863 ダンジョンにつかまる
さて、武器と鎧の店ならぬ「やふおく」で鉋刃を手に入れたのですが
どうもこの鉋刃、プロが使っていたに違いなく、どうしても
かんなとして使いたくなりました。前の投稿の写真の左から2番目の一番長い
やつ、これとその右にある裏金とで、一丁できそうな気がしてなりません。
刃幅を測ると64mmで寸六かんなの標準的な幅のようです。
それなら寸六のかんな台を買えば、とは思うものの、一番安いものでも
3~4千円します。こんなもののために貴重なゴールドを・・・と思うものの
「あープロのように紙のようなかんな屑をしゅるしゅると・・・」と
思いはつのり、ついにダンジョンに入ってしまいました。
何度も言うようにゴールドがないときには「やふおく」です。探せば
ちゃんと「寸六のかんな台 古いものです」と断っているけれど
割れもないし、500円ならダメもとで、と落とせば送料が1000円と
ダンジョンにはそこらじゅうに魔物がいるのです。
これはすでに全部仕上げたあとなので、それほど汚く見えませんが
さすがに調整前は「まあ500円だわな」という外見でした。
昔からそこそこ使っているかんなですが、このネット時代になって
いいことの一つは、昔はとても聞くことができなかったような
専門家の講義をそれも次々に視聴できることです。
今回も 富山大学 研究資料用ビデオ(講師 小松研治)という
非常に丁寧な解説と実技のビデオを見て深く心に落ちるものが
ありました。それから鉋台の刃入を調整し、裏面を平面に研磨し
切削面との接触を調整し、刃もちゃんと研いで
裏金を入れるにはどう見ても幅を10mm近く削り落とさなければ
入りません。ディスクグラインダーでやってみたものの、発熱の
割にはあまり削れません。そこで久々に仕事場のモデルトリマーを
出してきて注水しながら幅を削り落としました。角の浮かせる部分も
鉄床の角でハンマーで曲げなおして55mm幅で美しく入りました。
これで試してみると・・・おおあこがれの紙のような鉋屑が
しゅるしゅると出るではありませんか。
ちなみに、このダンジョンを出るまで1週間かかりました。
さーて、今度は檜の薄材で蒸籠の胴だな。
別のダンジョンの入り口という気もするけどね。