903 100VLED電灯の製作(3)
交流100Vに対して抵抗で電流制限する方法を考えますが、その前に
仮にこれが直流100Vで15mA流すとすると、100/0.015=6666Ωですから6.6KΩの
抵抗を使えばいいのです。しかし、この場合でもLEDの順電圧が3Vとして97Vの回路電圧です。
では実際の交流100Vはどうなのかというと、100Vというのは 実効値であって、
ピークは141Vです。このピーク時に抵抗にかかる電力は、138(V)×0.015(A)=2.07(W)
ということになりますから、3W以上の抵抗が必要で、なおかつ2.07W相当の
発熱があるはずです。
これを考えると、15mAで3Vすなわち0.045W相当の灯りをともすために2.07Wの
発熱をする、言い換えると回路の電力の98%が抵抗の発熱というきわめて効率の悪い
照明であるといえるでしょう。というわけで、抵抗での電流制限ではなく、
コンデンサのリアクタンスによる電流制限を採用しましょう、という話になるわけです。
リアクタンスは見かけ上の抵抗なので、基本的に発熱というエネルギー消費がないからです。
ところでリアクタンスとはなんでしょうか?コンデンサの記号は見た通り
線がつながっていません。イメージとしてはあの2本の線の間に少し電気が
溜まっているという感じでしょうか、これのことを静電容量といいます。
例えば水槽の中心を板で仕切ると、片側に発生した波紋はもう片側に伝搬
しませんが、板ではなく、水で満たしたナイロン袋のようなもので仕切ると
この水袋を介して波紋はもう片方の水槽に伝搬する、こういうイメージです。
かえってわかりにくくなったかもしれませんが、要するにコンデンサは
直流は伝わらないけれど交流は伝わるのです。そしてこの交流における
電流を伝わりにくくする要素。それをリアクタンスといって、容量が
少ないほどリアクタンスが大きい、つまり電流が小さくなるのです。
では50Hzの交流100Vにおいて15mAの電流になる容量はどれくらいでしょうか。
Xc=1/2πfc(リアクタンス=1/2×パイ×周波数×静電容量)から100Vにおける
電流I=100/Xcとなります。こういう計算においてマイクロファラッドや
2×50×3.14×0.47×10のマイナス6乗分の1とかやっていると
絶対に一桁二桁まちがってしまうので、もうエクセルで簡単な表を
作って計算することにします。