932 タワー解体プロジェクト(3)
さて、体力面、安全面からDIY作業が可能であることはほぼわかりましたが、
「どのようにして」の部分が問題です。むろん、このタワーと同等の足場を
周囲に作れば可能なのはわかりますが、地上高15mの足場は、仮に4本で
作るとしても4mの単管が16本と継手が12本、横方面の連結を1mごとに
周囲に梯子をつけるとしたら最低1mの単管と継手が24個必要で、解体が
終了した後で、これらの処理にもかなりな手間とコストが発生しそうです。
では、足場を作らずに解体できるかといえば、例えば広い土地の一軒家なら、
木を切り倒すように、自分が下敷きにさえならなければ、一番下のセクションの
ボルトを外して、倒す方角へ長いロープで引っ張ってやればいいのです。
地上に倒れたタワーを電動レンチでばらせば一丁上がり。半日の作業です。
しかし、実際には猫の額ならぬネズミの額のような敷地の裏庭で隣家まで
2mかそんなもんで、こんなところでは倒すことすらできません。
たぶんよくて我が家、悪ければ隣家の屋根や外壁に多大な損害を与えて
あちこちに頭を下げて回る結果に終わるでしょう。
何日か寝ながら考えた結果…話は変わりますが、以前プログラミングで
どうしてもエラーが出て動かないとき考え続けた結果、寝ているときにも
半分頭が占領されていて、ふと「ん?あれをあーすれば」と正解に
たどり着くことがよくありましたが、このタワーの解体アルゴリズムも
寝ているときに出てきました。今のところ問題ない気がしています。
タワーの中心には先端のセクションだけセクション長2.4mより1.6m長い
鋼管マストポールが、このポールの軸を回転するローテーターに
設置してあります。これを回すことによって、指向性のあるアンテナを
目的方向に向けるためなのです。
この写真の下の方に写っているのがローテーターで、それからタワーの
先端を越してポールが突き出しているのがわかりますが、ローテーターは
このセクションの下端から70cmくらいの場所に設置されているので、
ポールはセクション上端まで1.7mは塔の中で、先端から突き出した長さが
2.3mということになります。
ということは、ローテーターを外してポールを塔の中へ下げていって、
この突き出した部分をゼロに、つまり塔の上端と揃えたときには、この
ポールの下端は、一段下のセクションに1.6m入り込むことになり、
このポールを下のセクションでしっかり固定してやれば、このポールが
先端セクションを解体する足場として使えることになるのです。