858 脱着訓練
かなり重症の「そなえよつねに」病であることはおわかりいただいたと
思いますが、であるならば、非常訓練こそ備えの要とも言えます。
「百の座学より一の実習」と、絶対に先賢の誰かが言っているはずです。
というわけで前後ホイールの脱着/チューブ交換訓練です。
むろん車載工具のみで作業することが前提ですが、空気入れは
車載のでは時間がかかりすぎる上に近所迷惑なので、これは
エアブラシ用の3kg/cm2静音コンプレッサーを使っています。
前輪は簡単にホイールが外れます。
自転車用のタイヤレバーではスポークが太すぎて引掛けられないので
3本使う場合には一本を足で押さえる必要があることがわかりました。
こういうのが実習の成果ですね。たぶんリムに傷がつきますが
この種類のホイールでは普通にあることなのでよしとしましょう。
ここまで出せばパンク修理は問題なくできるはずです。
というわけで後輪ですが、この部分は、たぶん最初のモデルから
ほとんど変わっていないはずです。ただし、タイヤが太くなったり
ギヤ(スプロケット/チェーン)周りが強化されたり、あるいは
マフラーに触媒部分が追加されたりで脱着はやや複雑化しました。
今回はマフラーに手をつけずに後輪を外します。
まず19と14mmのメガネを両手で持ってアクスルナットを緩めます。
ブレーキはナットを外してペダルを踏めば抜けますので完全に分解します。
マフラーが邪魔で作業しにくいですが、トルクリンクの割ピンをまっすぐにして
抜き、12mmレンチでナットとワッシャーを外します。トルクリンクとの間に
ゴムのブッシュがあるのでこれを忘れないようにします。
チェーンアジャスタを充分に緩めて、シャフトをプラハンマーで叩きだします。
タイヤにかかる重量をまっすぐなにかで支えれば錆びてなければハンマーなしでも
抜けるかもしれません。
シャフトがホイールまで抜けるとサイドカラーというリングが抜けてここに
スペースができます。
本来なら、このスペース分ホイールを右に寄せればダンパーという
ホイールの中にあるゴムの塊とスプロケットが分離できて
チェーンに手をつけずに、ホイールだけを後ろに外せるはずでしたが
少しスペースが足りない感じで分離できず、ブレーキを抜くこともできません。
結局、チェーンカバーを外して、チェーンをスプロケットから外して、はじめて
後ろにホイールを移動してブレーキを外すスペースが生まれます。ブレーキが
外れるとホイールが完全にフリーになって隙間から後ろに抜けるようになります。
チェーンをそのままでもホイールが外れるのは、カブの特徴の一つでもあるので、
やりかたが悪いのだとも思いますので、次の機会にもう一度検証してみましょう。
ブレーキ側を上にして外すと、スプロケットが落ちてギヤの歯が破損するおそれが
あるので注意しなければいけません。これで前輪同様チューブ交換できるように
なりました。
今回の実習でわかったことは、タイヤレバーの形に改善の余地があること、
リアホイールの脱着はもう少しスマートな手順があるのではないかということです。
また、車載工具だけで、前後輪のホイールを外してチューブ交換できるけれど
リアホイール脱着にはプラハンマーと10mmのボックスレンチがあったほうが
いいことがわかりました。前輪で30分、後輪で一時間あれば大丈夫だと思いますが、
2回目からはもうすこしスマートな作業をめざして、また忘れた頃に訓練しましょう。
そなえよつねに!May Force be with you いやいや be prepared!