雑踏の誘惑

台北無情篇


14〜17,Jan.1998

北村 家康


3日目

昨日の疲れもあって遅い朝食になりました。今日は完全フリー日ですから、どこから行くか朝風呂に入った後しばらく考えました。昨日故宮博物院で食べたお菓子を探すのと、おみやげを買うのとで食品店に行くことにしました。どうせ買うのならここはやはり地元の人が行くところと思って、忠孝東路の「新東陽」に行きました。ここはドライフルーツやビーフジャーキーのたぐいを自社生産しています。春節を2週間後に控えてお正月用食品を買い出しに来た人で混雑しています。一応品物のチェックをして、そばにある地元系のデパートも見てみようというので同じく忠孝東路にある「統領百貨」と「明曜百貨」をチェックしました。このあたりはデパートが集まっているので、繁華街の西門町に対して「東門町」と言われることもあるようですがタクシーで言ってみたら、発音が悪いせいか通じませんでした。ついでに足を伸ばして「太平洋SOGO敦化店」を見ましたが、いずれもたいしたものはなく、道を引き返して「新東陽」でいろいろな物を買い込みました。


これですでに昼過ぎになりました。昨日のこともありますので、今日こそはちゃんと時間に間に合うように飲茶をするつもりです。と言っても「珍撰美食」でリターンマッチするには天母は遠すぎるので、タクシーで中山北路にある香港が本店のレストラン「紅寶石酒楼」に行きました。ここの昼にやっている飲茶が大変評判がいいのです。実際どれもおいしくてしかもリーゾナブルな値段(2人で満腹して468NT$:約1900円)なので地元の人でけっこう混雑しています。ここでは特に大根餅が気に入りました。

画像「紅寶石酒楼」にてピンボケ


さて、すっかり満腹したので買い物の続きです。昨日は地下鉄で失敗しましたが、この場所は間違いなく捷運(地下鉄)の民権西路站の近くですから、台北站までこれを利用することにして駅まで少し歩きます。途中で交換レートがいいと評判の「台灣土地銀行」で両替しました。手数料が無料でレートも4円を割っていたのには驚きました。得をした気分です。考えてみれば、本当に得をしたわけですが。

捷運 民権西路站付近画像


終点の台北站から地下道で新光三越方面へ歩きます。地上に出る場所に最近できた電脳街の「TT STATION」への入り口があります。今回はここをチェックするのも目的の一つなのです。こちらでもインターネットがブームのようで、ここにはちょっとした休憩所のような場所が2ヶ所あって、それぞれ20台くらいのインターネットへの端末を置いて無料で客に解放していますが、若い男女がすべて占領しています。ここのベンチの端で妻が休むというので、私は場内をざっとチェックしてみました。もうハードウエアの価格は日本とほとんど差がありません。強いて言えばコネクタやケース関係が安いというところです。HDDなどはものによっては高いものすらあります。まだ店が新しいせいで品揃えも今ひとつという気がしました。

TT STATION画像


ここは簡単にすませて三越裏のCDショップ「大衆唱片有限公司」でCDをチェックします。この店も含めて、今回回った店はいずれもNIFTYの台湾会議室のマニアの皆さんが推薦する店ばかりです。ここでは「天空の城ラピュタ」のCDを「見」て、台湾語の「流浪到淡水」というヒットソングを「買い」ました。合計416NT$(約1650円)でした。

画像大衆唱片有限公司


次に、これも三越のそばにあって、最近では光華商場をしのいでいるとも言われる電脳ビルの「NOVA」をチェックすることにしますが、長くなりそうなので、香港でもお世話になったマクドナルドに入ります。なぜか電脳とマクドナルドは近所にあるようですね。ここで妻にコーヒーとアップルパイ、ポテトなどを食べてもらって、私一人でNOVAの探索です。やはりあまり購買意欲が起きません。商品のバリエーションも少なく、怪しい商品もあまりありませんでした。ここで買ったのは李小龍主演の「龍争虎門」すなわちブルース・リーの「燃えよドラゴン」のVCDです。ソフト再生でどの程度ちゃんと見えるのかわかりませんが、どうしてもほしかったので買ってしまいました。500NT$(2000円)は、私の物では今回一番高価な買い物となりました。

画像
このVCDよりキャプチャー


後記ですが、このVCDはちゃんとソフト再生でも問題なく映画をみることができます。音声の左チャンネルに広東語、右チャンネルに北京語が録音されています。画面には北京語と英語のスーパーが入ります。タイトルは我々が知っているアメリカ公開版ではなく、香港公開版のようで、香港映画によくあるメイキングのシーンでできています。最近ブルース・リーの小ブームがあるようですが、リアルタイムで見ていた(しかも拳法をやりながら)私には涙ちょちょぎれ物です。

画像共通レシート


さて、いよいよ日も暮れてきましたが、台北の街をチェックするのなら西門町一帯を落とすわけには行きません。特に台北の原宿とも呼ばれる武昌街や峨嵋街を忘れてはいけません。それほどの距離ではないので歩くことにしました。この道の途中で、昨日故宮博物院の「三希堂」で食べた菓子(郭元益の三果酥) を妻が発見してさらに荷物が増えました(朝の買い物を持ったままで移動しているのです)。幅100m以上ありそうな中華路は地下鉄工事の真っ最中です。重い足を引きずってやっと西門町に着きました。と言っても私はファッションにはなんの興味もないのでざっと流すだけです。ここにある萬年商業大楼というビルは夜市を詰め込んだようなビルです。特に4階はアニメやフィギアなどを扱っていてオタクビルと呼ぶ人もいます。ここまでの行程は全部歩きなので、見終わったら足がすっかり疲れてしまいました。また雨が次第に強く降ってきて大渋滞の中山北路をタクシーで圓山大飯店に帰ります。

西門町付近画像


雨は降り続いていますが、昨日注文しておいた「担担」の印を受け取らなければいけませんし、本日の夕食は夜市の小吃と決めてしまったので、お茶を飲んで一服した後、雨の中をタクシーで士林に向かいます。私の行いがいいせいだと思いますが、着く頃にはなんとか歩ける程度の小降りになっていました。まずはんこ屋に寄って印を受け取ります。なかなかの出来で大満足です。これで1000円は安い!ローカルのみなさんはこれから先、私の署名とともにこの落款を何度も目にするはめになるはずです。

画像「担担」は私の俳号です

画像 画像士林夜市


さて、メインイベントの小吃ですが、屋根付きの広場にはお約束の臭豆腐の臭いが立ちこめています。今回私は発見してしまったのですが、遠くからかぐと強烈に臭いあの臭いも揚げたてをそばでかぐといかにもうまそうなのです。もしこの次があるとしたらきっと食べてしまいそうな気がしてきました。まあ、妻は違う感想を持ったようですが。雨で地面がびちゃびちゃの食べ物屋台の広場を一周して、まず、台南に行けなかった無念を晴らすために棺材板(クリームシチュー入り揚げトースト)と担仔麺を食べることにしました。40NT$と30NT$、計約280円でした。うーむ、う、うまい!これなら本場は・・・とますます無念は募るのでした。サバヒー粥(ミルクフィッシュのスープかけご飯)もあったのですが、これは次回の訪台までとっておくことにしました。

画像棺材板水餃子画像


まだもう少しはいりそうなので、今度は屋台ではなく店(といっても、ほぼ屋台に近い)で水餃子を食べました。1人前10個が35NT$を2人分、魚丸湯(一種のつみれ入りスープ)25NT$で計約390円です。安い!うまい!これで完全に腹一杯になりましたので、帰ることにしますが、妻は昨日飲んで気に入ったオレンジジュースを40NT$(160円)で買い、さらに売っていた女峰にそっくりの苺を一皿50NT$(200円)で買いました。ついでに昨日気になっていた烏龍茶の急須と湯呑みをバラで計150NT$(600円)で買いました。安い!これで買い物の予定はすべて終了しました。部屋に帰って苺を食べながら、3日間を振り返り、まずまずの旅行だったことを確認して寝ました。

画像中国茶器夜市の苺画像

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