で言えば小型包装物(small packet)に
最初から税関告知書(CN22)が印刷済みでクッション入りシール封筒です。
非常に使いやすそうなので、私がebayで買うようなパーツ類で、郵便受けに
届くタイプのものは、最近はほとんどこの包装で届きます。
封筒が全く同じなのはそういうわけなのですが、驚くのは内容物、
つまり問題のSOIC版ATtiny2313Aの包装が、つかまされた前回と
全く同じなのです。写真にはピンクのクッション材に4個のチップが並んでいる
のが見えますが、裏側にもう一個、これをサージカルテープでぐるっとひと巻き
してありますが、これがどうみても全く同じなのです。クッション材の大きさと
並べ方、テープの材質とその巻き方まで全く同じとなると、これの解釈は
つまり、この状態でセラーが仕入れている、ということで、前回の封筒は
破棄したので、詳しい発送元所在は不明ですが、少なくとも香港では
なかったので、この全く同じ包装から推測できるのは、卸元が大量に商品を
仕入れて、これを5個や10個単位のパッケージにしたものを大量に作り、
これを大学生とかの個人セラーに小口で卸しているということです。
科学技術関係は広東省あたりに多いので、あのあたりで、ニセモノチップを
作る工場と大量に安価でさばくディーラーがいるのでしょう。
ebayのリストを見ると、価格、写真、商品の説明まで全部同じで
セラーだけが違うのですが、たぶんここらへんのアップロード材料も同時に
供給されるのでしょう。
ただし、DIP版のtiny2313Aもこのパッケージとあきらかに同一の
包装法だったのに、こちらは本物だったのです。これを解釈すると
「つかまされた」のは私とセラーだけでなく、卸元もだということなのです。
左が本物、右がニセモノです。印刷が薄く、ほとんど読めません。ただし、
動くDIP版もこの印刷なのです。すると、ニセモノでも動くやつもある?
商売柄、X線撮影してみました。一見同じようにシリコンチップがありそうです。
モールド材の透過度がニセモノの方が低いのは不純物が多いのかな?
中心に見えるチップから放射状に出ている細い白線に注目してください。
こちらが本物でシリコンチップとリードフレームをつなぐワイヤーが見えます。
こちらはワイヤーが見えません。つまり足はどこにもつながっていません。
「IC」というのは言うまでもなく、中心のチップのことであって、それと
足とは金やアルミの細いボンディングワイヤーでつながっているからこそ
このIC「パッケージ」が基板上で動作するのです。
つまりニセモノは最終工程の「パッケージ」だけだということです。
とりあえず、この価格で売っているこの商品に限っては、どこで買おうと
すべて元は同じ、すなわちニセモノである、という結論になります。
851 SOPとSOIC
この際なので、同志の方にebayで入手できるSOP用のテストソケットも
お目にかけます。実はSOPとSOICは足のピッチは1.27mmと同じですが
ICの幅が違いますから、秋月やaitendoなどで変換基板やソケットを
入手してもほとんどまともには使えません。正確に言うならJEDEC規格に
よっているものをSOICというが、SOPという呼び方は、単に足のピッチが
1.27mmのもので、こちらのJEITA規格では幅と長さについては
かなり自由なので、色々な大きさがあるということです。
20PのSOP→DIP変換ソケットはaitendoでは2500円ですがebayでは300円ほどです。
むろんこれを入手してもSOICのtiny2313にもtiny24にも全く使えません。
そこで、これを縦方向に半分に切って、aitendoの一番小さいブレッドボードに
5列分離して挿せば2313はそのまま、24は干渉する角を多少削れば
ブレッドボードの遊びで角度(幅)を変えてSOICのAVRがどれでも使えます。
SOICのAVRは20Pまでなので、一個作っておけば
SOP版の書き込みには全く困らなくなるでしょう。
850 偽物をつかまされる(3)
せっかくパーツまで載せたSOP版HIDaspxを作ったのに、ATtiny2313A-SUを載せないで
終わるのも業腹なものがあります。しかし「別ルート」から仕入れると一個220円
もう一つのルートだと280円です。そんなことをするくらいなら150円のDIP版で作るか
あるいはATmega88ならポートは揃っているので、そのままで使えそうな気がします。
ま、とにかくebay版が偽物であることが実証されないと寝つきが悪いというものです。
そういうわけで本日から営業の千石電商でSOIC版ATtiny2313A-SUを仕入れてきました。
同じように変換基板にCクランプで圧接してHIDaspxに繋いでみると・・・
そりゃそうだわ。だってそりゃそうだもん。はい!ebay版AVR偽物決定!
ついでに、HIDaspxのファームウエアと外部クロックのヒューズビットを書き込み
これでSOP版HIDaspxが完成です。むろん完全動作します。
しかし、これ誰に存在意義があるのかな?元々一番安価で出回っている
tiny2313で簡単にできることが特徴だったのに、千石ではもう数個しか残ってなくて
再入荷はなさそうな雰囲気でした。秋月ならmega88が150円でピン数が28とはいえ、
基板の変更もそう手間でもないし、12MHzのオーバークロックで動くなら
70円のSOIC版2313を買う必要もたいしてないのです。
まあ、ebayであれほど多量に出回っているものが全部が全部偽物と決まったわけでも
ないので、チャレンジ精神に富んだ方々は、ぜひトライしてみてください。
もし偽物をつかまされても私は一切の責任はとりません。
トライされる同志の方に、SOIC→DIPの変換基板を2313の20P用と14P用のトナー転写
パターンを提供します。14Pはaitendoにある120円のSOIC版tiny24A用に作りました。
また、SOIC版HIDaspxのパターンもありますので、参考にしてみてください。
3つとも600dpiで印刷すると原寸大になります。HIDaspxのパターンは鏡像に
なっていますのでこのまま転写用紙にトナー印刷して基板に熱転写してください。
(この基板製作については806番の書き込みを参考にしてください)
(追記)ほぼ同時期にDIP版のATtiny2313A 5個も注文していたのですが、
これが約1週間遅れで届きました。封筒や包装が偽物のと酷似しているので同じ業者かも。
こちらはすべて問題なく動きました。たぶん出品者自身も偽物チェックが
できていないのだと思います。偽物をつかませた業者の評価も最近一年で
Negative/Positiveが51/9842で、ネガティブのほとんどは遅いことに対してで、
動作しないという評価は10件ほどでした。ということは0.1%か。
まあ宝くじよりはずっと高い偽物遭遇率ですな。
849 偽物をつかまされる(2)
それから3週間ほどして品物が届きました。型番はATtiny2313A-SUで
クッション材にテープで5個貼り付けてあるだけで、見た目は全く問題
ありません。
これが便利なAVRライターHIDaspxで右側が従来のDIP版ATtiny2313で
左側のがSOIC版ATtiny2313A用のパターンとそれ以外のチップ部品をつけたものです。
上にあるのが今回届いたATtiny2313A-SUで、これをはんだづけすれば完成です。
むろん、ファームウエアを書き込まなければ動作しませんから、これもまた
HIDaspxで書き込めるように幅広のDIP変換基板を作成し、これにCクランプで
押しつけてISPの6本をHIDaspxと接続してUSBに挿し、hidspx-GUI.exeを実行すると
ん?なんでかなー?このときたまたまUSBの調子が悪かったので、ドライバーを
当てなおしたり、他のPCを使ってみたり、あるいはAtmel純正のSTK500で
試したり、あるいはaitendoで他のSOIC版AVRを試したり、12月20頃から
色々試行錯誤していました。今回、正月で長い時間が取れるので、色々な
基板を作ったり、AVRから直接ISP用の6本をハンダ付けしたり・・・。
そうして本日に至って、一つの結論に達しました。
こいつは全くただのゲジゲジの死体です。どこにも導通してないし
外部から電圧やらクロックやら与えてもなんの反応もありません。
たぶん内部にはなんにもないでしょう。すなわち
「偽物をつかまされたっ!!」
わしの英世を返せーーーっ!!まあ364円だけど。
このSOIC版のHIDaspxはどうしよう。別ルートから一個300円くらいで
AVRを仕入れるか、あるいはebayでもう一度違うやつから買ってみるか
うーむ傷を深める結果になりそうな・・・
848 偽物をつかまされる(1)
ニュースでも書いたように、私はここ数年、「ジャンク購入熱」的な衝動を
ほぼebayで解消しています。ジャンクPC購入時の私の基準といえば
「諭吉一枚」つまり1万円以内が原則ですが、ebayにおける私の原則は
あえて名づければ「英世一枚」つまり、送料が無料で支払額千円以内と
だいたい決めています。
最近またAVRをいじる機会があって、いろいろ見たら、日本においては、
このマイクロコントローラーという分野ではPICが人気で、AVRはいまひとつ
人気がなく、解説する書籍も少ないのですが、それがさらに斜陽になって、
最近ではライバルのPICのマイクロチップ社に買収されたとか。
一応AVRはそのまま存続とアナウンスしていますが、100円で買えて便利な
ATtiny2313が180円に値上がりして、品切れの場合もあるようです
そこで、ebayではどうか調べてみたら、DIP版はやはりそこそこ、といっても
150円くらいですが、SOP版なら5本で360円くらい、つまり70円ほどで
入手可能なことがわかりました。これは足のピッチが標準の2.54mmでなく
半分の1.27mmで、正確にはSOIC規格なのでチップ本体の幅が少し広いのです。
それなら、と便利なAVRライター、HIDaspxをこのSOICチップを載せるように
書き直して、ついでにほとんどのパーツをチップで置き換えることにしました。
この部品配置図の上が従来のDIP版、下がSOIC版です。
抵抗とコンデンサとLEDをチップ部品のパターンに変えました。
847 恒例、私のニュース
10個捻出しなくていいので、昨年からぐっと楽になりました。
さて本年は、今までも起きた順に書いていますので、早い順で言うと
○ベランダ/屋根の鳥害に梟
ここ数年、特に急がないものはほとんどebayで買っています。
これも梟のデコイを2個、風見鶏ふうに改造してほぼ解決しました。
○息子の結婚式
東京マラソンの日、神社も会場も見事にコースと重なりましたが
大過なく終わり、折り返し地点の神社・・・いや2月でよかった!
○区から表彰される
老人になったというお墨付きと銀杯をいただきました。ダサイ!
○上腕骨近端骨折
老人の5大好発骨折らしいですが、さすがにそういうやつでなく
10年に一回の例のやつです。バイクも全損で、今度は日本製造に
戻ってきたカブにしますが、大人気で納車は来年の2月です。
○2か月徒歩/電車通勤
そういうわけで、毎日3.6Km歩くことを2か月も続けるとは
思ってもみませんでした。考えてみれば人生で初めての経験です。
現在は肩関節機能はほぼ8割以上戻り、また代車のバイク通勤です。
○体調はまずまず安定
私の持病は「総胆管空腸吻合後の繰り返す胆道炎」というものですが
だんだん薬の使い方が固まってきて、今年は久々に正常値が出ました。
ま、こんなとこかな。来年もよろしくお願いします。
846 シャウカステンのLED化
何度も出てくる「代理店」にお願いして15年くらい前に無理やりつけた
シャウカステンが、フジカラーライトウエッジ1型というもので
けっして使いいいとは言えないもので、フィルムクリップなども作って
使っていましたが、やはり暗いので、最近は予備台に回して、ほとんど
使っていませんでした。
最近なら、もうこういう旧世代のブツではなくデジタル画像をディスプレイで
見ればいい、そんなことはわかっていますが、今からそれに切り替える
根性と費用を捻出する宛がありません。
というわけで、連休の工作にこれをLED化することにしました。
下が取り外した蛍光灯部。8Wのこれ一本ですから、そりゃ暗いわけだ。
使ったのはaitendoのLED 点灯きっとで、在庫切れとなっていますが
店頭(キット販売の1Fの方)にはまだありました。
電源はDC12Vで8W程度とのことですから、1A程度の小型スイッチング回路で
AC100V→DC12Vを内蔵します。バックライト用LEDはばら売りのものを上下に
配置する予定でしたが、けっこうな発熱があるので、CPUを放熱器に貼り付ける
シートを細く切って、ステンレスの反射板に直接貼り付けています。
このキットの場合、2本のバックライトを任意で選べるので300mmと
252mmにしてみました。このキットがない場合も単品で一本295円で
点灯用のインバーターは本店3FのLEDコーナーに395円で各種置いてあります。
モノを探すのが難しい店ですし、小姐に尋ねても、知らない時には
平気で「ない」と言うので信用してはいけません。根性を出して
ありそうな場所の袋ラベルの小さい文字を読んでいきましょう。
LEDは光軸が狭い(拡散しない)という問題があって、全面を光らせるのが
けっこうむずかしいので、ケース下部の蓋の裏側にアルミテープと厚紙で
やや内側に湾曲した反射板を作って、微調整しました。
明るい下半分を使うために、パントモサイズの場所にフィルム押さえを
作りました。フィルムベースの青とLEDの青味がかった白色で、以前より
かなりクリアーに見えます。光量ムラも許容範囲だと思います。
こりゃ8年前の過去LOG550番のヤツですね。
845 UBUNTUとLOOX M/E10
UBUNTUというのは正確ではないかもしれません。
というのは、最後に試した13.10以降、本家UBUNTUは全く使っていない
のです。なにが一番自分の気に入らないのかと考えて、色々な派生
ディストリビューションを試してみて、結局、あのUNITYデスクトップが
問題なんだという結論になったものの、UBUNTUそのものは、
私のような素人にも入りやすくて歓迎なので、問題のUNITYを、
もっと軽くてWindowsに似ているものに着替えたものだけを求めて、
結局MINT、ZORIN、LUBUNTU、CHALETになりました。
今回、MINT18.01とZORIN12 CORE、LUBUNTU16.04、Chalet OS16.04を
それぞれ、USBメモリ/HDDにインストール、日本語化、必要アプリ
インストール、カスタマイズ、環境移行まで行って、最終的には
MINTとChaletが残りました。ただ、この2つを比べると
やはりユーザーが多いMINTが圧倒的に使いやすいと思います。
ただし、時代の流れとはいえ、今は事実上64ビット版だけになり、
要求されるスペックも、基本的には4GB以上のメモリーが
常識という感じになりました。つまり、古いPCを延命させるための
Linux/UBUNTU導入は、ぼちぼち終わるということです。
LOOX M/Eへのインストールも、日常的に使えるHDD/SSDへの
インストールにまでこぎつけたのはMINTだけでした。ただし、それすら
ブート時のgrub.cfgにacpi=offを記述する必要があるし、これを書くと
内蔵無線LANスイッチ(Fn+F5)が無効だし、USB子機も認識はするものの
スイッチが入らず、rfkill unblock allも効果なしです。
たぶんカーネルにパッチを当てる必要があると思います。
むろん私にそんな実力はありません。
それを考えるとWindows7は実にちゃんと動きます。結局のところ
動作スピードも一番速いのです。まあそれを前提のハードウエアだから
あたりまえか。これを考えるとMacてーのはずるいよね。ま、ずるいという
話ではないかもしれませんが、ハードウエアがきめ打ちだもんね。
ちなみに、LOOX M/Eでは中途半端にしか動かないMINTを入れたHDDですが、
もう一台の、こちらは「たちがいいジャンク」Dell E4300では無線LANも完全動作します。
フーム、acpi=offでも内蔵無線LANは動作している?・・・んー・・
ま、買うんなら普通のジャンク買え、ゆーこっちゃね。
普通のジャンクってどんなんじゃ。
844 LOOX M/E 10
最近、「流行を先取りする?」息子が大切なデータ満載の1TBハードディスク2個を
拡張子onionに変わるランサムウエアにやられて全部暗号化されてしまいました。
話題のWannaCryが流行する1週間くらい前で、onionってなんだろうと思いましたが
これは身代金の連絡に使うTorからの連想のようで、パターンからCry9との
分類はされましたが、増えているファイルサイズが38バイトという亜種らしく、
むろん金も払っていないし、解決もできてないはずです。
こういう時には、感染したPCや同じOSからは感染したディスクをいじれません。
被害が全体に拡大したり、他のPCに広まってしまう可能性が高いからです。
それで、こういうときにメモリースティック一本で事態の把握ができる
UBUNTU周辺のLINUX Liveスティックを、Kumasanが亡くなられて中断していましたが
久しぶりに作り直す気持ちになりました。2017年現在の私見ではwindowsユーザーが
あまり抵抗なく使えて、そこそこ軽いのはZorin、Chalet OS、Mintかなと
思いました。BeanとLubuntuもいいのですが、入りにくいところもある気がします。
こういう作業をしていると、どんどん話がずれてくるのがジャンクマニアというもので
「どのPCでも挿せば一発で」はできるのだろうか、と思って、できるだけ
「たちの悪そうな」なおかつ「買って得をした」という、どう見ても矛盾した要求の
ジャンクのノートPCを探しに行きました。ジャンク道とはいうものの、むろん
貧乏人の遊びですから、私なりの基準は「諭吉一枚」です。これ以内なら
まあ結局どぶに捨てることになったとしても、夜も眠れないくらい屈辱と悔恨に
というほど・・・もあるかなー?ま、気持ちの整理はできます。
今は数が激減というより残っている数軒では比較的弾数が多いインバースの
突き当りの棚にずらっと並んでいるOSなしジャンク扱いのノートから
過去LOGの「539 ジャンクノートに悪戦苦闘 7K1PGA 2009/06/07」の
東芝Dynabook ss1620に代わる、旅行用サブノートという感じのものを
探して、「たちが悪そうな」AtomN280CPUでドライブ関係一切なしという
富士通LOOX M/E 10というのを選んでみました。8年前と同じ季節ですね。
「リカバリー領域NG」「プロダクトキー読取不可」「HDD全消去済」
ね、たちが悪そうでしょう?しかし、LINUXがインストールできるのなら
それほど悪い買い物とも言えないかもしれません。それ以前に、はたして
この機械、USBメモリーから起動できるのか?ということで、インバースは
通電コーナーがありますから、通電と起動OKをとりあえず確かめて、BIOSの
ブートオプションにUSBメモリがあることだけは確認して仕入れてきました。
結論的には、この機械でUBUNTUはまともに動くとは言えません。
基本的には「IRQ#9 Disable」をACPI=OFFのようなブートスイッチで
回避すれば、起動にはこぎつけますが、ATOMというCPUが決定的に
相性が悪いと思いますし、HDDにインストールはかなり困難です。
LiveメディアであればZORIN6とBeanはかなりいいところまで動きますし
MintはUSBメモリにインストールしたものも、Grub.cfgにacpi=offを
加えればほぼ普通に動きますから、インストール済みのHDDならいけるかもしれません。
HDDにインストールできなければ「軽い」という利点が生かせません。
そういうわけで、USBメモリー起動のWindows7をインストールしました。
こちらは逆にかなり重いソフトもそれほどストレスなく走り、
120GBSSDとDDR2 2GBメモリーの追加、ついでに極微細コンパウンドの
鏡面磨きで、少なくとも「新品同様」と見えなくもないところまで来ました。
無線LANとBluetoothも好調で、電池も2時間以上持ちます。
まあ「合計諭吉一枚」で「いい買い物」で「たちが悪い」一件ではありました。
ちなみに、USBメモリー起動のWindows7ですが、USBメモリーを
DISKPARTで「Clean」してFAT32の領域を作り、「select patition *」
「active」などで、アクティブに設定し、インストールディスクがE:、
USBメモリがF:と認識されているとき、Windows7のDOSプロンプトから
「E:\boot>bootsect /nt60 F:」で、DVDドライブが起動する部分が、
USBメモリに再現できます。そのうえで、インストールディスクの内容を
すべてUSBメモリにコピーし、BIOSからUSBメモリー起動を選べば
これだけで、高速にインストールできます。
842 IXY 200F 尿液晶(?)修理
昨今はスマホの内蔵カメラによって、市場がすっかりなくなってしまった
コンパクトデジカメですが、スマホを全く使わないし、たぶんこれからも
必要となる生活はないだろうと思うので、もう7年前の機種を中古で買った
このIXY 200Fはこれからも手放せません。
とは言え、日常でそうそうカメラを使う機会がないのも事実で、年間で
数十枚程度ですから、まあそういう意味では銀塩時代とそれほどかわりません。
先日、またちょっと撮る機会に「どうも画面が黄色いな」という気がして
このカメラは使うシーンで太陽光、電球、蛍光灯とかの色温度を補正する
モードで使えますが、実際に撮った画像には異常がなく、液晶ディスプレイ
だけが黄ばんでいるようで、ネットで同様の症状を検索すると「尿液晶」
などと言う言葉もあるようで、下品ながら言い得ていると思いました。
3年前にこの次の機種210Fを分解したおしたので、まだ勘はいくらか残っています。
ではとりあえず、この機種の外国名PowerShot SD1300 ISまたはIXUS 105の
液晶をebayで探し、一番安そうなのを注文しました
ID:182312256265 LCD-Screen-Display-Replacement-For-Canon-IXUS105-SD1300-PC1469
5月4日のレートで1,109円、10日後に配達されたことになります。
袋に「佳能 IXUS 105」と書いてますね。これがキャノンというわけですか。
基本的には210Fと同じようなものですが、こっちのほうがきもちしっかりした
造りになっている気もします。毎年改善して軽量化とか不要な仕掛けを
削っていくのでしょうか。液晶のフレキ(FPC)が前面の基板に回るのも
似ていますが、基板のコネクタは210Fの方が無理のない位置になっていますね。
この200Fでは液晶の裏に隠れるように折っています。
この程度まで分解するのに外すネジは5本だけで、それもガワを留めて
あるだけで、主要部分はすべてはめこみで組立られます。こういう設計は
日本製品の独壇場のような気がしますね。元通り組んでスイッチを入れてみると
おお!見事に新品の発色復活です。
所用時間15分、費用1109円でした。ま、なんでも芸は身につけておくもんですね。
841 丸に橘の角字(3)
更に福山出身の友人にとっても「へー!」な話を一つ、室町幕府は名前のとおり京都にあったわけですが、前述のように最後は今の福山市の鞆町にあったので「鞆幕府」という歴史家もいるという話、百回は遊びに行った鞆の浦ですが、あれが幕府の場所とは全く思いませんでした。15代将軍足利義昭は鞆に幕府を移して、室町幕府は終わったのです。信長はこの9年後に本能寺の変で斃れ、秀吉はその16年後に病死しますが二人とも公家としての官位で、武家としての次の征夷大将軍は徳川家なのです。すなわち、鎌倉幕府、室町幕府、(鞆幕府)、江戸幕府となるのです。尼子の再興をひたすら信じて戦ってきた山中鹿介は今の兵庫県佐用町の上月城にて毛利方に捕えられ、鞆に移送される途中、倉敷の25Kmほど北方の高梁川阿井の渡しにて刺客によって殺されました。その後首実検のため、首だけが将軍足利義昭のいる鞆に送られました。(福山市HP 「鞆の浦 手づくりイラストマップ」一部分)
ところで、滅亡した尼子の家紋は、「平四つ目結」宇多源氏/佐々木氏の紋である
「目結」(絞り染めの意味)で、これにも色々なバリエーションがあります。
話は全くあさっての方角に変わるのですが、素人歴史家の大好物に
「貴種流離譚」があります。代表的なやつは例の源義経が蝦夷の地に落ち延び
やがて大陸に渡ってジンギスカンになった、というやつです。
で、私の家をさして、こういう素人歴史家が「**家はありゃ尼子だよね」と
言ったとか言わないとか。断っておきますが、結局ヤサぐれたとは言え、元は
後継ぎのはずの私は、父からもじいさんからも一回もそういう話を聞いた
こともなければ「これが先祖の家系図で」的なものを見たこともありません。
しかし、私がごく幼かった頃から父はこの「山中鹿之助」(こう呼んだ)の
「七難八苦を与えたまえ」の話を何度となく私に語ったのを思い出します。
それで、50歳も過ぎてから、この尼子の末裔というヨタ話を聞いてから
なぜ私の家紋は非常に珍しい「字の橘」なのか、と考えてみれば
おお!山中鹿介の橘が尼子の目結を守っているではないですか!
うーむ、こりゃなかなかよくできた話だなー。
840 丸に橘の角字(2)
ところで、備後福山で橘の家紋ということになると、連想されるのは
「天よ我に七難八苦を与えたまえ」と三日月に祈ったという
山中鹿之介です。この山中幸盛(幼名鹿介)は三日月で有名ですが
家紋は橘であったと知られています。
私のように歴史に全く興味のない人のために、ちょっと概説を。
山口広島島根あたりは「毛利」の勢力範囲、と思うのがまあ普通ですが
むろん神代にはヤマトと出雲や伊勢の神の争いとか、平安末期には
瀬戸内海一帯の平家を東国の源氏が滅亡させたり、常にあのあたりは
新興勢力と滅んでいくもののドラマの舞台だったのです。
戦国時代になってきて大きくなってきたのが「尼子」、そしてこれを
完全に滅ぼしたのが毛利で、尼子の本拠地は出雲の月山冨田城、
尼子は勢力範囲を現在の鳥取や広島方面に拡大して行きます。
この勢力の拡大に衝突した大内と争いや和睦を繰り返しながら尼子は山口方面にまで拡大していきますが、大内側の内紛を制した安芸吉田の毛利が勢力を急速に拡大させ、尼子の仇敵となります。毛利は中国地方のほぼ全域を制し、形骸化した幕府を福山の鞆に保護して、将軍は毛利を守護に任じて、正当性を得た毛利は徹底的に尼子を滅亡させるのです。この徹底的な殲滅戦の中で、なんとかして滅び行く尼子の名を
もう一度、やられてもやられても、尼子を再興するために戦う、
この、滅びながらも前に前に、という日本の美学の原型ともいう人物
それが尼子一族の山中鹿介というわけなのです。
安来市観光協会 尼子氏・山中鹿介・月山富田城・毛利氏
尼子が滅ぶ頃の毛利は今の中国地方全体をほぼ制覇し、前述のように
弱体化した室町幕府の将軍が織田信長によって京から追放されるのですが、
毛利はこの最後の将軍足利義昭をこの福山の鞆(とも)で保護することになるのです。
やがて秀吉の時代、そして天下を分ける関が原の後の徳川幕府の時代に
西軍総大将の毛利は徹底的に力をそがれ、今の山口県に押し込められます。
このうらみが、やがて江戸時代を終焉させる長州の倒幕運動の原動力に
なるのですが、それは260年後のこと。
関が原の後、現在の広島県あたりは福島正則の所領となりましたが、
豊臣を代表するような大名ですから、徳川に謀反するとして改易を命ぜられ、
家康の母方の従弟である水野勝成が、この古くから要衝の地でもある
備後福山に壮麗な城を築いて現在の福山を作り上げて行くことになるのです。
839 丸に橘の角字(1)
私の生まれは広島県福山市で、名前こそ将軍のようですが、私は徳川家には
縁もゆかりもありません。強いて言えば福山市の礎を築いた水野勝成は徳川家の忠臣で、
そもそも父親の水野忠重が家康の叔父ということは家康の従弟にあたります。
二代将軍の秀忠から福島正則の改易に伴って、勝成が若い頃に放浪していた
あたりの備後福山十万石を与えられたものですが、勝成の息子で二代目の
勝俊ができたのも流浪中の「できちゃった婚」のような感じで、
この水野勝成、若い頃はかなりむちゃくちゃな暴れ者だったらしく、乱暴や武勲の
エピソードは満載です。誰か大河ドラマにしてくれないかな、と思うほどです。
ちなみに、勝俊というのは私の叔父の名前で、もう一人の叔父が博則、となると
なにやらこのあたりから名前をとっているのかな、とは思います。
ところで、題名の橘の角字とは家紋のことです。最近息子の結婚式があった
こともあって、久しぶりにこの珍しい家紋のことを意識しました。源平藤橘と
いうくらいで、橘の家紋自体は非常にポピュラーで、一目みれば「ああこれか」
とすぐにわかります。
この紋も使わないわけではありませんが、主に女性が持つ道具類とかだけで
紋付や墓石などに使う正式の紋は絵ではなく「橘」という漢字を正方形に
図案化したものなのです。
これが丸に橘の角字という非常に珍しい紋で、私はいままで、
生家から600mほど北の法真寺という菩提寺で、たぶん源流は同じと思われる
数基の墓でしか見たことがありません。確信はないのですが
本家はすでに福山にはないと聞いたような気がします。
838 風見梟
どう読むのでしょうか、「かざみフクロウ」ですかね。
昨年から自宅付近の生態系が変わってきたのか、急に鳥害というやつが
増えてきました。洗濯物や布団を干す2階のベランダがフンだらけに
なって掃除してもすぐに落とされてしまいます。ホームセンタで売っている
棘を鳥が止まりそうな場所に貼ってもそこをよけるだけで糞害には
ほとんど変わりありません。
そこで、首だけが回る梟のデコイ的なプラスティック製のかかしを
とりつけてみたら、けっこう馬鹿にできない効果があることがわかりました。
とりあえず、こいつが見える範囲には鳥害の主な原因であるスズメやヒヨドリ
程度の小型の鳥は飛んでこなくなることがわかりました。カラスや鳩には
あまり効いている様子はありませんが。
観察していると、やはり小鳥は自分が見られているのが嫌なのです。
このフクロウを軸で回るようにして、いる側に向きを変えてやると
その方角にはなんとなくいなくなるのでもそれがわかります。
ということは、少しづつ動くのもそれなりに効くはずです。
設置したのが2階のベランダが見える範囲なので、こんどはこれが
直接には見えないけれど、すぐ上の屋根のひさしに大量に止まる
ようになって、そこから糞を落とすので、まだ鳥害は続いています。
それなら、こんどは屋根を見渡せる場所にもう一台というかもう一羽
というべきか設置してやれ、てなもんです。
おなじみのebayで700円程度で見た目よりはるかにチャチです。
Details about Realistic Fake Standing Owl Hunting Shoot Decoy Deterrent Repeller Garden Decor
これだけでは動かないので、一番安いキャスターのベアリング部分とエンビVP管
の組み合わせで回転軸を作ってみました。造形的に風の抵抗が一番少なそうな
尾が風上を向くはずで、これで風見鶏ならぬ風見梟にするわけです。
屋根にはタワー頂から7MHz用スローパーのエレメント端を屋根の塩ビ鋼板から
1.5m離すために屋根馬+エンビパイプが乗っているので、これの先端に1.6mmの針金で
しばりつけてみました。きれいに回るのはいいのですが、どうやら小鳥が集結している
あたりには決して顔を向けないのです。うーむ、もっと明示的に風上を向く風向計的な
風を受けるしかけを追加するべきですかね。強風には弱そうな構造なので台風を
乗り切れるか心配ですね。
836 謹賀新年
昨年はお世話になりました。
年明けあたりからの慢性的な奥歯の痛みが、ようやく解消されました。まだ違和感が残っていますが。
ところで、GKY OMからQSYしてきたFT-736Mですが、改造して楽しんでいます。
・SメーターバックライトのLED化
・メモリーバックアップコイン電池交換
・スイッチング電源の電解コンデンサー交換
電解コンデンサーが液漏れして、スイッチング電源が使えなくなることがあるそうです。
確かに1個、わずかながら液漏れの兆候がありました。
すでに四半世紀以上前のリグですが、まだ使えそうです。
ちなみに、私が所有していたFT-736MXはヤフオクで売却済みです。
では、今年もどうぞよろしくお願いします。
835 恒例、私の 10大 ニュース
過去LOGを見てみると、この十大ニュースというやつは1995年の暮が最初の
ようですから、2015年でちょうど20年ということになります。私も来年は65歳、
ほとんどの同級生が仕事をリタイアする年齢です。私は自営業なので
まだやめるつもりはありませんが、これという事件もなく1年がすぐに過ぎて
だんだん10個のニュースを数えるのも無理になってきました。
そういうわけで、2016年からは十大ニュースは廃止します。
それでも、思いつくものを適当に挙げてみると
○体調は低いところで安定
胆道は鬱滞気味ですが、感染症状はそこそこに抑制しつつ
常に若干高いγGTP値とつきあっています。
○ebayで買ったもの
ebayで千円以下の妙なものを買うのがすっかり癖になってしまいました。
今年もけっこう使えるものをたくさん仕入れました。
○カートリッジ自作を習得
買えば一個2万の定価がついているタービンハンドピースカートリッジを
ebayで仕入れた数百円のパーツで修理や自作をするようになりました。
○Windows10を導入
このOSは私には完全に不要なことがわかりました。そうはいいながらも
道だけはつけておかないと、というのだけが導入の理由です。
○息子の結婚
これで私が自分の世代でやるべきことは終了したと思います。
また来年もよろしくお願いします。
834 2.5インチSATA×2本差替え型ベイの製作
PCの世界で、長く重要な存在だったハードディスクが
ほぼその役目を終える時が見えてきました。
プチフリーズや突然死などの問題があったSSDも昨今は3年の保証がつくのが
当然という時代になりましたし、OSレベルでもSSDに対応するのが当然というか
SSDをデフォルトとして考えて設計する時代になってきました。
現在のHDDのアドバンテージと言えるのは、容量あたりの価格くらいに
なってきました。これも、2016年現在でHDDが1TBが5000円前後
に対してSSDは256GBで1万円前後ですから、すでにHDDの背中を
とらえているといえるかもしれません。
PCは基本的に「AT互換機」というアーキテクチャーなので、ベイのサイズは
今でも5インチと3.5インチは残っているのですが、2.5インチベイはノートPC
以外では標準ではありませんが、SSDが標準となると、これが最初から用意
されているほうがなにかと都合がいいのです。
また、個人的な理由として、OSが違うSSDを差し替えて使えたほうがなにかと便利
なので、ebayでSATAドライブの7Pと15Pコネクタが一体になっている延長ケーブルを
1本150円くらいで入手して、(Item Id: 361768226363)、その少し前に買った
OS、HDDなしでジャンク扱いというHP Compaq8100 Elite SF、これは7800円でしたが、
これにダイソーのアクリルパネルで作った2.5インチSATA×2本差替え型ベイを
3.5インチベイに収めてみました。
汚い工作で、人にはとても見せられませんが、簡単便利なので、提案として。
製作の勘所は、コネクタはドライブを着脱する力がかなり大きいので、底板と
天井板間に太いボルトと固まるパテ等を使ってしっかり一体化することです。
829 雑感
初めまして。
浜松市の湯川と申します。多分、先生と同年代かなと・・・。
数年前にマイクロモータの速度変換コントローラを探していて、このページに辿り着きました。
其の時は訪問歯科診療ユニットを自作していて、多いに参考にさせていただきました。
結局、先生の電圧変換速度可変ではなく、パルス発振させてデューティ比変更による速度変換にしました。
その時に買った、先生お勧めのRito Dentalのマイクロモーターには安くて感激しました。
その後は、またまた先生お勧めのe-bayを真似して色々と購入しています。
マイクロモータもRitodentalの半額で嬉しいですね。
タービンも色々と買って試してみましたが、NSKのPana-maxスタイルの物に落ち着きそうです。
訪問ユニットは当然として、診療室のタービンも次々とebay購入品に交換しています。
あとはカートリッジ交換にチャレンジ出来ればと思っています。
写真は自作した訪問診療ユニットです。
タービン・エンジン・3wayシリンジ・エアースケーラー・口腔外バキュームを内臓しています。
今後も有意義な話題提供を期待しています。
宜しくお願い申し上げます。
828 Windows 10 Pro x64 Multilanguage
私としては全く使わないwindows10ですが、使う気がなくとも
最初からこれが入っている機械というものもあります。
例えば海外で入手したノートやタブレット端末などがこれにあたります。
Windowsは基本的にはマルチリンガルなので、後からでも環境を
日本語に変えてやれば、ほぼ9割は日本語環境になるはずです。
であるならば、海外で買ってきたwindowsを自PCにインストールする場合も
全く同様であるということになります。例えば、これはアラビア、チェコ
英、仏、ヒンディ、韓、タイ、ベトナムというマルチリンガル版ですが、
これをかろうじてわかる英語でインストールするしかないのですが
そのときタイム/通貨フォーマットに日本を選ぶことができます。
この時にはキーボードも日本語106/109キーボードに切り替わりますので
これでインストールします。
インストールできてしまえば、あとはすべての設定から
時刻と言語/日本語 追加設定(まだすべて英語表記)から
日本語言語パックをインストールして、これをデフォルトにすれば、
ほぼすべての表記が日本語に切り替わって日本語版として
使えるようになります。
7と基本的にはそれほど変わらないのですが、毎回
ブラックボックス化が進んできて、スタートアップを変えるだけでも
C:\Users\*****\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup
こんなに深い階層のフォルダを編集するようになりました。
ちょっと触っただけですが、「ま7でいいかな」という感じです。
この文章もW10の秀丸で書いてFFFTPでアップロードしているわけですが、
結局すべてx86のアプリをそのまま使っているし、そのほうが使いやすいのです。
827 非安定マルチバイブレーター
PGA基板を使った入門工作シリーズ(?)
2つのLEDが交互に点滅するだけのものです。
この数値だと、ちょうど踏切のカンカンと鳴る警報のランプくらいの
点滅速度です。子供が小さい頃は救急車のミニカーの赤色灯に入れて
雰囲気を出していました。
これで2cm角程度の基板ですから、そういうものに内蔵できるのでは
ないでしょうか。むろんLEDは普通のΦ3mmやΦ5mmでもかまいませんが
白色や青色を使うには3Vではなく4V程度の電圧が必要です。
ベースに来ている抵抗の数値を可変にすれば速度を変えることが
できるはずです。
回路はどこにでも転がっていますし、見たままですから、書くまでも
ないですが、基板を左右に二分して全く同じ配置ですが、これは
3本足トランジスタのように、鏡に映した配置ができないので
このようにしています。元はC1815ですからそれに近いNPNトランジスタなら
それほど違わないはずです。緑はジャンパー線です。
まあこの配置なら特にこの基板を使うまでもなく、生基板の切れ端に
溝を切ればいいわけですが、まあ0.1インチピッチの格子状の溝が
最初から描いてあるので溝を切りやすい、ということで。
ほとんどいないとは思いますが、この基板を試してみたいという
奇特な人のために一応おいておきます。
430DPI程度58.4mm×33mm程度です。
826 ebayさらにその後付記
タービンカートリッジの分解工具を入手していろいろ分解した結果
今回の話の発端である、バックキャップが入手不可能になってしまった
タービン用ハンドピースのカートリッジを分解して、この部品を使えば
ネットで見つけられないでいるYaBangBangのYBB-S-M4-SUの
カートリッジを自作できることがわかりました。
元になるのはNSK NTF-SU03です。これが35年前から使っている
アルファエアーツイストフリー用のプッシュタイプのカートリッジです。
スピンドルの直径は最も一般的な3.17mmですが、YBB-S-M4-SUには
2mmほど長いので、これをダイアモンドディスクで切って断面を研磨します。
上下のベアリングはこのカートリッジはツバつきタイプを使っていますから
これは最も一般的な内径3.175mm、外径6.35mm、高さ2.38mmの
ものに交換します。インペラーはそのまま使えて、スプリングワッシャーと
ガスケットは現在YBB-S-M4-SUで使っているものをそのまま清掃して
使います。プッシュボタンの径が少し太いのですが、バックキャップ内に
空間が充分あるので、なんの問題もなく快調動作します。
これでYaBangBangのYBB-S-M4-SUのカートリッジについては
問題解決しました。なにしろ35年使ったハンドピースですから
NTF-SU03は故障品と装着中との合計で10個以上あるのです。
また、標準として採用したSANDENTのMAK4とBAK4については
むろんebayでミニ(NPA-MU03)スタンダード(NPA-SU03)共に
普通に互換品がいくらでも入手できますし、ベアリングの交換も簡単です。
また、最初に買ったRITO DENTALのRT07-P用のカートリッジと
バックキャップが完全にこのSANDENT BAK4と互換であることから
こちらも4個以上のストックが確保できたことになります。
825 ebayさらにその後
今回は全く自分自身に対する備忘録で、誰の役にも立たないことは
ほぼ確実です。ebayにおける中国のリバースエンジニアリング研究
とでもいうものかもしれません。
私が標準にしたSANDENTのタービンハンドピースですが、この元に
なっているのはナカニシのNSKパナエアーΣであることがほぼわかりました。
このパナエアーにもバージョンがいろいろあるのですが、パナエアーの
カートリッジがケース入りなのに対してパナMAXのカートリッジは
風車が露出しているタイプで、YaBangBangのYBB-S-M4-SUも
この風車露出タイプですが、ネット上でこれにぴったり合うものを
なかなか発見できないでいます。
このYaBangBangのYBB-S-M4-SUもSANDENTのMAK4も
ベアリングは同じ、後述のΦ6.3mm×h2.3mmですが
YaBangBangは風車がΦ7.5mm×h2.9mmで、軸の長さが11.9mmのものです。
オリジナルの型番としてはNSK(N)パナ(P)エアー(A)
スタンダード(S)ミニ(M)トルク(T) プッシュ(U)なので
ミニプッシュでNPA-MU03 スタンダードプッシュでNPA-SU03
ということになります。
パナMAXはPAX-SU03となります。このカートリッジをコピーしたものが
Cartridge Turbine Rotor Push Button Ruixin RXBY Standard Dental Handpiece BA
とか
Turbine Cartridge NPA-SU03 for NSK Pana Air High Standard Handpiece Push Button
とかいうやつでこの「BA」とか「SU」を「MA」や「MU」にすれば
ミニヘッド用のものが得られます。
全く同じように見えても、中身は色々なので、このカートリッジを分解して
個々のパーツを取りかえて再生しようという試みも行っています。
カートリッジは千円~二千円なのに対してベアリングや各パーツは
500円前後なので、それほどコストパフォーマンスがいいとも言えませんが
数回動かしてベアリング故障だけで捨てるのも業腹なものがあります。
パーツは軸(Spindle)、風車(Impeller)、ベアリング、ワッシャー、ガスケット
などで構成されていますが、故障はほぼベアリングにしか起こらないので、
ベアリングだけ交換できれば、入手困難なカートリッジも簡単に
修理できることになります。(id:261431434335)
これがカートリッジの分解/組立工具で、交換するベアリングについては
今回の機種すべてに共通の、内径3.175mm、外径6.35mm、高さ2.38mmで
この大きさのセラミックベアリングをebayで買うと400円程度です。
Ceramic Bearing Balls fit NSK High Speed Handpiece(id:171963972525)
つまり、故障するのはほとんどの場合ベアリング1個だけなので、
400円でカートリッジが買えるとも言えるのです。
風車部分やケース部分はまず壊れませんから、壊れるのは
このベアリングと、ブッシュボタンのある軸部分だけです。この軸は
spindleとかaxisと言い、φ3.15mm、長さ11~13mm程度のものをカットします。
Push Spindle/Axis Push Button Handpiece Air Turbine(ID:262491052297)
ちなみに、オリジナルのNSK製のカートリッジも当然使えるはずですが
こちらの定価はだいたいこんな感じです。リバースエンジニアリングが
はびこれば、業界自体が崩壊する恐れがあることがよくわかりますね。
824 SMD版ツインT
SMDというのは要するにチップ部品のことです。
表面実装デバイス(Surface Mount Device)とも言います。
昨今は抵抗、コンデンサ、コイル、トランジスタなど。ことごとく
チップないしはチップサイズになってしまい。電子工作に入門するにも
このチップの扱いを避けては通れないと思います。
従来の1/10インチピッチのユニバーサル基板で回路を作る代わりに
同じピッチでランドが全部つながっている「PGA基板」というのを
試作してみましたが、実際にあれで大きなものを作るのは
かなり面倒で、やはりごく入門用の小さな回路が適しているように思います。
それで今回はCWの練習用に「ピー」という音が出る発振回路で
サイン波が出るツインT発振回路+トランジスタ2個の増幅回路
というやつをこれで作ってみます。上のつながった状態のランドを
今回はPカッターというプラ板を切るときに使うカッターで
必要な部分のつながりを削り取るという方法で回路を作って行きます。
黒線がカッターでつながりを断ったSMD配置前の線です。
右側がこれにチップのパーツをハンダ付けした図です。
黒が抵抗、茶色がコンデンサ、緑線がジャンパー、BCEがNPNトランジスタです。
元は2SC1815なので、これに近い2PD601ARとか2SC2712とかでOKです。
丸い1KΩはチップボリュームで、多少周波数を変えることができます。
SPは8Ωスピーカー、KEYは電鍵、電源は3Vリチウムボタン電池です。
823 パワーLEDの研究(5)
もう一つ、Li-ionの電圧は放電が進むにつれ、4V程度からどんどん低下してきます。
むろんLEDの順電圧まで達すると回路に電流は流れなくなって消灯します。
また、放電電流が大きいと、大きく電圧が低下します。
パワーLEDが熱くなって順電圧が下がって電流が増えてさらに熱くなって
順電圧が下がる、と悪循環を起こすと、Li-ion電池は、放電電流が
大きくなって電圧が下がり、電流も少なくなる、と悪循環を抑制する
方向への効果も多少は期待できるのです。
10年くらい前には一個千円以上したこのパワーLEDですが。おなじみ
aitendoでは1W型が30円、3W型が50円、アルミ放熱板は10枚100円です。
こうなるとかなり乱暴な実験もできますから、いろいろ試作してみました。
今のところ、電池パックで生き残った電池の使い道としてはポケット
懐中電灯が一番合っていると思います。1/8Wのチップ抵抗を4つ束にして
1/2W型にして1~2Ω程度を放熱板上に配置すれば、もともと明るいので
300mA程度の電流でもかなり明るく感じます。この程度なら特に駆動回路を
作らなくても5分程度までの点灯なら発熱も「暖かい」程度です。
Li-ionの+極とすぐその外側のケース(GND)にハンダ付けした
スライドスイッチをレジンで固め、この先に放熱板つきのLED、
さらにその前に用途によって照射角120度/60度/15度のレンズをつけて
全体を電池パック用のPVC収縮チューブで包んでいます。
充電時にはこのスイッチあたりのチューブを切り取って充電用コードを引き出し、
充電後に再度チューブで包みます。
ちなみに、このレンズとか収縮チューブとかはすべてebayで入手できます。
レンズは10個単位で300円程度(291633561998)、
チューブは2mで300円程度(PVC Heat Shrink Tube)というところです。
もう一つ試作したのは、1W型LEDを3個直列にしたものに、3Wの金属皮膜抵抗を
使った自動車用マップランプです。電源電圧を13.8V、LEDの順電圧を10Vとして
3.8Vで0.5Aとして7.6Ωですから、安全をとって8.5Ωを放熱板上に配置し、
元の電球部は基板とカプトンテープで耐熱設計にしました。
長く点灯するものではないのでそれほどの危険性はないでしょう。
結論としては、放熱をしっかりとって、順電圧を発熱した後の3.1Vと
考えて電流を少なめに設定して、あまり熱をもたないように作ることに
注意すれば抵抗だけでもそれほどの危険性はないし、安いので
切れてもそれほどがっかりすることもなくなりました。
822 パワーLEDの研究(4)
さて、話を戻して、パワーLEDが使いづらい、と書きました。
ではなにが使いづらいかと言うと「LEDは定電流で使う」という
ところにあります。というのは、このLED、その定電流が500mA程度で
なおかつかなり大きな発熱をするところにあります。
というのは、LEDには順方向電圧というものがあって、これを3.3Vとします。
定電流で使うためには、電源電圧とLEDの順電圧の差の電圧に
電流制限用の抵抗を入れます。つまり電源が6Vだとすると
6-3.3=2.7Vで500mAが流れるように2.7÷0.5=5.4Ωの抵抗を
回路に入れればいいのです。
この図は背の高い容器に入っている水をパイプで低い容器に移す様子です。
容器の高さが電圧、パイプの太さが抵抗値を表しています。
左側の電源電圧が右側のLEDの順電圧とどれだけ差があるかで水の流れる強さ(電圧)
パイプの太さ(抵抗)によって流れる水の量(電流)が変わります。
これをパワーLEDで考えると使いづらい点が2つあります。一つは抵抗の値が
微妙すぎで、ぴったりの抵抗が得られないこと、もう一つは
2.7Vで0.5Aだと、この抵抗には1.35Wという電力がかかることで
普通に売っている抵抗は1/4Wなので、たぶん過熱で切れてしまいます。
この図でいうとパイプの素材が水量に耐えられないで破裂することになります。
というわけで、パワーLEDは専用の駆動回路で定電流を与えることが
推奨されるのですが、なんとか抵抗1本ですませたいのです。
さらにもう一つ使いづらいのは発熱するところにあります。
このために、このLEDは必ず放熱板に接触させて使います。
もう一つ、「熱くなると順方向電圧が小さくなる」というのもあります。
仮に3.3Vが3.1Vまで低下すると、500mAで計算した抵抗値では
2.9÷5.4では540mA程度まで電流が増え、電力も1.6Wくらいになります。
そこで、さきほどのLi-ion電池なのです。
これだと、パワーLEDの順方向電圧が3.3Vに対して
Li-ionの電圧が3.7と、変動を考慮しても概ね0.5Vの差なのです。
つまり、これを電源とすると抵抗の使い方がかなり楽になるのです。
0.5Vで0.5Aということは1Ωの抵抗で0.25Wということになりますから
多少電流を低めにすれば1/4の抵抗で充分ということになります。
821 パワーLEDの研究(3)
上にも書いたように、Li-ion電池は非常に危険です。また、電池は
基本的には化学反応であって、デジタル的に正確にコントロール
できるようなものではありません。
仮に6個のLi-ion電池を3個直列×2つ並列で使う場合には
この個々の電池が危険な状態にならないように厳密に管理しています。
具体的には充電時に異常な電流や電圧にならないか、あるいは
放電時に高い温度にならないか、などで、これを充電器側が
「ソフトウエア的に」管理することで安全に使用できているのです。
逆に言うと、例えばこの6つの電池の一つが異常な状態になれば
ソフトウエア的にはこの電池パックを使用できないようにします。
さらに逆に考えると、電池パックが使用できないからといって
この6つの電池のすべてが異常な状態とは限らない、ということです。
上にも書いたように、充分に理解して危険を防止できないならば
絶対にやってはいけませんが、この電池パックを内部を傷つけないように
「殻を割って」個々の電池を取り分けてから電圧を測るか、あるいは
電球を点ける、あるいはモーターを回転させるなど、なんらかの
負荷を与えてみれば、異常な電池はすぐに判別できます。
そこで、異常でなかったLi-ion電池は?というと、これはまだ
充放電できる能力が残っているので、普通に使えるのです。
また一個だけの充電であれば、それほど複雑なソフトウエアは不要で、
専用ICを使えばごく簡単な回路で充電できるのです。
このLOGの805とか808の記事を読んでみてください。
820 パワーLEDの研究(2)
ところで、話は全く違う方向なのですが、リチウムイオン電池というものを
考えます。現在、軽量高容量の二次電池としては最も多く使われていますから
例えばアキバのジャンク屋に行けはノートPCの廃電池パックが
無料から100円くらいでいくらでも手に入りますが、むろん全く使えません。
また、これの廃棄も通常のゴミと同じように行ってはいけません。
リチウムイオン電池は高容量で、言い換えれば化学的反応が非常に
急速なので、けっこう危険な電池です。ネットには、これをショートして
燃焼や爆発する動画がいくらでもあがっていますから、ここに私が
書くようなことが容易にこのような結果を招くことを、充分に理解
してください。作業中に爆発したら絶対に無事ではすみません。
実際、ボーイング787が、これで燃えて、ずいぶん長く運行停止になった
ことは記憶に新しいと思います。
話を戻しますが、ノートPCの廃電池パックはもう充電できません。
あるいはすぐに満充電になり数分も使えないという状態になります。
むろん充電/放電の繰り返しで電池寿命が終わってしまったという
ことではあるのですが、実は上に書いたような危険性を持つことから
「ソフトウエア的に」電池寿命が終わってしまったという意味なのです。
Li-ion電池は通常3.6Vか3.7Vです。ノートPCを駆動するには電圧が
低過ぎるので、電池パックは3本か4本を直列にして10~15V程度に
して、さらにこれを並列にして容量を増やしたものが普通ですから、
あの電池パックの中には3個から8個くらいの電池が入っています。
819 パワーLEDの研究(1)
LEDを使った小型の照明は、前方だけに光密度が高いという性質から
数個から20個くらいのLEDを並べて全体の光量を増やすという方法が
多くとられていました。Φ5mmのLEDは「高輝度」を謳うものでも20mAで
使うのが基本ですから、これを20個並列にすると、結局は400mAになります。
これに対してパワーLEDというのは、1個でこれに相当する光量が
得られるもので、最大で700mAの電流で、かなり大きな発熱をします。
従来は、かなり高価なものだったので、マグライトなどの高価な商品に
使われていました。順方向電圧が3.2V~3.4Vと、かなり高いので
この大きな電流と発熱を考えると、気軽には使いづらい製品でした。
このパワーLEDは普通の電球などと同じ電力(ワット)でその能力を
表すのが普通で、1W~5Wくらいが最も普通に使われます。
電球で5Wというと、自動車のルームランプくらいで、ぼんやりと明るく
なるけれど字を読むにはちょっとつらい、くらいの明るさですが
パワーLEDの3Wを車内で光らせると60Wの裸電球の下にいるくらいの
明るさになります。
818 あけましておめでとうございます
老人だけの年越しなので、準備も簡略化が進み、私には特にやることもなく
「ハンディモーター」(ペーストキャリアー)の製作も終わって
(下が今回製作、電池を18350サイズにしてフルナーゼの蓋使用)
映画二本を観て風呂に入ったらこの時間になっていました。
本年もよろしくお願いします。
817 恒例、私の十大ニュース
齢をとると、日々の変化というののがほとんどなくなりますね。
例のごとく大まかに日付順に。
1.小姐系パーツ店aitendoの「びんぼうでいいの」
ジャンク系電子パーツいじりの面白さを少し思い出させてくれるお店なので、
あるものはある、ないものはないという不自由さを愛すオッサンが多いです。
2.局免再免許
このページのタイトルなので局免だけは保持しています。
今年もQSOは0件でした。
3.本物のジジーになる
春先に本物のジジーになって、夏ごろ一緒に写真を撮られる機会があったのですが
子供の頃の祖父と同じ雰囲気の自分を見て、ああ世代が2つ過ぎたと思いました。
4.ガレージ改修
最近あまり無理がきかないようになったのですが、ガレージの棚を改修して
HPがなくなったことを実感しました。LV63ながらベホイミは使えません。
5.黄色紙研究
特に作りたいものもないのですが、プリント基板の作り方としては
この黄色紙で、アマチュアレベルではフォトレジストが要らなくなりました。
6.ebay
今年一番いろいろなものを購入したのがこれで、貴重という意味でなく
日本で扱わないパチものにたどりついて買えるのが面白いです。
7.胆汁鬱滞
18年前の手術後、年に数度だった胆道炎が月に1度くらいの発現頻度になり
どうやら自分の死神の姿がはっきり見えてきたようです。
8.蒸籠修理
買えばたいした額でもないものを手間暇かけて修理することこそジャンク道です。
そういう意味では、今年一番のジャンク道研鑽がこれでした。
9.ゴールド免許またもパー
昨年ゴールド免許後の12月と今年の12月、露骨なトラップにかかって、はや
4点になりました。交通量0の場所でトラップにかかるのはほんとに腹立たしい。
10.youtuber
TVは元々あまり見ないのですが、今年はYoutubeの「番組」というやつを
視聴することが習慣になりました。近代史や報道系のものが多いです。
816 年末小工事
今年は体調がイマイチなので5月のガレージの棚以外に工事らしい工事は
なにもしていないのですが、ここ2年くらい懸案だった17cm径蒸籠の
修理をすることにしました。
これは30年くらい前に横浜の中華物産店で3個組を買ったもので
飲茶に使われるものです。当時3個で1500円くらいでしたか。
今、この用途に使われるものは主に15cm径のもので、底の簀子が
籐で編んでなくて竹のブロックを並べただけのものがほとんどです。
また外筒も浅いものが多く肉まんとかを蒸かすと頭がつかえます。
この壊れたものは外筒に竹を伸ばした板が使ってあったので
長年の内に上下に4つくらいにわれてしまい、それを針金で結んで
だましだまし使っていましたが、今は上記のサイズばかりなので
もっと使いやすいサイズに修理するつもりで先延ばししていました。
板をきっちり円形に曲げるのは意外に難しいです。これも最初は
杉の5mm厚材で失敗し、結局タモの3mm厚材を1日水を吸わせて
アルミ箔で包んでアイロンをかけ、素早く15cm径の缶に巻きつけて
乾燥するまで2日放置でなんとか形になりましたが、端の部分が
どうしても形に沿わないではねあがっています。
割れた外筒をつないで内筒に再利用しています。底と蓋は
そのまま再利用していますが、意外にしっかりしたものに
なったのでたぶん死ぬまで使えるでしょう。
815 ebayその後(6)
ところで、話は全く変わるようで変わらないのですが
細い歯根にセットしたメタルコアに起因する破折や亀裂は、予後が
あまりよくないことから、昨今はファイバーコアを使う場面が増えてきました。
3種類の径のドリルと各5本づつのコアーが入った某G社のセットが2万円
10本のコアーが9千円、同じく10本が某K社で8千円、たぶん中国から
仕入れている某F社のセットが1万3千円です。
つまり、日本においてはこの商品、一本700円~800円が相場なのです。
では、ebayでこの商品を検索してみたらどうでしょうか。
前述のタービンハンドピースのYaBangBang社が出していて
上記F社のセットに似た構成のセット
Dental Fiber Posts Resin High-intensity Straight Pile Thread Glass & 4 Drills
Item Id: 161354818270
これの支払いが日本円で1183円
50 Pcs Dental Oral Glass Fiber Post 1.4mm Straight Pile Single Size Bulk
Item Id: 261802650735
こちらは日本円で2896円でした。
それぞれ、ぜひebay USAで検索してみてください。
4種類のドリル付のセットで一本50円、50本入りのほうは一本57円です。
これによって私はコアスクリューの使用をほぼ全廃しました。
品質においても日本の相場と10倍以上の差があるようには見えないのですが。
814 ebayその後(5)
このYaBangBang、悪くはないのですが、全体に太めで握りにくいのと
滑り止めが縦の模様だけなので、もう一つの使用感です。
そこで、せっかくのツイストフリーカプラーなので、これにクイック
ジョイントできる同じような製品で、なおかつ、もうすこし小さい
ヘッドのものはないかと検索したら
Item ID : 250995626219
SANDENT Mini Head Dental High Speed Handpiece Quick Coupler 4Hole NSK Style MAK4
という製品にヒットしました。このSANDENTという会社は、カートリッジも
単独で売っているようなので、ebayだけで長く使うには一番適していると
思われます。今回はミニヘッドのものを買いましたが、スタンダードヘッドの
ものも、またそのカートリッジも売られています。
品番はSANDENT MAK4というもので持ち易さも一番だと思いました。
カプラーの部分だけをKAVOタイプに変えたものや光ファイバー6ホール
コネクタのものなど、いろいろあるようですが、結局のところ、それぞれが
一つのモデルから作られたバリエーションのようなので、このあたりを
変更する意義はそれほどないようなので、今後のメインテナンス性から
考えてこのSANDENT MAK4をとりあえず私のスタンダードに決めました。
YaBangBangの製品に比べると若干高めですがそれでも本体にカートリッジ
2個で1万円以下に納まるというのは本物に比べれば1/10以下です。
ちなみに、この機種のカートリッジは
Dental Turbine Cartridge Rotor Push Button MA Fit MINI Head High Speed Handpiece
Item Id: 271930502186
これはバックキャップが最初から付属しているのがいいですね。
カプラー部分のOリングは
0.5/0.7/0.8mm Section Select OD from 2mm to 6mm Rubber O-Ring gaskets
Item Id: 121738060470
これは線径0.7mm、外径3.2mmのものを2個使います。
813 ebayその後(4)
というわけで、ebayで買ったItem Id: 201406691325は
Dental High Speed Turbine Handpiece Standard Head W/ Coupler 4 Hole fit NSK New
という商品です。
話はちょっとそれますが、中国のリバースエンジニアリングについてです。
これは最初から設計するのではなく、すでに完成している商品を
データ化したり、分解したりしてコピー商品や模倣製品を作り出すことで
例えば、ここに書いた製品ですが、IDで検索せずにこの文字列で検索すると
非常に多くの商品がヒットするのがわかります。
これを見てわかるのは、店や価格はさまざまでも、実際のところ、すべて
同一の商品に見えるということです。つまり、元になる商品は1種類で
これをリバースエンジニアリングして非常に大量に作っているということです。
今回の製造元はYABANGBANGという会社で、字をあてるなら牙幇幇でしょうか。
製品型番はYBB-S-M4-SUで、元になっているのはたぶんNSKの10年くらい前の
モデルだと思います。
これは写真のようにホースのねじれを吸収するNSKのQD-Jというタイプの
クイックカプラーがついていますので、ほぼツイストフリーマークⅡと
同等の能力があります。カプラーの回転がややきついのと、全体的な精度が
不足している感じは否めません。また、これ用のカートリッジをebayでは
購入できません。これもまた、一種類だけを大量生産する中国の
リバースエンジニアリングの特徴です。
このカートリッジについては、例のごとくたどたどしい英文メールで
セラーに言って工場から取り寄せてもらいました。このハンドピースが一本
4000円弱なのに対して、バックキャップ付きカートリッジは1個2000円
程度でした。それにしても全部で6000円、しかも送料は無料なのです。
812 ebayその後(3)
ebayはヤフオクともAli Expressとも違う一種の癖があります。
まず、日本語のebayサイトですが、これはあえて使わないことを勧めます。
というのはAli Expressの場合は英語を単純に機械翻訳しただけなので
かえってわけのわからない文章が多いという点を除けばページのソースは
基本的には全く同一のものですが、ebayの日本語サイトはソースが
全く別のものなのです。したがって、今回探しているような商品はすべて
ebay USAにおける検索や購入を前提にしています。
ebayで自分の買った商品を誰かに紹介する場合は、
注文確定のメールに書いてあるitem ID番号をコピーして教えます。
教わった側は、この番号をebay USAの検索窓に貼り付けるだけで
番号だけでこのアイテムにたどりつくことができます。
811 ebayその後(2)
RITO DENTALはコントラ内部のシャフトやベアリングなどの細かい
パーツを売っているので、とても重宝するのですが、とりあえずここで
無難そうなNSK TYPEのハンドピースを買ってみました
これは交換用のローターカートリッジも1つついてくるし送料を入れても
一本1万以下なので、中国のリバースエンジニアリングを評価するには
手ごろな商品だともいえるかもしれません。
実際、ほぼ問題なく使用していたのですが、しばらくして不注意による
落下でカートリッジを破損してしまい、交換しようとしたら、違う品番の
ものが入っていて、これを広東省の会社に送って交換するために
たどたどしい英語のメールを数回やりとりする必要はありました。
これは現在も問題ないのですが、ホースのねじれを吸収する部分が
ないので、場所によってはホースがねじれから戻ろうとするトルクが
かかってハンドピースを持つ指が疲れるという欠点はあります。
RITO DENTALは発送(FedexかUPS)や上記のようなクレーム処理が
非常にスマートなので、国内で通販するのとほとんど同じ感覚で
注文できます。ただし、これでも相場よりはかなり高価で、サイトに
ないものは直接メールのやりとりをすれば非常に誠実な対応を
してくれます。しかしebayにはもっと中華な世界が拡がっているのです。
中華リバースエンジニアリングが充分に使えることがわかったので
ホースのねじれに対処したツイストフリーカプラーがついているものを
ebayで探すことにしたのです。
810 ebayその後(1)
今年は「胆汁の鬱滞」という体調の問題もあって
ジャンク道の研鑽も、ま、研鑽する必要もないわけですが、
いまいちその気になれないまま、年の瀬を迎えてしまいました。
ことし、HAMで言う「アマチュア的」な作業を一番熱心に行ったのは
私の本業にかかわるebayでの購入です。これを読まれる方がわかるかどうか
完全に無視して備忘録的に今年の作業を書いておきます。
まず発端はエアタービンハンドピースの故障というか交換パーツの
終了です。タービンホースはいわゆる4ホールタイプで、ハンドピースは
ナカニシ(NSK)の、アルファエアーツイストフリーマークⅡという
35年前のモデルをカプラー経由で4ホールに変換しています。
初期はレンチタイプでしたが、数年後に出たプッシュタイプの
カートリッジとバックキャップに交換して使っていました。
NSKではこの後もモデルチェンジを重ねて、今やカートリッジも入手難
バックキャップは絶版になってすでに15年くらい経過しました。
6本あったものもバックキャップが破損して、レンチタイプに戻したりして
満足にプッシュタイプとして動くものは2本だけになってしまいました。
NSKの現行モデルでタービンハンドピースを2本購入すれば話は終了な
わけですが、ま、おおまかに言って1本10万で実売は7掛けというとこか
つまり14万円で、これはもう業界的にも常識的な価格で、しかたない・・・
・・・ほんとか?
ここ数年、コントラハンドピースを買っている広東省のRITO DENTALという
会社のサイトには1~2万くらいで(ただし在庫なし)出てるがなー。
じゃebayで探してみたら?というのがそもそもの話の発端だったのです。
809 ebayは使える!
ebayと言えば、まあアメリカのヤフオクくらいと考えても
それほどの違いはありません。ヤフオクでショップが価格固定で出品しても
一応オークションの体裁をとるのに対して、ebayのほうは
検索にヒットする商品からこの両者を分けて検索できるところが
違いと言えるかもしれません。
日本からオークションに参加するとなると、相手の時間や
為替レートや送料など、あるいはクレームの処理なども考えると
参加するのはそう簡単ではありませんし、また参加する理由も
それほどないと思います。
ebayが使えるのは購入の分野なのです。というのは、ほとんどの
カテゴリーの商品について、昨今は中国人の売り手:セラーが多く
参入しているからなのです。
そこがなぜいいかと言うと、これらの中国人セラーの多くが
送料無料なのです。もう一つの利点は非常に小量の買い物が可能で
あるという点なのです。
この写真の検索はunc 4-40 headcapです。これはアメリカで標準の
日本でM3に近いヘッドキャップ型ユニファイネジNo.4の40ピッチ山です。
このリストから「buy it now」で送料+価格を安いものから並べています。
東京で相当に大きいDIY店でもユニファイねじのNo.4がそろうところは
ほとんどありません。たまに「特殊ネジ」との位置づけで普通のナベタイプでも
置いてあればいいほうで、普通は「扱っておりません」です。
この価格を見ると1本16円程度だということがわかります。
ここでもう一つのポイントが香港からの出品だということなのです。
これがアメリカの店であればこの程度の商品でも日本に送るには
2000円前後かかりますから、これの場合だとねじ50本で3000円ということになり
そこまで出していいのなら、国内の特殊ネジの専門店で買う方が安いかもしれません。
ところが、香港からだと仮に有料だとしても日本へは138円の送料なので
50本で880円なら、国内でこんなに安く買える店はまずないのです。
もうひとつの利点として書いた「小ロット」ですが、中国のセラーであれば
紙10枚300円程度でも充分に商品になるようで、どうやら送料が日本における
定形郵便程度の料金で、そこそこの荷物を世界中に送れるらしいのです。
これはそのユニファイネジを切るタップですが、一本で680円で
この赤丸部分に注目なのですが、Free shippingすなわち無料なのです。
つまり普通の店ではまず売っていないユニファイのタップ一本が680円で
買いに行かなくても配達してくれるのです。ただ一つの欠点は中国郵政で
送った商品は早くても2週間、あるいは1か月かかることもあることです。
逆に言うとそこさえ我慢できるなら、利用価値は非常に大きいと言えます。
今回仕事場のアメリカ製ユニットの修理、パーツ交換をほとんどebayの
中国セラーから行ったのですが、国内代理店やアメリカの専門店から
通信販売で買うのに比べて10分の一以下で済みました。
今回、特に感銘を受けたのが、業界人しかわからないとは思いますが
3WAYシリンジで、参考までに、私がいつも買っているアメリカのサイトと
比べてみます。この2つはほぼ同一のものですが、
ebayで買うと一本1100円で送料無料、アメリカから通販すると
一本7000円+送料3000円、国内代理店から買うと一本5万円です。
調子に乗って4本買ってしまいました。それでも5000円以下ですから
業者の修理が一回1万以上することを考えたら、ただ同然です。
808 「黄色紙」の周辺
黄色紙とはなにかというと、これは2つ前の投稿で述べた
DIYでプリント基板を作るための転写用紙で、どうやらシールの
「つるつる紙」とほとんど同じもののように見えるものです。
それならば、これと同じような「離型紙」ならなんでも使えそうな
ものですが、レーザープリンタのトナーとの相性とか、つまり
印刷時にパターンがかすれたり途切れたりせずにちゃんと濃く
印刷できることと、逆にこれを銅板に転写するときには、
いかにきれいに、完全に紙からはがれるかが重要で
いろいろなつるつる紙で試しても、なかなかこの黄色紙を
超えるものは今のところないようです。
レーザープリンタのトナーはおおむね150℃あたりで液化して
粘着性を持つので、印刷面を銅版に固定して裏からこの温度で
加熱し、そのまま冷却すればトナーが銅版に接着するわけで
コピー機とかプリンタがドラムとアイロンで紙に印刷したものを
再度アイロンなどの熱で基板に転写するわけです。
この作業のサンプルとして、O-Familyが公開している回路を
数個作ってみましたが、すべて完全動作しました。
それならば、基板のパターンだけでなく、ケースへのレタリングも
これで行えるのではないか、と思って、今回試作した
周波数カウンターとオシロスコープのケースを廃物利用の
発泡ウレタンボード(看板用アルミ複合板の芯材)でいいかげんに作り、
この表面に黄色紙から字を転写してみました。
これが転写加熱用の鏝先です。20W用のφ4mmの銅丸棒にT字型に鑞着した
銅角棒の表面をシリコンゴムで被覆しています。
秋月の「万能調光器」で鏝先の温度を160℃~170℃に調節します。
これはFPC/FFCコネクタにフィルムケーブルを圧着するヒートシーラー
としてもたぶん使用可能だと思います。
これがオシロスコープですが、まあきれいとは言えないレタリングですが
これだけ熱に弱い素材にも転写できるということは、アルミケースとか
普通のプラケースにはかなり複雑なパターンでも転写可能です。
ところで、このオシロスコープですが、ものがポケットサイズだけに
やはり電池で駆動するほうが圧倒的に便利です。
そうすると5Vの電源ですが、できれば1本だけのリチウムイオンで
実現したいのです。というわけで、モバイルバッテリーのように
5VのUSBで充電でき、できれば5Vよりやや高い電圧が出せる、しかも
1本だけのバッテリーも作ってみました。使ったICはFP6291で
このICが載っているSOT23-6→DIP変換基板も黄色紙転写で作りました。
これがプラケースにステップアップコンバーターと17670の
リチウムイオン一本で作った5V電源と、それををaitendoの
リチウムイオン充電器キットで充電しようとしている写真です。
807 連休DIY
4月、5月と体調がイマイチだったこともあって、あまり
書くこともなかったのですが、5月の休みには10年くらい前に
ガレージに作っていた、いいかげんな棚板が見た目にも激しく
ダレてきたので、これを作り直しました。
元々、息子の車の夏冬交換用にタイヤラックを2×4で設置していたのですが、
ブロック塀に接触している部分に雨水が貯まって、2×4材が
激しく腐食して、なにやら得体の知れない紙魚みたいな虫がいっぱい
湧いています。
この部分は5年ほどで作り直して、現在はブロック塀から
少し離して設置していますが、雨水が吹き込むことは変わりません。
自動車/バイクのメインテナンス用品はけっこういろいろあって
このような屋根の波板を支えるアルミの支柱に棚板を渡しただけのもので
やっていたのですが、雨が吹き込まないようにサイドと後ろに
プラダンで囲いを作ったのですが、逆に台風などが去った後には
板の上が完全に水没する程に雨水が吹き込んでしまいます。
ちょっと体調も回復したので、今回はちゃんと計測して
まず支柱間に2×4材を金物で固定し、その上にコンパネとプラダンで
作った箱を乗せるというコンセプトで、これなら箱にした時点で
かなりしっかりした防水も得られます。
外部から暴風雨が吹き込みそうな場所は内側からコーキングして
前面にはちょっと厚めのポリカーボネートのプラダンで引き戸も
作りました。寸法に遊びがなさすぎて、この30Kgからある箱を
2×4材の上に乗せるのにはかなり苦労しました。年々筋力も
衰えてくるのはいたしかたありませんね。
あまりよく見えないのですが、2つの箱の中間付近に天井から
蛍光灯もつるしました。これはペットボトル材で簡易防滴したものです。
近くで見ると「なんじゃこれ」の汚い工作ですが30Wでけっこう明るいので
実用上は全く問題ありません。
806 DIYプリント基板の現在(4)
DIYで最近のチップ用の基板をつくるには
1.CADソフトで基板パターンを作る
2.生基板からプリント基板の形にする
3.ソルダーレジストする
4.パーツをハンダ付する
という順になりますが、DIYで作る基板においては
枚数が多くない場合は、リフローまでは必要がないケースが
ほとんどです。しかし、自分で回路を起こすというより
公開されている回路から同等の基板を製作するには
ユニバーサル基板ではパーツが揃わないし配線の引き回しも
膨大になりすぎてしまうのも「現在」と言えるでしょう。
そういうわけで、作業を考えると、DIYで最も有効な手段が
「トナー転写」であるというのが大方の意見だと思います。
モノクロレーザープリンターは1万円足らずの資金で
入手できますが、少なくとも紙に印刷するレベルであれば
0.1mm巾の線でも描けますから、この印刷した絵が
完全に基板に置き換わるならば、現在で一番微細な
ピッチのパーツでも対応できるはずなのです。
これが、ネットで個人使用に限定して公開されている
基板のパターンを、自分なりにイラストレーターで書き直して
「ぶどう紙」ではなく中国製の「黄色紙」にプリントしたものです。
(著作権はO-Familyにあります)
たぶんこれはシールの台紙になっている「つるつる紙」と同じ物で、
このパターン図には0.3mm巾の線を多用しています。
プリント基板製作専用のCADソフトは数種類ありますが、DIYでなく
安い海外発注ということを考えると、EAGLE CADが標準と言えるでしょう。
これについてはまた別の機会に書くかもしれません。
今回は一般の用途に使われるIllustratorです。
これが黄色の転写用紙から生基板に、下に見えるラミネーターを通したところです。
多少の改造で160℃で転写します。紙には全くなにも残らず転写できました。
2番の「プリント基板の形にする」が、プリンターで
なんとか実現できたとすると
3番の「ソルダーレジストする」はどうでしょうか。
これを自分でやる人は少ないようですが
紫外線硬化型のソルダーレジストインクを売っています。
これは基板全体にこのインクを塗った後に
紫外線を照射した部分が硬化するというものです。
つまり、OHPシートにハンダを流したい部分だけを黒く印刷して
これをマスクにして紫外線を当ててから全体を洗い流せば
マスクした部分だけ基板が露出するわけです。
これにもむろんモノクロレーザープリンターは使えるのです。
まあ、紫外線の照射装置を作る必要はありますが。
(eBayなどでネイルアート用の紫外線照射ボックス、110V36W程度のものが
千円以下で入手できます。これで30秒露光すれば硬化します。)
805 DIYプリント基板の現在(3)
実例を一つ示しましょう。
これはaitendoの「リチウムイオン電池充電キット [AKIT-4057S]」です。
要らなくなった携帯の電池などをポケットLEDランプなどに転用するには
非常に便利なので私は愛用しています。無断で写真を引用したので
お詫びのためにも宣伝させてもらいます。
このブルー地の絵が、たぶん基板パターンができた時の形です。
それをハンダが乗る部分以外を赤い塗料で塗ったものが製品の基板で
この赤い塗料のことを「ソルダーレジスト」と言います。緑、青などが多いです。
それにチップ部品をハンダ付けしたものが右下の完成図で、この基板は3.15x1.41cmです。
この程度の基板でもハンダ付けする場所が24ヶ所ありますから
10cm角程度の基板なら百箇所以上のハンダ付けは普通にあります。
さすがに個人でやるレベルで大掛かりな機械設備は導入できませんから
それと同等に近いものができる方法を模索するのがアマチュアということになります。
「フロー」と同じ考え方でハンダ付けをするのですが、ハンダ槽のような大きな設備を
要しない(まあ5cm角程度のもありますが)方法が「リフロー」で、メーカーでも使う方法です。
これは、最終的にハンダが流れる部分に、あらかじめペースト状のクリームハンダを
置いておき、その上にチップマウンターで接着する代わりにチップ部品を置くのです。
そうして、これをオーブン的な設備で全体を加熱すると、クリームハンダが溶けて
チップ部品も無理のない場所に収まるという方式です。この「オーブン的設備」を
DIYでするにはホットプレートやオーブントースターを使う人が多いようです。
How to: Reflow Surface Mount (SMD) Soldering Tutorialより
この方式の一番難しいポイントは、上で書いた「クリームハンダを置いておき」という
部分なのです。上に書いたように10cm角の基板でも抵抗やコンデンサーなどは数十個
ありますからハンダ付けの箇所は百以上は普通ありますし、
チップ部品と0.65mm以下のピッチのICの足ですから、ハンダ付けする場所は
0.2mm×0.5mm程度の長方形なのです。つまり、このサイズのクリームハンダを
ランドの場所に百箇所以上置かなければならないのです。
どうやったらこれができるかと言えば、型染めやシルクスクリーンと同じ
「ステンシル」を使うのです。元々の回路もCADで製作しますから
CADのレイヤー(層)の一つとしてステンシルのレイヤーを作り
これを実物大で紙とか金属で作って基板の上に当てて、型染めで
絵の具を使うように、クリームハンダをヘラでスクイーズすると
穴の場所にハンダを置くことができるのです。
How to: Reflow Surface Mount (SMD) Soldering Tutorialより
つまり、DIYでリフローを使う基板を製作する上での最大の難関は
「いかにしてステンシルを作るか」なのです。
これについては、DIYレベルでは3万円程度でカッティングマシーンを買う
という選択肢と、缶ビールなどの缶をばらして得たアルミ薄板に基板と同様
トナー転写して、これを塩酸+オキシドール液でエッチングするという
選択肢がありますが、後者のメタルマスクの手法が確立されてきました。
基板に比べるとエッチングする部分が非常に小さいのと素材がアルミなので、
直視下で注意深く行わないと腐食が行き過ぎるようです。
http://lowpowerlab.com/より引用
804 DIYプリント基板の現在(2)
さて、それで「現在」はどうなのかと言うと、ほとんどのパーツが
1/10インチのスケールではなくなってしまいました。抵抗、コンデンサ
トランジスタ、ダイオードなどはほぼすべてチップ化されて、大きいものでも
3.2mm×1.6mm、小さいものでは1mm×0.5mmになり、ICやLSIの足の
間隔も2.54mmではなく、半分の1.27mmどころか1mm、0.8mm、0.65mm
0.5mm、0.4mmもあります。これは秋月のDIP(2.54mm)→SOP(0.65mm)の
変換基板の写真です、外側のピン間隔が2.54mm、ICの足の間隔が0.65mmです。
時代が変わっていることが直感的にわかるのです。
そうなってくると、「はたしてこれにハンダ付けできるのか?」という
ことになってきます。ハンダごての先端を細くしてハンダそのものも
Φ0.5mmのものを使い、実体顕微鏡を見ながらハンダ付けすると
かなり細かいピッチまでハンダ付けできますし、まとめて流して
吸い取り線でパターン以外の部分を吸い取るという方法でも
かなり細かいピッチのICの並んだ足のハンダ付けをすることができます。
Nikonホームページから引用
では、ある程度の枚数でも、同じパターンの基板を作りたいとき
何十個の1mm程度のチップ部品や何十本の0.5mm間隔の足を
すべて顕微鏡を見ながら行うしかないのでしょうか。
例えばPCのマザーボードのように何百個のチップ部品が載っている
基板はどうやってハンダ付けしているかというと
フロー/リフローという方法でハンダ付けしています。
これはわかりやすく言うと、パターンが完成した基板の表面を
ハンダ付けする部分だけを残してそれ以外の部分をすべて耐熱性の
塗料で覆ってしまうのです。
そうしておいて、チップ部品を所定の部分に接着剤で貼り付けたうえで
ハンダが溶けたプールの中にこの基板を漬けて泳がせると
チップ部品と基板の接触部分にハンダが入り込んで、これを引き上げて
冷やすとすべての部分にハンダ付けが修了するわけです。
これらはすべて機械が自動的に行います。
私は20年ほど昔に台湾のASUSTekの工場を見学する機会があって
このプロセスを見ましたが、あのチップマウンターやフロー槽も日本製で
その精度の高さには感嘆しました。
wikipedia「チップマウンター」より
そう言う意味では「現在」などではないのですが、個人でやる趣味レベルでも
パーツがすべてこういう方式になってきたので、なんとかこれらに
対応する手段を考える以外になくなってきたのです。
803 DIYプリント基板の現在(1)
どうタイトルをつけるべきか迷ったのですが、とりあえず「現在」にしました。
電気工作も真空管には真空管、トランジスタにはトランジスタに適した
やりかたというのが求められ、自宅でこのようなプリント基板を作る方法も
世界中で色々な方法が試行錯誤されてきました。
一昔前のトランジスタなどの半導体や抵抗、コンデンサなどを使った回路を
DIYで作る場合には1/10インチ間隔で穴があいたユニバーサル基板を
使うのが一番簡単で、その理由は多くのパーツがこれに適するような
形だったからなのです。だからプリント基板を自分で作る場合にも
1/10インチ間隔の方眼紙上にパーツを配置していくイメージで行うのです。
これが2.54mmピッチのユニバーサル基板にパーツを配置した例ですが
小さい基板が2つ乗っています。これは変換基板といって、
1/10インチ間隔でないパーツを1/10インチ間隔に合うようにするものです。
その小さい基板の中心あたりに見えるチップ、
これの足の間隔は1/40インチなのです。
回路やパーツが完全に決まって、同じ物をたくさん作りたいときには
専用のプリント基板を作ります。
従来は写真製版のように、フィルムを銅板に塗った乳剤に密着させて露光し、
これを現像するとレジストパターンが残り、レジストのない部分を腐食させて
基板を作る方式でしたが、DIYでプリント基板を作る方法としては、
最近は、レーザープリンターやコピー機によって紙上に印刷した
トナーによるパターンを銅板にアイロンなどの熱で転写する方式が
流行しています。これが転写後の銅版上に残ったトナーですが、
この丸いランドが1/10インチ(2.54mm)間隔で並んでいるのがわかります。
この、トナーで印刷する紙ですが、FUJI FILMの通称「ぶどう紙」が
業界(?)標準でした。これに鏡像印刷して生基板の銅箔面を清掃して
印刷面を合わせアイロンを高温にしてで1分くらい加熱後水冷して
紙を蒸らしたりして擦りとるとこの上の写真になり、これを第二塩化鉄
溶液でエッチングすると下のようにパターンが残るのです。
802 貧乏用水晶の盾(2)
このシールドというやつ、間違いとか逆挿し防止説があるようですが
親亀のデジタルピン側だけ、7ピンと8ピンの間に
ハーフピッチの隙間があるので、普通のユニバーサル基板では
作れません。それを使えるようにするためには、ピンの足を
曲げるとか色々方法もあるようですが、とりあえず
寸法通りに配置してあります。
一応各種のキャラクタ液晶を使えるように、裏面に配線して3種類の
コネクタを配置してみました。小亀方式の場合には、
裏面にパーツの足が突き出すと、親基板と接触して思わぬ事故を
起こす可能性があるので、基本的に表面だけにパーツをハンダ付け
します。裏面の配線が必要な場所だけに穴をあけて、
できればビニル被覆線でたるまないように配線して
養生テープなどで絶縁保護しておきます。
非常に汚い配線になったので、ちょっと小さめの写真で。
これが、唯一パターンに手を加えずにそのままつくタイプで
秋月にあるSUNLIKE社のオレンジバックライトSD1602HUOBなどの
本体下部に信号が一列に並んでいるタイプがつきます。
こちらは、一番普通に見る7×2のランドが本体の左側にある
SC1602BS-Bなどに使うもので、この場合にはバックライトは
7×2のランドの反対側、正面から見て右側にA,Kのランドが
ありますから、本体内で配線してください。
この2種類ではArduino IDEに付属するサンプルスケッチの
LCD内のものがそのまま使えるはずです。
もう一つ、これはI2C接続のもので、こちらはI2C用の
ライブラリをどこからか入手する必要がありますが
ちょっとさがせばすぐにみつかるでしょう。こちらは
デジタルピンを全く使わないので、I/Oの結果を
表示する使い方に向いています。
この写真はaitendoの350円のフィルムケーブル付液晶
に例の「PGA基板」を使ってピッチ変換してピンヘッダで
つないでいますが、試行錯誤中なので妙な場所に無理やり配線しています。
また、この製品は3.3Vでないときれいに見えません。
801 貧乏用水晶の盾(1)
なんのこっちゃのRPG的タイトルですが、貧乏はaitendoの
Arduino UNO互換機です。水晶はLiquid Cristal、盾とは
シールドというわけで、こいつをアイロン基板ででっちあげた
という話で、今出た単語、興味のない方にとっては
全くなんの話なのか意味不明でしょうね。
軽く解説をしておくとArduinoというのはそれほどガチな
エレクトロニクスのマニアでなくともとっつきやすい
汎用マイコンのハード+開発環境で、無理やり例えると
「学研の電子ブロック入門セット」の腹違いの伯父
といったところです。ますますわかりにくいですが。
で、aitendoは上野の中国系女性だけの電気パーツ店で
「びんぼうでいいの」は、この店が500円で出しているArduino
互換基板です。
Arduinoはそのピンソケットにいろいろな回路を接続すれば
いろいろなものになるわけですが、通常はこのArduino基板に
「親亀の背中に子亀を」的な基板を載せて実現します。
この載せる子亀的な基板を「シールド:盾」と言います。
つまり、今回は液晶ディスプレイを載せるためのシールドを
製作しようというわけです。
これは秋月の「ATMEGA168/328用マイコンボード」基板150円です。
これに千石で100円で処分していた小型ブレッドボードの周辺を切り落として
ブレッドボードシールドに転用したものです。挿してあるのは1cm×3cmの
超小型I2C液晶です。この150円基板、元々Arduino互換ですから
パーツ次第で、Arduinoにもいろいろなシールドにもなります。
「びんぼう」はR3版なので、デジタルピン側のAREFの隣に
SDAとSCLがありますから、この秋月の基板にもこのピンを追加しました。
貧乏人なので汎用の「プロトタイプシールド」なども
買えば一枚300円くらいしますから自作することにします。
今回の0.8mm厚の生基板は10cm角で60円ですから、2枚とれば1枚30円です。
実のところ、元にした図面が某A店のものなので
ここではそれに手を加えたLCDシールドだけお目に
かけます。
この赤枠の場所が16ピンンが一列に並んでいるタイプの
キャラクタ液晶用の場所で、左の2ピンはバックライト用に
5Vから抵抗を介してアノード、GNDをカソードとして
3ピンからGND,5V,ADJ,RS,R/W,Enable、4つぶん無接続が
あって右4つがDB4,DB5,DB6,DB7という並びで
赤丸の部分にコントラスト調整の10KΩVRがつきます。
青枠の部分はI2C接続用のパターンで5V,GND,SDA,SCLの
4つが取り出せます。間に赤枠部分が横切っていますが
これをジャンプしてSDA、SCLのプルアップ抵抗をつけやすく
してあります。
ここに鏡像印刷用の300dpiパターンを置いておきますから
貧乏でシールドを自作される方は、外枠が68mm×52mmに
なるようにトナーで印刷してアイロン基板を作ってください。
A5サイズにプロトタイプシールド4枚とLCDシールド1枚です。
片面基板ですから、基本的には銅箔パターン面を表面にして
使うことを想定していますが、普通の基板のようにパターン面を
裏面として、表面に部品やピンソケットなどを配置するには、
文字が普通に読めるように印刷して
実際のパターンは鏡像になるように作ってください。
800 再免許申請
25年目の再免許が半年後に来るわけですが、毎回この手続きに関しては
私にネタを提供してくれるわけです。「手続きが簡単になった」と言いながら
実際にはむしろ面倒になったり、毎回「おまえらは寝とるんか」とか
「2ビットのコンピュータ使うとるんか」と、言いたい放題なわけです。
今回、総務省から来たメールには、オンラインで申請すれば手数料が
安くなるということ以外には「システムがよくなった」との内容は
含まれてはいません。
早速「電波利用電子申請届出Lite」というやつにログインしようと思ったら
「パスワードが古過ぎて無効」という話。ま、そりゃそうかもしれんが
あんた、免許状の期間は5年で、普通の人間は5年間このシステムを
使う機会なんかありません。そんならまずお知らせメールに最初から
「以前のパスワードは無効なので云々」を知らせるべきでしょう。
ま、とりあえずこれは即時に変更再ログインできたのでよしとします。
申請そのものも、変更点はほとんどなく、捨てたRIGの台数を減らした
だけで問題なく修了しました。これもまずまずOKでしょう。
10日後くらいに
「申請が受け付けられましたので、申請手数料の電子納付手続をお願いします。」
というメール。これが、申請の検索をして収納機関番号、納付番号、確認番号の
3つを得るわけですが、スマートな検索とはとても言えません。
ログインしているわけですから、そのアカウントに合致する検索を
行えば「お問い合わせ番号」など不要だと思うのですが、
ここで2・3回のリトライをして「おまえらアホだろう、ホンマは」と
毒づいたくらいでしょうか。
支払いは郵便局のATMでペイジー、振込み手数料もなし。これはOK。
最後に免許状の受取ですが、この「返送用の封筒に切手を云々」が
以前から気にいらないのです。だってわけのわからん「電波利用料」を
毎年とっているわけですから、あの紙ペラ一枚くらい送ってもバチは
当たらないと思うので、どこでそういう居丈高な物言いをしているのか
一種の興味で「窓口で受け取り」を選択しました。
手数料をペイジーで払って、その「電波利用電子申請届出Lite」の
欄を確認すると「納入済み」になっています。なおかつ受取の期限
というのも見当たらないので、その足で九段南の関東総合通信局
というところに受け取りに行きました。
出てきた人がいかにも「ややこしいヤツが来たな」という顔で
「これ納入から通常1週間前後で」との話。そうこなくては
2ビットのコンピュータとは言えません。どうやらその
「電波利用電子申請届出Lite」に「審査が済んで免許状ができた」
というステータスがあるようで、それを確認しなかった私が悪いのです。
前回と全く変更点のないオンライン申請を受け付けてから10日間、
あれは審査をしていたわけじゃなく、「申請を受け付ける」のにだけ
要する期間であったと。うーむ、機械の出力を紙に書き写してる人が
いるのかな?で、即時にシステムに反映する手数料の納入を確認してから1週間で
審査を行った後、紙ペラ一枚の印刷を始めるわけですね。
オンラインで本当は運転免許と同様に即日交付できるけど
それでは許認可事業であることを拳拳服膺しない不届き者が出ないとも
限らないので、わざと処理に10日間delayを入れているなどという、そんな
天をも恐れないことを想像した私が悪かったのです。
たしかに皆さんお忙しそうにお仕事をされていました。