909 ジャノメJP510M糸通し修理(1)
今はどうか知りませんが、私が小学生だった半世紀以上昔には家庭科で
一応の裁縫とミシンの扱いの実習がありました。今のような電動式ではなく
大きな鋳鉄製のプーリーのクランクを足で煽るように踏んで回す方式で
その後自転車少年になったころには、家にもあったこのシンガーのミシンで
はき古したジーンズから、フロントバッグを縫ったりしたものです。
そういうこともあって、今でもちょっとしたものはミシンで縫うのですが
今回の畳べりには非常に苦労して、持病の胆道鬱滞を起こして終わるのも
恒例のようになってきました。写真にも写っているのはジャノメJP510M
という家庭用の標準的な機械で、今はこういうもののほとんどが昔の
ミシンのようなボビンケースでなく、水平ガマで下糸を扱い、上糸だけで
糸調子を加減する仕掛で、この機械も上糸の自動モードで、普通の
縫物であれば、なにも考えずに使えます。
現代のミシンで一番ありがたいのは「糸通し装置」で、針に糸を通す作業は
老人には難しいのは誰でも知っていますが、一度も近視になったことがなく
40代の中ごろから老眼になった私には、10cmの距離ではほとんど針穴も
まともに見えません。それが、この装置で簡単に糸を通せるので、縫う前の
セッティングは昔に比べるとずいぶん楽になったのです。
ところが、この糸通し装置、ちょっと使い込むと例外なく故障して使えなく
なるのです。そして、簡単なパーツ一つなのに、標準化も交換部品の販売も
全くないのです。針や糸やボビンがほぼ全部のメーカーで共通なのに
この糸を通すフックは規格も形もばらばらで、しかもメーカー修理以外の
方法がほぼないのです。
「ようがす。そんならオイラが・・・」となるのは必然というものです。