855 スーパーカブ110 JA44登場 後編
さて、ギヤ比はなかなかいい感じになりましたが
今日は12V電源の取り出しです。今までのフォーサイトは
チューブレスタイヤでパンクの修理も簡単でしたが
カブは昔ながらのチューブタイヤなので、パンク修理は
自転車と同じくゴムのパッチを貼る方式です。
どちらにしても空気入れは必要なので、小型のコンプレッサーを
携帯しています。これを動かしたり5Vに降圧してUSB電源とするには
自動車ではシガーソケットから12Vを取るのが普通です。
バッテリーから直に取り出すのが一番素直ですが、バイクは
けっこう内部に浸水する可能性が高いので+の配線のどこかに
水分が接触すると、じわじわ漏電してバッテリーが上がる危険性が
あるので、キーオンしたときだけ12Vを供給する、このような
電源をACC(アクセサリー電源)と言います。
というわけで、バッテリー周りにアクセスするためには
あたりの外装を全部外す必要があります。昔のカブは
もっと簡単にばらせたのに今のは全部噛みあっているので
けっこうな大仕事です。特にコンビニフックというやつを
外すのに1時間以上苦戦しました。
ホンダらしいヘッドですが、昔はもうすこし立っていたような気がします。
バッテリーはシートの下にあります。
これがバッテリーカバーで一番左に+端子、一番右に-端子が露出しています。
白いのがヒューズボックスで、ここに2つヒューズが入っています。
そして赤いのが今回使うサービスチェックカプラで、ここにACC電源が出ています。
この赤いのは防水カバーで、中に4Pのコネクタがあって、+-以外は予備と
なっています。普通は全く使わないので、このコネクタからもっとアクセス
しやすい場所にもっとつなぎやすいコネクタで12Vを取り出すのが本日の目標です。
ところで、このカブの車載工具ですが、矢印のスペースにドライバが一本、黒いゴムで
止めてあるだけなのですが、逆にこのドライバ一本で何をしろというのでしょうか。
そこで、このわずかな隙間に無理やり車載工具を入れ込んだのがこれです。
ちなみにシート下の両サイドに物入れがありますが、昔ほどのスペースがなく
左側は説明書の小冊子入れという位置づけですが、このスペースに
ドライバーとパンク修理セット、ヒューズを無理やり入れました。
右側のこのスペースは本来バッテリー用の空間でしたが、エンジンが
キャブレター方式から燃料噴射方式になって、この空間にECUとリレーを
配置したためにバッテリーは前方の蓋を外して着脱するようになりました。
そのせいで、この右側のサイドカバーの中はなんとも中途半端な
スペースですが、むろんバッテリー空間と貫通していますので、
この右側のサイドカバーを外せば12Vが取り出せるようにしました。
そのために使うコネクタと延長コードがこれです。
「どこかでみたような」と思う人はかなりなPCマニアです。黄色が12Vで赤が5Vといえば
パソコンのドライブの電源コネクタですね。まあ昨今はSATAの黒いコネクタですが
30年くらい前にはFDDもHDDもCDDも全部この電源コネクタを使っていました。
この黒いテープは自己融着ゴムで固めてその上をビニルテープで巻いてあります。
アンテナ工事にはこういう防水処理をするのが普通ですが、バイクも同じく、どこからも
水が入り込む可能性がありますから裸の銅線には防水が必要です。
右側のサイドカバーを外した、その中途半端なスペースに
コネクタを出してきました。インシュロックタイで留めて
コネクタにナイロン袋をかぶせてあります。
コンプレッサの試運転は来週。いやー疲れました。
(追記)東京でも雪の春分の日、せっかくなのでフォーサイトに10年間
積みっぱなしになっていたダイソーの800円コンプレッサーにこの12Vを
つないでみたら、ホースが朽ちてブツブツにちぎれていました。
急遽、このコンプレッサーのホースをウレタンホースに交換しました。
圧力計が信用できないのですが、2.5Kgf/cmくらいは入るので、緊急修理用の
空気入れとしては問題なく使えるものと思います。