806 DIYプリント基板の現在(4)
DIYで最近のチップ用の基板をつくるには
1.CADソフトで基板パターンを作る
2.生基板からプリント基板の形にする
3.ソルダーレジストする
4.パーツをハンダ付する
という順になりますが、DIYで作る基板においては
枚数が多くない場合は、リフローまでは必要がないケースが
ほとんどです。しかし、自分で回路を起こすというより
公開されている回路から同等の基板を製作するには
ユニバーサル基板ではパーツが揃わないし配線の引き回しも
膨大になりすぎてしまうのも「現在」と言えるでしょう。
そういうわけで、作業を考えると、DIYで最も有効な手段が
「トナー転写」であるというのが大方の意見だと思います。
モノクロレーザープリンターは1万円足らずの資金で
入手できますが、少なくとも紙に印刷するレベルであれば
0.1mm巾の線でも描けますから、この印刷した絵が
完全に基板に置き換わるならば、現在で一番微細な
ピッチのパーツでも対応できるはずなのです。
これが、ネットで個人使用に限定して公開されている
基板のパターンを、自分なりにイラストレーターで書き直して
「ぶどう紙」ではなく中国製の「黄色紙」にプリントしたものです。
(著作権はO-Familyにあります)
たぶんこれはシールの台紙になっている「つるつる紙」と同じ物で、
このパターン図には0.3mm巾の線を多用しています。
プリント基板製作専用のCADソフトは数種類ありますが、DIYでなく
安い海外発注ということを考えると、EAGLE CADが標準と言えるでしょう。
これについてはまた別の機会に書くかもしれません。
今回は一般の用途に使われるIllustratorです。
これが黄色の転写用紙から生基板に、下に見えるラミネーターを通したところです。
多少の改造で160℃で転写します。紙には全くなにも残らず転写できました。
2番の「プリント基板の形にする」が、プリンターで
なんとか実現できたとすると
3番の「ソルダーレジストする」はどうでしょうか。
これを自分でやる人は少ないようですが
紫外線硬化型のソルダーレジストインクを売っています。
これは基板全体にこのインクを塗った後に
紫外線を照射した部分が硬化するというものです。
つまり、OHPシートにハンダを流したい部分だけを黒く印刷して
これをマスクにして紫外線を当ててから全体を洗い流せば
マスクした部分だけ基板が露出するわけです。
これにもむろんモノクロレーザープリンターは使えるのです。
まあ、紫外線の照射装置を作る必要はありますが。
(eBayなどでネイルアート用の紫外線照射ボックス、110V36W程度のものが
千円以下で入手できます。これで30秒露光すれば硬化します。)