910 ジャノメJP510M糸通し修理(2)
まず、どういう仕掛で糸が通るのか分析します。そうでなくても老眼で
細かいところが見えないのに、どこから見ても照明の影になって
しかも故障後の状態なので、どうなればいいのかがよくわかりません。
赤い→が針穴の位置で、穴の中に細い金属がはいりこんでいるのが
見えますが、これが下向きのフックになっているのが正常な
状態ですが、多くの故障品では、まっすぐに伸びているか
先端が折れてしまっています。今回は折れて短くなっています。
つまりこのフックの部分に同等のフックを作ってやればいいのです。
まず、この糸通しのユニットをはずしてみるとこういう感じになっています。
これを分解するとこのように2枚の板を重ねてビスと長方形のナットで
プラ部分に固定してあります。これはすでに修理した後の写真なので、
赤丸部分にフックが再現されているのがわかります。
要するに、この金属板一枚の問題で、こんなもん300円で一般販売
するべきものでしょう。これが機能しないだけで、かなり大きな
買い替えの動機になりうるということなのかもしれませんが、
「メインテナンスできない機械はクソである」と思います。
それで、私が行った修理を図解します。
これが故障前の状態、先端部は直角に曲げてあるので透視図です。
これの先端部分を切り取ってフックの付け根に相当する部分に
直径0.5mm程度の溝をダイヤモンドディスクなどで切っておきます。
0.5mm程度の硬金属線(ピアノ線とか硬ステンレス線)をこのように
曲げてフック部分を復元します。先端は長円のミシン穴に合わせて、
ある程度の削合、研磨をする必要があると思います。
位置が決まったら瞬間接着剤で固定して、元のように組みます。
ワイヤーの厚みをもう一枚の板と長方形ナットでずれないように
締め込み、元通り組んでフック位置と針穴の位置を一致させるように
微調整します。完全に機能が回復しました。
誰にむけてかわかりませんが、ざまーみやがれ、てやんでぃ!