808 「黄色紙」の周辺
黄色紙とはなにかというと、これは2つ前の投稿で述べた
DIYでプリント基板を作るための転写用紙で、どうやらシールの
「つるつる紙」とほとんど同じもののように見えるものです。
それならば、これと同じような「離型紙」ならなんでも使えそうな
ものですが、レーザープリンタのトナーとの相性とか、つまり
印刷時にパターンがかすれたり途切れたりせずにちゃんと濃く
印刷できることと、逆にこれを銅板に転写するときには、
いかにきれいに、完全に紙からはがれるかが重要で
いろいろなつるつる紙で試しても、なかなかこの黄色紙を
超えるものは今のところないようです。
レーザープリンタのトナーはおおむね150℃あたりで液化して
粘着性を持つので、印刷面を銅版に固定して裏からこの温度で
加熱し、そのまま冷却すればトナーが銅版に接着するわけで
コピー機とかプリンタがドラムとアイロンで紙に印刷したものを
再度アイロンなどの熱で基板に転写するわけです。
この作業のサンプルとして、O-Familyが公開している回路を
数個作ってみましたが、すべて完全動作しました。
それならば、基板のパターンだけでなく、ケースへのレタリングも
これで行えるのではないか、と思って、今回試作した
周波数カウンターとオシロスコープのケースを廃物利用の
発泡ウレタンボード(看板用アルミ複合板の芯材)でいいかげんに作り、
この表面に黄色紙から字を転写してみました。
これが転写加熱用の鏝先です。20W用のφ4mmの銅丸棒にT字型に鑞着した
銅角棒の表面をシリコンゴムで被覆しています。
秋月の「万能調光器」で鏝先の温度を160℃~170℃に調節します。
これはFPC/FFCコネクタにフィルムケーブルを圧着するヒートシーラー
としてもたぶん使用可能だと思います。
これがオシロスコープですが、まあきれいとは言えないレタリングですが
これだけ熱に弱い素材にも転写できるということは、アルミケースとか
普通のプラケースにはかなり複雑なパターンでも転写可能です。
ところで、このオシロスコープですが、ものがポケットサイズだけに
やはり電池で駆動するほうが圧倒的に便利です。
そうすると5Vの電源ですが、できれば1本だけのリチウムイオンで
実現したいのです。というわけで、モバイルバッテリーのように
5VのUSBで充電でき、できれば5Vよりやや高い電圧が出せる、しかも
1本だけのバッテリーも作ってみました。使ったICはFP6291で
このICが載っているSOT23-6→DIP変換基板も黄色紙転写で作りました。
これがプラケースにステップアップコンバーターと17670の
リチウムイオン一本で作った5V電源と、それををaitendoの
リチウムイオン充電器キットで充電しようとしている写真です。