雑踏の誘惑

台南聖地巡礼篇


9〜13,Aug.2002

北村 家康


2日目 前

本来は朝食もそこらへんで粥とか屋台の豆乳を行きたいところなのですが、昨夜食べ過ぎたせいもあってあまり腹が減っていません。旅行中はいつも眼が早く覚めてしまうので、部屋に置いてあるインスタントコーヒーを飲みながら、なんとかインターネットにつなごうとしたのですが、結局最後まで成功しませんでした。
 廣澤さんも起きてきたので、朝食代わりにウエルカムフルーツを食べました。さすがに台湾だけあって、どのフルーツもなかなかおいしいのはさすがです。今日は午前中に国内便で台南に移動します。台北は国際便が中正航空站、国内便が松山航空站から発着します。松山航空站はこの老爺大酒店から3kmくらいの距離にありますので、タクシーで10分くらいで着きます。

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          台北松山航空站           復興航空A-320

前日、勝美旅行社で、搭乗の40分前にはチェックインしてくれと言われたので、9時にホテルをチェックアウトして松山航空站に行き、復興航空のカウンターで手続きを済ませても出発時間の10時40分までまだ一時間以上あります。そこで、フルーツだけで済ませた朝食をちゃんと摂ることにしました。松山航空站には1階と2階にそれぞれ簡単なレストラン(餐庁)があります。この1階の方で「中式早餐」というお代わり自由の白粥と簡単なオカズのセットがNT$120でした。今回の旅行で食べて損をしたかもしれない唯一の食事でした。

30分くらい前に搭乗口に行っていたのですが、まだと言われて、結局搭乗が始まったのは10分前でした。それまで待合室にほとんど人間がいなかったのに、搭乗用のバスにはいつのまにか100人以上の人が集まっていました。どうやら出発5分前に来るのが国内便の乗り方のようです。

画像来年完成する台南航空站

(http://www.tainanairport.gov.tw/より引用)

松山航空站から台南航空站は45分のフライトですから、上昇して水平飛行に入ったと思うとすぐに下降を始めます。日月潭や南部の水田地帯もよく見えます。やがて、着陸態勢に入ると、駐機している軍用機や芝生で偽装した格納庫なども見えます。この台南航空站は太平洋戦争時には海軍台南航空隊(第251航空隊)があったところで、零戦に乗った撃墜王の物語の舞台でもあります。現在も台湾軍の基地として使われているので、着陸後すぐにバスに乗せられて基地の中を通り、基地の外に出たところにある簡単な空港オフィスの前で止まり、後をついてきた荷物車から荷物をとってここで解散、つまりいきなり空港の外という、いかにもローカル空港らしいやりかたです。

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コンパクトな台南航空站のオフィス      台南の街にはタクシーで15分

あたりはいかにも南国らしいのんびりした風景です。台南車站(駅)行きのバスはこのオフィスの前から出ています。本数はあまり多くない様子でNT$20です。タクシーだとNT$150くらいという話です。のんびりした台南の街を通って台南駅に着きました。予約した台南大飯店は駅前にありますので、ほとんど歩かずにすみました。

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のんびりした台南の街      街角の檳榔屋

部屋はちょっと狭めのツインですが、居心地のいい雰囲気にまとまっています。ここは台南では一番歴史がありそうなホテルですが、このホテルには日本間もあったり、フロントも日本語をしゃべりますし、日本人にはありがたいホテルです。一般に台湾南部は台北ほど国民党の影響が強くなかったので、それだけ日本色が強く残っています。ざっと荷解きをしてここでもインターネットにつながるか試したところ、こんどは問題なくつながりました。台南のアクセスポイントには変更がなかったようです。これで気をよくして、翌日の列車の予約をしに目の前の台南車站(駅)にでかけました。駅前は放置自転車ならぬ放置バイクが何百台も並んでいます。

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歴史を感じさせる台南駅         駅前広場は放置バイクの海

駅で翌日13時30分発の自強号の予約を済ませました。台中までは席が取れましたが、台中から桃園までは「無座」すなわち立席です。窓口はこちらが日本人と見ると「明日の予約は一杯だ」とだけ言って話を終わらせようとしますので「無座OK」である旨をなんらかの方法で知らせる必要があります。ちなみに、自強号の台南→桃園の料金はNT$675(2565円)です。
 さて、帰りの足も確保して時刻は昼下がりのいい時間になっています。これからが「聖地巡礼」の本番というものです。台南と言えば担仔麺、担仔麺と言えば度小月というのは小吃界(どんな界じゃ)の常識です。ところが、この度小月という店はそこらじゅうにあるのです。そしてどれが本店なのか、すでに誰にもわからなくなっているようなのです。そこで、まず手始めに、有名度では中正路の店には負けるけれど、味はこちらが好き、という人も多い、南門路の孔子廟の向かいにある「度小月肉燥 祖傳担仔麺」という看板の店にタクシーで行きます。

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度小月肉燥 祖傳担仔麺         ま、店といってもこれだけだけどね

くたびれたおばちゃんに注文すると、この写真のような屋台状のもので野菜と麺を湯がいて小ぶりの器にとり、スープをかけまわしてトッピングを乗せるという方式で、この屋台状のものこそが「担仔」(=屋台)だと思います。基本の麺がNT$30、トッピングに鉄蛋と魚丸が各NT$10で計NT$50(200円)です。香菜が濃い目のスープにマッチしてとてもおいしく、これなら3〜4杯くらいは簡単にいけそうです。そこで、こんどは一番有名な中正路の度小月に行くことにしました。

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鉄蛋と魚丸をトッピング         道路に出した低めの卓と椅子で食べる

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一応孔子廟にもおまいりして         警察署のところを曲がって中正路に

中正路の店はほとんどのガイドに載っている有名店です。こちらの名前は「度小月三代祖傳担仔麺」というわけですが、こちらはなんと言っても店に戸がありますし(!)二階もあるようです。と言っても店の広さはそれほど変わりませんし、道路のテーブルで食べるのも、屋台状の厨房具もほとんど同じです。こちらは備え付けのメニューに印をつけて注文する方式です。基本の麺がこちらはNT$40で、トッピングは同じNT$10ですから、孔子廟の店に比べるとNT$10高いことになります。味はこちらのほうが洗練されている感じです。

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こっちは戸があるからね         しかし、同じもん続けて食うかね

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卵の食いすぎで禿げてるぞ         これは赤嵌楼前の別の店

もう1〜2杯くらいはいけそうでしたが、あまり満腹しては他のものが食べられなくなって損な気がして、なにか食後のものをさがしつつ駅のほうに歩いていきました。



(後半に続く)

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