803 DIYプリント基板の現在(1)
どうタイトルをつけるべきか迷ったのですが、とりあえず「現在」にしました。
電気工作も真空管には真空管、トランジスタにはトランジスタに適した
やりかたというのが求められ、自宅でこのようなプリント基板を作る方法も
世界中で色々な方法が試行錯誤されてきました。
一昔前のトランジスタなどの半導体や抵抗、コンデンサなどを使った回路を
DIYで作る場合には1/10インチ間隔で穴があいたユニバーサル基板を
使うのが一番簡単で、その理由は多くのパーツがこれに適するような
形だったからなのです。だからプリント基板を自分で作る場合にも
1/10インチ間隔の方眼紙上にパーツを配置していくイメージで行うのです。
これが2.54mmピッチのユニバーサル基板にパーツを配置した例ですが
小さい基板が2つ乗っています。これは変換基板といって、
1/10インチ間隔でないパーツを1/10インチ間隔に合うようにするものです。
その小さい基板の中心あたりに見えるチップ、
これの足の間隔は1/40インチなのです。
回路やパーツが完全に決まって、同じ物をたくさん作りたいときには
専用のプリント基板を作ります。
従来は写真製版のように、フィルムを銅板に塗った乳剤に密着させて露光し、
これを現像するとレジストパターンが残り、レジストのない部分を腐食させて
基板を作る方式でしたが、DIYでプリント基板を作る方法としては、
最近は、レーザープリンターやコピー機によって紙上に印刷した
トナーによるパターンを銅板にアイロンなどの熱で転写する方式が
流行しています。これが転写後の銅版上に残ったトナーですが、
この丸いランドが1/10インチ(2.54mm)間隔で並んでいるのがわかります。
この、トナーで印刷する紙ですが、FUJI FILMの通称「ぶどう紙」が
業界(?)標準でした。これに鏡像印刷して生基板の銅箔面を清掃して
印刷面を合わせアイロンを高温にしてで1分くらい加熱後水冷して
紙を蒸らしたりして擦りとるとこの上の写真になり、これを第二塩化鉄
溶液でエッチングすると下のようにパターンが残るのです。