804 DIYプリント基板の現在(2)
さて、それで「現在」はどうなのかと言うと、ほとんどのパーツが
1/10インチのスケールではなくなってしまいました。抵抗、コンデンサ
トランジスタ、ダイオードなどはほぼすべてチップ化されて、大きいものでも
3.2mm×1.6mm、小さいものでは1mm×0.5mmになり、ICやLSIの足の
間隔も2.54mmではなく、半分の1.27mmどころか1mm、0.8mm、0.65mm
0.5mm、0.4mmもあります。これは秋月のDIP(2.54mm)→SOP(0.65mm)の
変換基板の写真です、外側のピン間隔が2.54mm、ICの足の間隔が0.65mmです。
時代が変わっていることが直感的にわかるのです。
そうなってくると、「はたしてこれにハンダ付けできるのか?」という
ことになってきます。ハンダごての先端を細くしてハンダそのものも
Φ0.5mmのものを使い、実体顕微鏡を見ながらハンダ付けすると
かなり細かいピッチまでハンダ付けできますし、まとめて流して
吸い取り線でパターン以外の部分を吸い取るという方法でも
かなり細かいピッチのICの並んだ足のハンダ付けをすることができます。
Nikonホームページから引用
では、ある程度の枚数でも、同じパターンの基板を作りたいとき
何十個の1mm程度のチップ部品や何十本の0.5mm間隔の足を
すべて顕微鏡を見ながら行うしかないのでしょうか。
例えばPCのマザーボードのように何百個のチップ部品が載っている
基板はどうやってハンダ付けしているかというと
フロー/リフローという方法でハンダ付けしています。
これはわかりやすく言うと、パターンが完成した基板の表面を
ハンダ付けする部分だけを残してそれ以外の部分をすべて耐熱性の
塗料で覆ってしまうのです。
そうしておいて、チップ部品を所定の部分に接着剤で貼り付けたうえで
ハンダが溶けたプールの中にこの基板を漬けて泳がせると
チップ部品と基板の接触部分にハンダが入り込んで、これを引き上げて
冷やすとすべての部分にハンダ付けが修了するわけです。
これらはすべて機械が自動的に行います。
私は20年ほど昔に台湾のASUSTekの工場を見学する機会があって
このプロセスを見ましたが、あのチップマウンターやフロー槽も日本製で
その精度の高さには感嘆しました。
wikipedia「チップマウンター」より
そう言う意味では「現在」などではないのですが、個人でやる趣味レベルでも
パーツがすべてこういう方式になってきたので、なんとかこれらに
対応する手段を考える以外になくなってきたのです。