873 この起動USBメモリLINUXについて(3)
○LINUXからはどう見えるか
LINUXというのは言わば「LINUSさんのUNIX」という意味で。現在48歳の
フィンランド人、リーナス・トーバルズが、研究機関やサーバー向けのOSである
UNIXをPCで動作するような無償のカーネルで提供したことでスタートした。
UNIXというOSは「すべてのものをファイルとして扱う」のが特徴なので
プリンタ、キーボード、ドライブなどのハードウエアもすべてファイルとして扱う。
つまり、windowsでいうCドライブ下に本物のファイルが並んでいるように
ハードウエアもルートディレクトリ以下の所定のディレクトリに格納されている。
ここでは/dev/sdb1とdev/sdb2、の2つのパーテーションが先ほどのwindowsで言う
第一パーテーションと第二パーテーションであることがわかる。また、このUSBメモリ
全体は/dev/sdbで、ちなみにPC本体内蔵のHDDはdev/sdaということになる。
そして、OS上での扱いはこれらを「マウントする」つまり、windowsでいうDとか
Eとかのドライブとして扱うのと同じで、ドライブレターの代わりに
「マウントポイント」というディレクトリを与える。これがファイルとして扱う
という意味なのだ。
システム全体の一番根底はルートディレクトリで、windows で言うならC:\に相当するが
ここはLINUXでは普通は意識されず「ファイルシステム」がそれに近い。あえて言えば
冒頭の図の第二パーテーションのマウントポイントの場所に「/」とだけ書いてあるが、
これがLINUXをインストールした場所なので、これが一番近い。ここに先ほどの
/devというディレクトリもあるが、例えば「マイドキュメント」がどこにあるか比べると、
LINUXでは/home/Tak/documents/で、これはTakというユーザー用の空間内であって、
windowsでもC:\Users\Tak\Documents\なので、ほぼ同じ構造になってきた。
基本的にマルチユーザーで使うことを前提にしているので、
管理者として振舞うにはそのたびにそれを宣言しなければならない。
そこが面倒といえば面倒だが、外部からの攻撃をむずかしくする理由でもある。
また、前項のFAT32の4GBの第一パーテーションに/windowsという名前で
マウントポイントを設けている。こうすることでこのFAT32のパーテーションに
あるファイルも、LINUXから普通に扱うことができる。
つまり、WindowsからはCHALET1604という名前のF(など)ドライブと見え
LINUXからは/windows(など)という名前のマウントポイントと見えることになる。
このファイルシステム上の位置は任意に指定できるので/homeとか/home/tak/とかにも
置けるし、何も指定しない場合には「ボリューム」と表示されるので、単独のドライブのようにも見える。