900 強力電池式ドリルの製作(2)
製作について多少の詳しい説明を。
1.モーター
マブチRS-380PHは全くサイズは同じですが、補助ヨークという表面の
金属カバーがないのと、多少トルクが低い気がします。ネジ穴やシャフトも
全く同じなので、互換性はありますが、価格は800円くらいと4倍です。
2.電源・電池
電池は直接ハンダ付けして使うのでショートしないようくれぐれも注意してください。
毎回書いているようにLi-ionは発熱爆発の危険性が高いことを充分に理解して
工作してください。
電池だけでなくACアダプターでも使えるようにDCジャックを尻につくりました。
モーターの仕様的には9Vまで入力できますが、コネクタを極性統一の
区分2(3.15V~6.3V)用にしてあります。
配線はスピーカーとイヤフォン端子と同様に、普段は電池と短絡、DCプラグを挿すと
電池ラインのマイナス側はオープンになります。
Li-ion充電用端子を、aitendoの充電基板キット(299円)で製作した
USB充電器で使えるようにピンヘッダとソケットで作ってあります。
充電回路を内蔵してACアダプターで充電というのもあるでしょうが、今でもそこそこ
重いので別にしました。
3.チャック
これを露出させると、ドリルビットの交換は簡単になるのですが
ペングリップで操作するのが難しくなります。市販のリューターのように
簡単に交換できる仕掛けがあればいいのですが、現在はこのツバ管を2本の
ネジで外すか、モーター軸のイモネジを六角レンチで外す穴を設けるしかありません。
なお、このツバ管を留めているネジですが、M3でなくM2.6です。また、
穴から2mmも入ると回転子に接触しますので、長さを切るとか、ワッシャで浮かすとか
配慮しないと回転も阻害するし、異音も発生します。
4.ドリルビット
ebayで探すときには「PCB drill carbide CNC」などで検索をかければ10本200円台から
いろいろな種類がみつかるでしょう。またチャックは「drill chuck 3.17mm 2.3mm」
などで探せば100円くらいから各種見つかるでしょう。いずれの場合もモーターの
シャフト径が2.3mmで、ビットの軸(shank)径が3.17mm(1/8インチ)であることを
明確に意識してください。
また、チャックは2.5mm~3.17mmの範囲で使えますから、この範囲であれば
普通のHSSドリルビットなども使えます。ただし、長くなるので、先端が
ぶれるのと、太くなるとトルクが不足しがちなので高い電圧が必要です。
あるいは、チャックの内筒(ドリルをつかむ三つ割部分)だけ5種類くらい
ついたセットもebayにあります。300円くらいですから、
木材のようにドリルが頻繁に折れるときは、これで普通のドリルを
使う方が精神衛生的にはいいと思います。
5.ケースその他
これはどれも買っただけでは使えません。内面を削り落としたり、冷却穴をあけたり
シャフトに電池が接触しないよう加工したり、スイッチやコネクタ穴を設けたり
接着したり、色々加工する必要があります。ちなみに、今回の完成品の写真で
尻部分の黄色ケースは点鼻薬のキャップです。こういう工作が最も少なくてすんだものを
紹介しているにすぎません。もう少しスマートな材料とやりかたがあれば、ぜひ紹介
してください。
また、ドリル刃は丸先カバー(外径12mm)のような、径が合うもので保護したほうが
安全です。もろくて折れやすいのと鋭利なので怪我をしやすいからです。