823 パワーLEDの研究(5)
もう一つ、Li-ionの電圧は放電が進むにつれ、4V程度からどんどん低下してきます。
むろんLEDの順電圧まで達すると回路に電流は流れなくなって消灯します。
また、放電電流が大きいと、大きく電圧が低下します。
パワーLEDが熱くなって順電圧が下がって電流が増えてさらに熱くなって
順電圧が下がる、と悪循環を起こすと、Li-ion電池は、放電電流が
大きくなって電圧が下がり、電流も少なくなる、と悪循環を抑制する
方向への効果も多少は期待できるのです。
10年くらい前には一個千円以上したこのパワーLEDですが。おなじみ
aitendoでは1W型が30円、3W型が50円、アルミ放熱板は10枚100円です。
こうなるとかなり乱暴な実験もできますから、いろいろ試作してみました。
今のところ、電池パックで生き残った電池の使い道としてはポケット
懐中電灯が一番合っていると思います。1/8Wのチップ抵抗を4つ束にして
1/2W型にして1~2Ω程度を放熱板上に配置すれば、もともと明るいので
300mA程度の電流でもかなり明るく感じます。この程度なら特に駆動回路を
作らなくても5分程度までの点灯なら発熱も「暖かい」程度です。
Li-ionの+極とすぐその外側のケース(GND)にハンダ付けした
スライドスイッチをレジンで固め、この先に放熱板つきのLED、
さらにその前に用途によって照射角120度/60度/15度のレンズをつけて
全体を電池パック用のPVC収縮チューブで包んでいます。
充電時にはこのスイッチあたりのチューブを切り取って充電用コードを引き出し、
充電後に再度チューブで包みます。
ちなみに、このレンズとか収縮チューブとかはすべてebayで入手できます。
レンズは10個単位で300円程度(291633561998)、
チューブは2mで300円程度(PVC Heat Shrink Tube)というところです。
もう一つ試作したのは、1W型LEDを3個直列にしたものに、3Wの金属皮膜抵抗を
使った自動車用マップランプです。電源電圧を13.8V、LEDの順電圧を10Vとして
3.8Vで0.5Aとして7.6Ωですから、安全をとって8.5Ωを放熱板上に配置し、
元の電球部は基板とカプトンテープで耐熱設計にしました。
長く点灯するものではないのでそれほどの危険性はないでしょう。
結論としては、放熱をしっかりとって、順電圧を発熱した後の3.1Vと
考えて電流を少なめに設定して、あまり熱をもたないように作ることに
注意すれば抵抗だけでもそれほどの危険性はないし、安いので
切れてもそれほどがっかりすることもなくなりました。